さよなら渓谷

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著者 : 吉田修一
  • 新潮社 (2008年6月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104628049

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さよなら渓谷の感想・レビュー・書評

  • 秋田の事件がモチーフになっているけど
    話は意外な方向に進んでいく。
    途中でだいたい話が見えてきてしまった。

    本当にダメなら渡辺と詩織みたいな反応に
    なると思うんだよね。
    静かだけど渡辺と尾崎の対比がうまいな~と思ったし
    あの時なんであーいうセリフがあるのか
    後から分かってくるので面白かった。

    須田が中途半端に消えたから最後までナゾというか
    不思議だな…と思いました。
    (↑あまり人物に入り込めなかったから気のせいかも)


    ヤマアラシのジレンマってやつなのかな。
    最後はちょっとモヤっとした。

    被害者と加害者の物語。
    「手紙」とか「君が降る日」みたいな読み心地でした。


    こうやって浮かび上がっても、渓谷の流れに流されて
    表に出てこない事件がきっとこの世の中に
    いっぱいあるんだろうなぁ…。

    マスコミの異常過熱報道とか、スクープ取り合戦とか
    そっちの方にゾッとした。

    もっと鋭い物語かと警戒していたけど
    考えさせられるお話でした。

  • さよなら渓谷…たしか映画で観たいと思っていた作品。どんな内容だったっけ??とあらすじを思い出せずに読み始めました。

    4歳の男の子が行方が分からなくなって遺体で発見。容疑者がその男の子の母親という事で報道記者が容疑者宅に張り付いているところから始まります。
    母親の立ち振る舞いから、なんとなく実際に起きたあの事件がモデルになっているのかなーと思っていたら、隣家の一組の夫婦に話が移っていきます。

    ここらへんから薄ら記憶が思い出され、「あ、たしかこのふたりは訳あり夫婦だったような…」と何となく先が分かってしまい、そわそわと胸が落ち着かない状態になった。
    話の流れから後半にネタバレという展開になっているので少し面白味が減少してしまったかな。

    ただ、それを差し引いても少し物足りなさがある文章だった。

    集団強姦事件の加害者と被害者の苦悩が描かれている訳ですが、どちらの気持ちもいまいち伝わって来ない…。
    事件事体もほぼ目撃者談で語られていいるし、ストーリーもほぼ記者の目線で描かれている。なんかこう靄がかかっている感じで、もうちょっと当人達の心の奥底というか心の傷や葛藤を掘り下げて描いて欲しかったです。

    あとは、加害者が複数人いるにもかかわらず俊介ひとりにしかスポットが当てられていないのにも不満でした。
    あの運転手はどこに行ったんだよー!

    しかし、猛暑のまとわりつく汗、じめっと暗い部屋での静かな生活のなんともいえない雰囲気の表現は好きでした。ラストは少し美談っぽくなってるところが気にはなりましたが、まあ全然救いようが無いよりかはいいのかな…。
    機会があれば映画も見てみたいと思います。

  • 自分の人生を誰かの手によってめちゃくちゃにされて、どこへ行っても誰といてもその呪縛から解放されることはなくて、辛くて、死にたくて…苦しみばかりの道から解放される方法が、人生をめちゃくちゃにしたその相手と一緒にいることだけだとしたら?
    物語を読むと、自分だったらどうだろう?っていう想像をしてみるけれど、さすがにこのお話は想像が追い付かなかった。
    でも人間の心理がどんな風に動くかって、周りからすると理解できない方向に向かうこともあるとは思う。

    終始薄曇のはっきりしない空、みたいな雰囲気が漂っていて、主要な登場人物がみんな鬱屈したものを抱えていて、重苦しい。
    どこへ向かっても、どこにも逃げられない。
    罪を犯した側でも、善良な部分がわずかでも残っていれば、自分が犯した罪にいつまでも追いかけられながら生きなければならないということ。

    系統としてはミステリだけど、すっきりと事件が解決して終わるような物語ではない。
    吉田修一さんのミステリって謎解きとは違う部分が主体になってておもしろい。パレード然り。

