奪還 第二章

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104599028

作品紹介・あらすじ

北朝鮮による拉致問題はなぜ、決着しないのか-膠着する交渉をめぐる疑惑のシナリオ、この悲劇をも食い物にしていく「拉致ビジネス」の横行、年ごとに疲弊していく家族会の内面、次第に明かされていく被害者たちの北朝鮮での生活ぶり…最前線で闘い続ける著者が、信じ難い暴挙に出た無法国家への怒りと、報じられない真実を語り尽くした手記。

感想・レビュー・書評

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  • 引き続き、北朝鮮による日本人拉致問題のおさらい中である。

    人間の記憶って本当にあやふやだ。著者の弟である薫氏を含む
    5人が北朝鮮から帰国してから、お子さんたちが日本に来るまで
    それほど時間が経っていないと感じていたのだが、実際は1年
    以上もの月日を要していたのか。

    お子さんたちは人質みたいなものだったよね。再会するまで、
    どれほどの不安を抱えていただろうかと思うと胸が痛い。

    そして、相変わらずの政治家のばかっぷり。拉致問題を選挙向け
    のパフォーマンスに利用するなんて、人の気持ちを踏みにじる
    ことが平気で出来る神経が分からん。

    拉致問題をビジネスに利用しようとする輩はいるわ、募金詐欺を
    働くたわけはいるわ。人の不幸に群がるド阿呆の多さに唖然と
    する。自分の肉親が被害者だったら同じことが出来るか?ボケっ!

    著者の怒りが伝播するような話が多かったが、帰国した薫氏が
    著者に語った「向こうで一生懸命生きていこうと思ったら、
    日本への望郷の念を捨て去ることが必要で、それこそがプラス
    思考になる」との言葉に頭をぶん殴られた気分だった。

    こんな風に思って、24年間を必死に生き抜いてきたのだね。

    拉致被害者家族も帰国が叶った5人の家族と、それ以外の人たちの
    家族の間に出来た溝も正直に記されている。のちに著者は家族会
    から除名されてしまうのだが…。

    今振り返っても、日本政府の拉致問題への取り組みはやはりこの時点
    で止まってしまっているのではないだろうか。

    2018年5月、北朝鮮に拘束されていたアメリカ人3人は。訪朝した
    ポンペオ国務長官と共にアメリカに帰国した。

    日本はどうだ?2018年4月に行われた南北首脳会談で文大統領は
    金委員長に日本が拉致問題の解決を求めていると伝えてくれた。

    「韓国やアメリカなど、周りばかりが言ってきているが、なぜ日本は、
    直接言ってこないのか」

    金委員長は文大統領にこう言ったと伝えられた。もっともだと思う。
    日本政府としてパイプがないのであれば、アントニオ猪木の訪朝を
    認めてもいいのではないか。

    どんな手段を使っても奪還する。そんな強い思いを日本政府が持って
    いなければ、拉致問題は永遠に解決を見ないような気がする。

  • 前作 奪還のその後の話

    拉致被害者の気持ちや立場に対して
    無理解な政治家やマスコミに対する憤りの本。

    一般の市民の生活は右や左などの政治信条とは別に
    ある。

    一方 政治家は拉致被害者救済はパフォーマンスの一つとなってしまう。逆にパフォーマンンスにならない拉致被害者救済措置はほとんど行われない。

    一部 本当に頑張った政治家や官僚もいるのに

    その違いはマスコミからは全く伝わってこない。
    また被害者が帰ってきた家族と、まだ不明の家族で
    政府に対する見方が変わってしまうのは仕方がない。

    拉致被害者を応援するといって勝手に募金をして自分たちの
    資金源にしてしまう団体もいたとは・・・。

    困ったもんです。

  • 拉致を考える第2弾

    政府にとっては拉致問題解決よりも国交正常化の方が優先事項だったということがよく分かるのである。

  • このような問題を選挙のために利用する政治家の姿勢は許せない。とはいっても内幕を暴露するこのような本を自ら手にとって読まなければ真実の姿は見えてこず、気軽に見ているテレビの内容だけで判断してしまう。やっぱりテレビばっかり見てるとアホになるなと改めて感じた。

  • 北朝鮮も酷いが、日本の政治家、マスコミも相当に酷いようだ。
    被害者家族に頑張って、って何を頑張ればいいのだ。辛抱しろ、ってどうして辛抱する必要があるのだ。政治家よ、しっかりしろ。

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著者プロフィール

「拉致被害者家族会」元事務局長

「2010年 『拉致問題を考えなおす』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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