3652: 伊坂幸太郎エッセイ集

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104596058

感想・レビュー・書評

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  • 作家になって10年目のエッセイ集。
    読みたい本が増えました。

  • 2000年以来、デビュー10年間のエッセイをまとめたもの。
    最初の頃に、賞の選考を待っていて結局、選ばれなかったときの様子もユーモラスに。
    エッセイを書くに当たって、いろいろ工夫している様子も。
    欄下の現在のコメントも楽しい。

    お父さんの話が楽しいですね。
    正義漢が強く、世話好きで、健康療法マニア。
    ドッグフードを常にポケットに入れている、それもばらで。
    ネタの宝庫のよう。
    お母さんとしてはそれが少し悔しいらしいとか。

    すぐには仕事を辞めないように勧められていたが、仕事を辞めて小説に集中したくなり、相談した所、「いいんじゃない?」と軽く妻が言ってくれたとか。
    ご本人は後書きを読んでから読む方だが、妻は後書きからは絶対に読まないとか。
    「ごきげんよう、おひさしぶり」とでもいう虫が苦手な話とか。
    そうそう、それはわかる~。

    「伊坂幸太郎がもてはやされるようでは」と嘆いていた作家がいたとか、、誰だろう?
    自分も他の素晴らしい作家を読んで欲しいと思っているとも。

    知らない作家の作品がけっこう出てくる。
    子供向けの本はたくさん読んだが、その後余り読まない時期があったとか。
    赤川次郎さんも好きで。
    大学時代に大江健三郎にはまったとか。
    あと北方謙三とか。
    選考会で酷評されて落ちたときに「あとで俺の所に来い、話をしよう」と呼ばれて励まされ、それがなければ書くのをやめていたかもと。

    佐藤哲也、読んでないな、たぶん‥打海文三?知らない。
    井伏鱒二の「ジョセフと女子大生」ってどんなのだ。
    作家じゃないけど、斉藤和義、武田浩三、三谷龍二‥
    「エドウィン・マルハウス」読まなくちゃ。ローレンス・ブロックのこれも未読だな‥

    何となくそんな気はしていたけど、読んできた物はかなり違う。
    世代と男女の違いもあるけど、それなのに読みやすいのはやや不思議なのよね。
    カッコ良さにこだわっている様子にほほ~と思う。
    島田荘司が好きで、読んでいなければミステリは書かなかっただろうというのは納得。アイデアを大事にしている所と濃いめの発酵具合に共通性があるわ。

    長篇は「砂漠」1作を残すのみでコンプリートと気づく。
    すぐまた次の作品が出るでしょうけど。

  • さすが、伊坂さんというか、なんというか。
    笑えます。
    小説とはまた違った笑いがあり、電車の中で一人でニヤニヤしてたのでとても恥ずかしかったです(笑

  • 読み始めてすぐに、この本が好きだと思った。
    伊坂さんが好きだと思う作家さんの本を読んで、
    「やばい、いいかも」
    と思うように、私も伊坂さんのエッセイを読んで同じように思った。
    仙台ぐらしと共に本棚にずっと置いておきたい。
    もちろん小説も。

    伊坂さん自身が、
    「チルドレンもグラスホッパーも砂漠も本当に気に入っている」も書いていることがより嬉しい。
    私も好きなんですよ!と伝えたくなる妙な現象。

    積読されてるバイバイブラックバードのラストに差し掛かったら、ユニコーンの「最後の日」をかけ、終末のフールを読むときは、アナログフィッシュの「世界は幻」をかけよう

    伊坂さんが難産だったという「夜の国のクーパー」、じっくり読もう。

  • 流石は流行作家。エッセイだがまるで物語を読んでいるかのような軽快さで文字が流れていく。
    気が付けば休憩なし二時間で読了してしまった。


  • 1300
    橋本図書館

    マイク・リー監督
    エンディングがいつも乱暴に終わりますね?と聞いたら観客は映画を見ながら旅に出る。ある時点が来るとさぁ、君は旅に出た。私たちはここに残るが君はそのまま先に行ってくれと告げる。