  • かなこの正体が判明してから一気にひきこまれて読み切れたが
    全体としてずっと重い、じとっとしていた

    どんな者であっても、しあわせになることができる可能性がある、またはそうであってほしいという願いをこめて

  • 図書館にて借りました。

    多分、実際の事件を元にしているであろうと云われてる作品と聞きました。
    実の息子を殺したと容疑をかけられている女性の隣に住むカップルは実はレイプ事件の犯人と被害者だった。

    もし自分がレイプされたら許せるのか?
    絶対許さない、許せない。もしかしたら、友達や家族がそんなふうに被害にあった方が殺しても殺したりないと思う。

    興味深かったのが、「男同士は許してしまう」と云う言葉。
    確かに女同士でも、そういった事はあると思う。
    そして一番許して貰いたい人には、絶対に許して貰えないなんてことも。

    最後にひとつ、選択を迫られる。
    こんな話なのにとても切ない。

  • 過去の忌まわしい記憶と、どこまでも付き纏う、歪んだ情念。本作の舞台である夏の季節がもたらす、皮膚にへばりついて剥がれない腐臭のように立ち昇る怨恨の帳。鬼畜の所業によって奈落へと突き落とされる者と、その業に囚われる者。許される事の無い罪が執り成す異常と言える愛の形。理解するには、余りにも常軌を逸している。しかし、その愛は紛いものであるのだろうが、罪の鋼殻を突き抜けた先にある、お互いの魂が求め合った本物の愛なのだと思いたい

  • 不快感の描写を書かせたら右に出るものはいないんじゃないかと
    思ってしまうほど、吉田さんの本は読んでて臨場感がある。
    でもそこが好きなんだなぁ。細かくて。
    夏美と尾崎の関係って実際あるんだろうか
    そういうことが。
    分かるような、うーん、分からん。

  • 映画化されたというので読んでみた。
    1日で読了。
    こんな話とは予想していなかった。

    なんというか、思ってもみない、考えてもみないお話だった。
    よくこんな題材を思いつくなぁ、と感心した。

    「かなこ」が唯一自然でいられる相手が尾崎だ、というリクツは理解できる。が、しかし、二人が心の奥底で愛し合っているかのような雰囲気はどうなんだろう。私の感覚では有り得ない。
    愛し合っているようで愛じゃない。
    赦しているようで赦していない。
    傷だらけの状態が常態化してしまって、もう、よくわからない。
    主人公の二人はそういうところなんだろうか。

    私が「かなこ」だったらどうするだろう。
    どんなその後の人生を歩むだろう。
    女だというだけで、誰の身にも起こらないとはいえないことだ。
    おおいに不公平だけど(怒)。よぉく考えないと。

    だけど、どうしてこんなお話、思いついたんだろう~??

  • 切ない。でも、本当に男って馬鹿。この本に出てくる男の人、馬鹿ばっかり。何で、レイプしてしまったのか分からないって、実際もそんなもんなのかな。

    映画化で、かなこを真木よう子が演じるけれど、はまり役だよなー。観たいです。

  • うーん、究極の恋愛を描きたかったのかもしれないが、失敗作。
    レイプの被害者が加害者より社会的制裁を受けてしまうという部分は、男性作家としてはよく書けているし、加害者が犯行に至る様子もリアルだと思う。
    でも、ありえないでしょ。
    被害者が加害者と暮らすって。物語の肝のその一点がどうしても納得できず。
    加害者だとわかっていて妹と結婚させる先輩というのもありえないと思ったけど。
    最初に起こる子殺しも生きていないし。
    この小説を納得させようと思ったら、もっともっと登場人物全員を掘り下げないと。それが全くできてない。

