東京湾景

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著者 : 吉田修一
  • 新潮社 (2003年9月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104628018

東京湾景の感想・レビュー・書評

  • 昔、ドラマがあった。見てなかったけど。
    東京湾を挟んで、かたや品川の貨物倉庫で働き、彼女はお台場で働き。
    いつか終わるのであろう恋をお互い思いながらも、離れられずにいる。

    私も遠い昔、この舞台の近くに住んでたな~って思いながら読みました。

  • 本編より、引用

    あれは何の雑誌だったか、府中市にある禁酒サークルを取材した記事が載っていて、
    そこに「溺れる」というのは、自分がなくなり、魂を吸い取られることだ。
    「溺れる」のと「のめりこむ」のはまったく違う。
    「のめりこむ」というのは感覚の問題で、「溺れる」というのは魂の問題なのだ、と書かれてあった。


    「・・・人ってさ、そうそう誰かのこと、好きになれないだろ?
     俺、あの人と別れてからそう思った。誰かのことを好きになるって、
     俺に言わせりゃ、自分の思い通りに夢を見るくらい大変で、
     なんていうか、俺の気持ちのはずなのに、誰かがスイッチいれないとONにならないし、
     逆に誰かがスイッチ切らないとOFFになってくれない。
     好きになろうと思って、好きになれるもんじゃないし、嫌いになろうと思ったって、嫌いになれるもんじゃない・・・・」


    「・・・ほんとに愛してたんだよ。・・・なのに、あんなに愛してたのに・・・・、
     それでも終わったんだよ。人って何にでも飽きるんだよ。、
     自分じゃどうしようもないんだよ。好きでいたいって思ってるのに、
     心が勝手に、もう飽きたっていうんだよ。
     ・・・終わらないものってあるか?」


    「なぁ、もしさ、今、俺がここからそこまで泳いで、お前に会いに行ったら・・・、
    俺が、お前に飽きるまで、ずっと俺のそばにいてくれる?」

  • 本作を読んで、安心して私の中ではドラマはなかったことになりました。

    終わり、行かなかった美緒の帰着がいいなあ。ブレのない平らかな激情。
    この人の描く人物は確かに、強くて、惰性的で、揺らぎがなくて、裏側の町が良く似合います。

  • 短編連作集。 話が前後する、とでもいいましょうか。それが吉田さんの作風なんでしょうね。

  • 共感できたり、納得できなかったり、何だかわからない作品。相変わらず、吉田作品は、えっここで終わりが多い気がする。

  • 品川の船積倉庫で働く亮介。出会い系サイトで知り合った「涼子」と軽い気持ちで会いに行くが、モノレールに乗っただけで別れてしまう。

    メールであれば気軽に話せる「涼子」に亮介は惹かれていき、二人は深い関係に。でも涼子という名前は偽名だった。

    作中でも言われていますが、出会い系サイトで知り合った相手にまさか本名と本当の勤務先は言わないわなぁ。どんな始まり方であれ、その恋が本物であればなんだってかまわない気がした。

    最後、お互いにすべてを打ち明けた二人は東京湾を挟んだ別々の場所で、携帯の電波を使い愛を確かめ合う。

    亮介なら本当に海を渡ってきそうな気がする。

  • 出会い系サイトで知り合った二人。
    男には彼女がいて、女は名前も職場も嘘をついていた。
    そんな二人が恋に溺れ始めるが、どこかお互いを信じ切れない。


    いつだったかに月9でドラマ化された作品の原作。
    もうストーリーもキャストも覚えてなかったので読んでみましたが、読んでいるうちに少し思い出しました。

    恋にまっすぐに生きられない不器用な大人の恋愛。

  • 「悪人」に通じる所がある。映画になればいいと思う。

  • 4-10-462801-8 269p 2003・10・15 ?

  • 恋愛小説が読みたくなったら男性にも女性にもオススメかも。ドラマチックではないが、もどかしく切なくさせてくれる。

  • 一番大嫌いな系統の本。
    世の中には確かにきれいごとはないし、
    マンネリ化というのは大敵。

    でもどこかで人間は
    それに順応しようとしているわけで。
    大杉とゆうこに関しては
    本当に大人だと思います。
    一見するとガキに見えるけど
    彼らは大人。

    その当たり前の光景を
    どこか違って見せられるのが
    お互いが心地いいのでしょう。

    その他の人物?
    ただのアニマルでしょ。
    アレルギーが起きる作品でした。

  • 「好き」というのは「心の奥でつながりたい」「ずっと一緒にいたい」というシンプルことだと思う。シンプルだから力強くて丈夫なものかと思うと、互いに大切にしないと繊細で壊れやすい。片思いでいいものなら楽だ。相手がリアルになると楽しいのに、苦しくなったり傷ついたりする。互いの「好き」という気持ちをずっと壊さずに、変わらず居られる相手を見つけることは、奇跡の出会いなんだと思う。