    絵とは何かというタイトルの本
    父にもらったらしい。
    人の人生は、一回限りである。しかも短い。その一生を想像力にぶち込めたら、こんなに幸福なことはないと思う。

    自分のことばかりを考えてると人は離れていく。
    お湯を自分のところにばかり持ってこようとすふと逆に向こうに行ってしまうだろう?伊坂父。

    間違っていることは間違っていると誰かが言わなくてはいけない。

    フリースローを何人も連続で入れるゲームでどれだけ入れ続けられるかというゲームでアメリカンコーヒーを頼む時、同じ注文を周りは繰り返していう。しかし、一人だけホットコーヒーと言ったら失敗したしたなという顔で見る。

    最後のオチがすごい作品。井伏鱒二 ジョセフと女子大生。まだ八月の美術館。岩館真理子


    狂っちゃいないぜ マイクニューウェル映画

    マンドゥディアオロックンロール

    叫び声 大江健三郎

    The roostersコロムビアミュージックエンターテイメント
    齊藤和義アルバム全部
    ソニーロリンズ ソニーロリンズvol.2
    ザ・ワールドイズマイン 新井英樹
    ロードトゥパーディション

    アナログフィッシュ

    J打海文三

    心配は短命になる。

    2007年おすすめ小説
    ミノタウロス佐藤亜紀殺しのパレードローレンスブロック
    赤川次郎ひまつぶしの殺人 マリオネットの罠
    島田荘司北の夕鶴3分のニの殺人

  • エッセイがすきだ。

    特にミュージシャンや作家のエッセイが。

    彼らの作品を深く知ることもできるし、
    何より!
    彼らのルーツを知ることができる!

    好きな人達が好きなものをだから、
    ツボにハマるものが多いのだ。

    今回は伊坂幸太郎のエッセイ。

    伊坂幸太郎のおっとりとした生活の中で、
    オススメの本や音楽を勧めてもらっている感じ。

    「これいいから読んでみなよ」
    「この作品と僕の作品が似てるんだよ」
    みたいな感じで。

    また読みたい本がたくさん増えました。

    伊坂さん。
    ありがとうございます。

  • p136<素晴らしい作家はたくさん居るのに、僕の本だけ読んで、
    現代文学を見限るなんて、気が早すぎます!>

    作家人生10年を記念して、10年間の伊坂幸太郎さんが書かれた、エッセイとか感想とか、小説ではない文章をまとめた本。
    ただ、私はなんとなく作家のエッセイというより「作家がお勧めしてるレビュー本」を読んでる気分でした。

    書かれている主な小説のジャンルがミステリーやサスペンス、死神や殺し屋みたいな禍々しい内容のものが多い伊坂さんですが、この本の中身はごくごく普通のエッセイや書評や短編。
    なのに、とっても「伊坂幸太郎」。この人が書く独特の文体?文章?は「伊坂節」と言いたい。

    印象に残っているのは、たびたびエッセイ内に登場される伊坂さんのお父さんの話。また良いキャラクターを持っていて(笑)この父親にして、この作家ありなのかなと思いました。
    そして「10年目に考えたこと」で語られている、読書を旅に例えた話がとても好きです。よく物語を読むことは世界旅行に例えられることが多いと思うのですがここまで具体的に語られたものは読んだことがなかったし、
    私の小説好きの理由が明確になるヒントのようにも思えました。

    2015年文庫化予定らしいので今から楽しみ!絶対買う!

