赦す人

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104594030

感想・レビュー・書評

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  • 団鬼六ってこういう人だったんだと初めて知りました

  • 大崎氏の控えめな文体。何人もいる赦す人たち。秀行氏が父のことを語るのを聞いたが、赦す人だった。

  • H29/8/30

  • 団鬼六の伝記。年末から読み進めたがやっと読了。団鬼六としてやっていくことを決断したところは、仕事を選択するという事がどういうものなのかを指し示すようであり、道に迷うものとしては突き刺さるものがあった。周囲から求められること、仕事に貴賤がないとはつまるところ、求められるからあるのだなと思い、その求めにただ応じるということの潔さみたいなものは純粋にいいなと思う。徹底的に遊んで、最後、悟れないということを悟るあたり、鬼六らしくてしびれる。破滅的に全てを受け入れる、一言で言うと、大きな男である。団鬼六の本は読んだことが無いが、とりあえず、花と蛇あたり読んでみることにする。

  • 『花と蛇』の著者として有名な団鬼六さんの一生を描いたノンフィクション作品『赦す人』を読了。確かに豪快な人ではあるが赦す人と言うタイトルは悼む人のタイトルを波パクった感じがあり団鬼六さんに失礼な気もした。まあそれはわて置き、生い立ちから死のときまでほんとうに快楽主義というか本当に生ききった人だ。将棋の世界に使った無駄金などなど普通にしていれば成功者なのだが、いろいろな人と関わるうちに人生のいろんな場面で博打をうってします。そして最後には死は夜逃げだなといって冗談をいいながら死んでいった団鬼六氏。凄すぎる人です。一読の価値あり。

  • 人間には持って生まれた器があり、その大きさに応じた生き方を選ぶ。情の深さも、器のひとつ。団さんのように生きたいとは正直思わないが、先輩や友人にこういう人がいたら、間違いなく影響を受けただろうと思う。

  • 快楽主義とは、団氏が自分に言い聞かせていた言葉のような気がしました。
    金銭面の成功と失敗を繰り返し、信頼していた人に裏切られ、小池重明氏のような破滅型へ無類の優しさを提供する。
    人を裏切るより裏切られた方が幸せと以前何かで出てきたのを思い出しましたが、自分の思った通りのことを精一杯やるということを一生涯かけて貫き通したことが、著者の長い取材から滲み出てきたような気がします。
    最後に一番愛したのが「将棋」というのが意外でした。

  • 団鬼六!
    SMと将棋。常識の枠に入らない大きな人間。人が好きで、遊ぶのが大好きな快楽主義。たこ八郎とも縁があった。

  • 団鬼六の伝記。私はこの方の小説を読んだことがないと思うので、メディアを通しての漠然としたイメージしかなかった。
    読んでみて、自分のまんまに生き、浮き沈みのある人生をどん欲に楽しんだ人。そして他者にひどく優しい人。とてつもなく逞しい人。そんな印象を持った。おもしろかった!

  •  花と蛇……で有名なSMエロ作家(と呼んでいいのか?)団鬼六の物語。
     実は団鬼六を読んだことないのだけれど、この本の著者の大崎氏から見る団鬼六の世界はものすごい豊かだ。団鬼六は作家として生きていた方なんだろうなぁ。
     しかし、希望のあるエロスって……淫猥とは逆ベクトルそうだよね。
     機会があったら読んでみよう。

著者プロフィール

1957年、札幌市生まれ。大学卒業後、日本将棋連盟に入り、「将棋世界」編集長などを務める。2000年、『聖の青春』で新潮学芸賞、翌年、『将棋の子』で講談社ノンフィクション賞を受賞。さらには、初めての小説作品となる『パイロットフィッシュ』で吉川英治文学新人賞を受賞。

「2019年 『いつかの夏 名古屋闇サイト殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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