  • 感情移入はできなかったけど、読後は良かったね~と思えた。

  • 品川埠頭とお台場。直線距離は近くても東京湾があるから、ぐるっと回らなくちゃいけない場所。
    品川の倉庫で働く男とお台場で働く女。出会い系サイトで知り合って、本名も明かさず付き合い始める二人。心の距離は遠くても身体の接触でお互いを確かめ合う。

    ------------------------------

    セックスコミュニケーションだけの愛から、心も好きになっていくような、そういう話だったのかな。
    あれあれ?という感じで終わってしまった。
    男と女両方の視点は面白かったけれど、もっとそれ以外の視点も欲しかった。隣人の恋人も、やつれてしまった前の恋人のその後も、恋愛小説家はどうなったかももっと知りたかった。

  • 爽やかな文体。サラサラなドロドロ。感情ではなく感覚。

  • ……?
    『静かな爆弾』が面白かったので期待したのですが、よく分からない話でした……。。

    2013 8/2

  • 恋愛小説って、すばらしい・・・・

    《本文より》

     「・・・人ってさ、そうそう誰かのこと、好きになれないだろ?
      俺、あの人と別れてからそう思った。

       誰かのこと好きになるって、俺に言わせりゃ、自分の思い通りに夢を    みるくらい大変で、なんていうか、俺の気持ちのはずなのに、誰かが    スイッチ入れないとONにならないし、
       逆に誰かがスイッチ切らないとOFFになってくれない。

       好きになろうと思って、好きになれるもんじゃないし、
       嫌いになろうと思ったって、嫌いになれるもんじゃない・・・・」

      「ほんとに愛してんたんだよ・・・なのに、あんなに愛してたのに・・・、
       それでも終わったんだよ。
       人って何にでも飽きるんだよ。自分じゃどうしようもないんだよ。
       好きでいたって思ってるのに、心が勝手にもう飽きるたって言うんだよ   終わらないものってあるか?

       なぁ?

       お前だって、俺たちの関係がずっと続くなんて思ってないいんだろ?」

  • 恋愛モノ。始まり方が現代的だなー。
    どちらとうまくいくことになるんだろうと思っていたけれど、きれいに終わってよかった。

  • 「愛してないから、こんなに自由になれるの」「それでも、お前と一緒にいたかったんだよ」。品川埠頭の倉庫街で暮らし働く亮介が、携帯サイトの「涼子」と初めて出会った25歳の誕生日。
    --------
    たしかドラマにもなっていた作品。
    出会い系サイトで出会って嘘で固めた男女のスタートが描かれていた。
    いろいろあって、最後にこれからの始まり、という展開。

    なんだかもどかしいのと、
    虚実が混じっているわりにドラマティックではない感じがいまいちのめり込めなかった。

    吉田さんの作品のわりにイマイチなのが残念。

  • 悪人を思いだした。

  • 涼子の考え方、共感できたり。

  • お風呂で2時間で読み切っちゃった。もう一回読もう~

  • うーん、今のよっしゅうを読みつつ、昔のを振り返るとまだ稚拙(偉そう、ごめんなさい)なのかなあ。
    こんなばりばりの恋愛物語を男性が書くということにちょっと驚きます。
    設定はロマンチック。個人的に東京湾付近好きなのでそういう部分では十分楽しめました。

  • 「愛だの、恋だの、今までぜんぜん信じてなかった。」

    世間的にはよくない出会い方。現代だからこそ出会えてしまった二人。

    終わるのが嫌だから、始まらないようにしていた、
    始まるのが怖くて、お互いに目をつぶっていた。

    一方踏み出す勇気、を感じた)^o^(

  • ドラマ化されたというのも登録して初めて知ったし、そもそも恋愛小説に0.1%も興味がなく、単にまだ読んでいない著者の本がこれくらいしか残っていなかったという理由で手にした本書だったが、一気読みしてしまった。

    品川埠頭で働く和田亮介と出会い系サイトで知り合った「涼子」。
    相変わらず、都会の喧騒の波にのまれそうになりながら、懸命に自分の立ち位置を守ろうとしつつも、不器用でどこか空回りしてしまう、そんな若者を描かせたらピカイチだ。
    自分とはもはや全く縁のなくなった状況設定であるにもかかわらず、人物たちの心の動きを驚くほどリアルに感じ、過不足のない情景描写と心理描写、絶妙な会話につい引き込まれた。
    こういう感覚があるから吉田修一を読むのをやめられない。

    恋愛小説を自分自身と重ね合わせられるくらいの年ごろだったら、もっと感情移入できたんだろうなと思うと、少々残念ではあるのだが。
    きっとそんな「お年頃」の人にとっては、堪らないであろう珠玉の作品。

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東京湾景の作品紹介

「…最初がメールだったから仕方ないのかもしれないけど、なんかずっと、お互い相手を探ってるっていうか…。信じようとは思うのに、それがなかなかできないっていうか…」亮介の声を聞きながら、美緒は窓辺に近寄った。「ほんと、なんでだろうね?」東京湾岸を舞台にきらめく、寄せては返す強く儚い想い。芥川賞、山本賞受賞作家が紡ぐ、胸に迫るラブストーリー。

東京湾景のKindle版

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