- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104606061
作品紹介・あらすじ
江戸っ子の度肝を抜くのが俺の仕事。深川の空に、男の意地を高く掲げろ! 秘伝の継承を目前にして親方を亡くし、仕事も失った看板職人・武市のもとに大店から依頼が舞い込んだ。しくじりを許されない重圧の中、天啓のように閃いた空前絶後の看板思案。だが、実現にはいくつもの壁が立ちふさがる……。知恵と情熱と腕いっぽんで挑む起死回生の大一番! 働くすべての人に贈る痛快無比の長編時代小説。
感想・レビュー・書評
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人との繋がりが大事な仕事を成功に導く。
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戸時代職人物で、今回は飾り行灯職人。一力さんの作品は文章もしっかりしてて読み易いけど、内容はわりと軽い。主人公を取り巻く人物達に手助けされ、目的を果たすが、キャラ的には脇役の方が魅力的になる。どうも中途半端と思えるのは、伏線かと思われたエピソード、人物が特に意味がなかった事から、いっそ省いて短編で良かったのじゃないか、というのとむしろ実際に伏線にして折角の登場人物をもっと生かして欲しかったみたいな感じ。ラストがあっさりし過ぎるような・・
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江戸時代の看板屋を描いた人情噺。相変わらずの安定感で安心して読めます。「登場人物皆良い人」もあいかわらずではありますが瑕疵には至らず。
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江戸の職人さんっていいわー。
努力に裏付けされた自信があって、
諸々わきまえてて、
本当に格好いい。
武一に対する、ちょっと都合が良すぎるんじゃない?っつー評価もいい!
小さな波風はあったけれど、
一難去ってまた一難とか、
映画に良くある、死んだ敵が生き返って「ぎゃー!」みたいなのが皆無でいい!
無駄なドキドキがないと嬉しい。
あー、気持ちよかった。
江戸の女みたいになれたらいいと切に願う。 -
中盤以降の山場になるかと思った加賀あかねのくだりが、あっさりし過ぎてないかい?
完成した看板のビジュアルが思い浮かばないわー -
親方を亡くし、約束されていた秘法の継承も叶わず、追われるように独立を余儀なくされた飾り行灯職人 武市が、周りの人々の助力を得ながら趣向を凝らした看板の製作に挑む物語。
わりと都合よく話が進み、あっさり終わってしまった印象。
何より、こだわった「加賀あかね」の色作りにおける苦労がまったく描かれていないことに拍子抜けしてしまった。
P210 武市は目つきを元に戻すと、加賀の冬がどんな様子かに話を移した。
↑ここ、「武市」ではなく「聡助」でしょう。校正もれかな。 -
大した話題じゃないけど,出てくる人が皆立派過ぎて~飾り行灯職人の武市は,弟弟子が作った活魚処の大きな看板が評判を呼んでいるのを目にして,気が気でない。本来なら自分が造っていたかも知れないが,自分を子ども時分から可愛がっていてくれた親方が急逝して,おかみと反りが合わずに追い出されたからだ。深川の乾物問屋の飾り行灯を任されたが良い思案は浮かばない。加賀様の行列を見て,あの赤色を使いたいと思い,子どもが漕いでも跳んでもなく速い猪牙舟を見て,屋根の上に舟を飾ったら人目を惹くと思案した。あちこちに繋ぎを付けて,実現に漕ぎ着けた~なんじゃ,なんじゃ・・・って感じ。赤い色って陽に曝されて褪色するんだよね。彼の造った看板の赤い紋所は大丈夫だろうか。大丈夫じゃないだろうなぁ
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2013.9.12読了。図書館。看板屋という職人の人間関係
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私は、看板職人というのは、依頼主から、看板の図案を受け取って、作る仕事だと思っていた。この物語の主人公は、看板のアイデアから、作り終わるまで、様々な人の助力をあおいで、看板を完成させる。船頭、船大工、火消し、飯屋…。ストーリーの中に、江戸のいろいろな職業が描かれていて、興味深かった。看板が仕上がり、除幕式(現代風にいうと?)のときは、つい、感動してしまった。