  • 「3652 伊坂幸太郎エッセイ集」
    伊坂幸太郎のエッセイが10年と2日分。


    「仙台ぐらし」に続いて、伊坂幸太郎のエッセイを読みました。「仙台ぐらし」は多分1年間分くらいのエッセイ集で時期は2012年辺り。


    対して、「3652」は10年間と2日分のエッセイをまとめています。というわけで、小説家伊坂幸太郎の産声から伊坂作品第一期を経た2012年?までの伊坂幸太郎のあれこれを楽しめる仕上がりになっています。


    ボリュームがある為、すいすい読めた訳では無いけど、上手い具合に話題の違うエッセイが挿まれていて読む気分も変わり、無事読了出来ました。


    伊坂幸太郎のあれこれですが、本当にあれこれになってます。日常生活での些細な出来事や小説家としてやっていく為、会社を辞めた時の話、好きな小説の話など多様。


    そんな数あるエッセイの中で、好きな小説の話が勉強になりました。定期的な特集なのか年度毎に、伊坂幸太郎が小説に触れるのですが、知っている作家もいれば初めて聞いた作家もいて、読む幅が広がりそうです。早速読んだこと無い小説は、読みたい本リストに追加しました。


    特に面白かったのは、大江健三郎エピソード。大学時代に「叫び声」を読んで大はまりし、この作家の面白さを知っているのは自分だけだと思ったらしいです。でも、大はまりしたのは、僅か数日だけどいう。あれだけ好きだったのに何があったのか。


    また、これも大学での話ですが、本を読まない友人の家に赤川次郎の本があったエピソードも興味深かったです。誰が読んでも読みやすいテンポの良さ、それでいてミステリー要素を組み込んだキャラクター濃い人達による物語構成は、ほんと凄いですよね。


    日常生活のエピソードは、いつもの伊坂幸太郎小説の香りがして、エッセイでも小説のように思わせるなんて、エッセイとしては違うかも知れませんが、私は好きですね。

  • 伊坂幸太郎さんの2000年から2010年までの10年間のエッセイをまとめたもの。
    エッセイが苦手と語っている伊坂さんだが、エッセイでもユーモアあふれる文章が読み応えたっぷりでとてもおもしろかった。
    苦手故にそれぞれの文章がユーモアに富んだ文体で綴られていてなんだか照れ隠しみたいな感じが伝わってきた。

    読んでいくうちに途中から毎年冒頭に入る干支エッセイや印象に残った本を紹介する項が待ち遠しくてたまらなくなるし、続きも非常に気になる。
    また作家になるきっかけになったと思う本たちや映画、お気に入りの音楽も紹介されていて、
    あれいいよねとかそれそうなのとか、
    あれもこれも気になるものばかりだった。

    エッセイ全体を通して感じたことは、
    伊坂さんは常に「小説とは何か」という自問を続けているということだ。
    自答はしていない。
    いやきっと答えのようなものはあるのだろうが、
    それは言葉で表現できないような、
    表現することで意味が限定されてしまうような、
    というものをなんとなく感じずにはいられない語り方だと思った。
    でも、その答えのようなものをエッセイ中で紹介している作品たちの中に見出していてその中にあるものが伝わるといいなという気概のようなものを感じた。
    伊坂さんは「小説とは何か」の自問自答の様態を小説にしているのではないかなと思ったりもした。
    とにかく小説というものにかける願いのようなものがよく伝わってきてそこがなんだか読者としてとてもうれしかった。
    ここまで考えながら読んでいると、その願いをくみ取りたい、
    読み取りたいと思ったりもしたけど、きっと感じるままでよくて、
    考えるきっかけにすればよいわけで、伊坂作品を読むのは、
    やはり面白いから、好きだからにほかならないし、読みたいからに
    間違いないと、このエッセイを最後まで読んで思った。

著者プロフィール

1971年千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。2000年『オーデュボンの祈り』で、「新潮ミステリー倶楽部賞」を受賞し、デビューする。04年『アヒルと鴨のコインロッカー』で、「吉川英治文学新人賞」、短編『死神の精度』で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞。08年『ゴールデンスランバー』で、「本屋大賞」「山本周五郎賞」のW受賞を果たす。その他著書に、『グラスホッパー』『マリアビートル』『AX アックス』『重力ピエロ』『フーガはユーガ』『クジラアタマの王様』『逆ソクラテス』『ペッパーズ・ゴースト』『777 トリプルセブン』等がある。

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