- Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104588015
感想・レビュー・書評
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再度、借りてしまう。
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死をもって、生を感じる。そのギリギリのバランスが、全編に緊張をみなぎらせている。主人公の乖離した心理状態が迫真の描写だ。最後は悪夢としか言いようがない。
心に大きな空白を抱えた人、例えば人格障害や依存症のような。そういう人に、この物語は他人事ではないのではないか。 -
凄いわ。これがデビュー作なんて。
拳銃に憑かれた男の行く先は‥。
作品を覆う空気感が、いい。
淡々とした中にのぞき見える、ぐろぐろとしたエネルギーが、いい。 -
これだ。これこそ中村文則だ。
たぶん中村さんの初期作品であるこの本には、すべてがつまっていると言ってもいいのではないだろうか。
ほんの偶然から銃を手に入れた大学生が、それに魅入られて破滅していく過程を驚くほど丹念に描き切っているこの本に、そして僕も魅入られてしまった。
ただ一言で言えば「疎外感」であり、それは社会からの疎外感、他人からの疎外感、自分からの疎外感である。中村作品のほとんどすべてに通底しているこの感覚を、今までで一番強く感じた作品だった。
とにかく素晴らしい。本当の傑作だ。 -
ある日、偶然から銃を手に入れてしまった男の話。
唐突に暴力的な非日常を手にしてしまったことで、淡々と追い詰められていく描写が怖い。
主人公の思考が現実的で共感出来るものであったので、冷静に考えると常識を逸脱した行動をしているのに、
読んでいる最中はそれに気付かず、結末でぞっとしました。
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拾った銃に次第に魅せられていく男の話なんですが、巧妙な文体が良かったです。