  • 3時間程度で一気に読了。
    出だしの幼児殺人事件や途中で暴かれる事件が、実際の事件を彷彿とさせる。

    幼児の事件が話の中心かと思ったらそうではなくて、その隣家の夫婦の話。
    やるせない。
    女性が性被害に遭うことの理不尽さを強く感じさせられた。
    なかなか面白かったが、意外に短くて、もっと深く心情など濃密に描き込んであったほうがよかったかなあ。結末もうまく逃げちゃっていて、ちょっと物足りない感じ。
    本当は☆も3.5くらい。

  • 大学の名門野球部で起きた集団レイプ事件の被害者と加害者の間の他人には理解しがたい憎しみとシンパシーの感情を描いています。とても重いテーマです。

    後半で、息子も娘ももつ父親の発言として、娘が被害にあったら「犯人を殺してやりたい」と思うけど、息子が加害者だったら「そんな小さなことで将来を棒に振るな」と思う、というくだりにショックを受けました。

    「怒り」「悪人」の吉田修一さんは、犯罪当事者の心情を掘り下げる専門家の趣きです。
    ただ、あえて不満を挙げれば、加害者も主人公にしているせいか、実際のレイプのシーンがあいまいで、本当の犯罪の卑劣さが描き切れていないのではないかと思ったこと、本筋ではない里美の息子の事件の真相がはっきりせずもの足りない感じがすることですかね。

  • 性被害にあった女性への蔑視は、多くの人の心の底に隠れている性への価値観の本音と、差別の表れなのだと思う。

    犯罪に至る、集団が生む不可解な興奮状態や抗えない空気も本当に怖い。

    誰からもゆるされなかった彼女の選択に胸が詰まる。

  • これはあの事件を・・・、と思ったら、物語の本筋は、違うところ。嫌な事件が扱われている。幸せになることを許されない、切ない話。

  • うーむ、評価が難しい作品。3時間以内で一気に読めてしまった。登場人物の心情に共感できないが、それは仕方ないのだろう。

  • 最近、大学生の集団レイプ事件が多いけれど…。この作品では、加害者と被害者の事件後の不思議な繋がりが描かれています。吉田作品らしい暗くて重くて、とても理解できないような2人の感情。それなのに何故か強く惹きつけられる、もっと知りたくなる不思議な作品です。やっぱり力のある作家だなぁ、とあらためて思いました。

  • 集団レイプを起した犯人と被害者のその後を描く作品。

    二人とも幸せになれずにいる。ネット社会では過去は消せない。

    それが若者の無難な生き方に通じていっているのかもしれない。

  • 隣家で起こった事件から、夫婦の過去が明らかになったいく。
    言葉では言い表せない深い作品。傑作だと思う。
    扱っている題材が重くて、読んでて辛かった。
    (図書館)

  • 憎んで離れられず。許しを請うて離れず。
    それも愛なのですか?

  • 隣人の子供が殺された事件から、夫婦の過去が明らかになっていく。

    夫である尾崎俊介は、昔ある事件を起こしていた。
    加害者である尾崎はずっと後悔をしていたのか?
    それとも忘れて過ごしていたのか。
    きっと悔いながら生きていたのだろう。
    被害者から許されることはないと思いながら。

    妻のかなこは謎の多い女だったが、ある記者が気づいたことで、二人の関係性も明らかになった。


    ストックホルム症候群というものだろうか?
    理解しがたいが実際にこういうことはあるらしい。



    途中新聞社の記者が娘が同じことをされたら?と問われ「やったやつをぶっ殺す」と答えていたけど、親の気持ちとしてはそうだろう。



    最後の場面、俊介は今後どうするのだろうか。

  • 最近私の中で吉田修一ブーム。読んだ後必ずしも清々しい気持ちになるわけではないんだけどまた読みたくなる。ふたりの過去がわかった瞬間のなんとも言えないあのざわつき。ふたりでいることでしか生きてこられなかった二人の話。

  • 題名からは想像もつかない内容でした。
    憎しみから始まった「尾崎」と「かなこ」の関係。
    憎しみなんか無縁だったはずの「渡部」と「詩織」。
    渡部が尾崎に、事件を起こさなかった人生とかなこさんと出会った人生のどちらを選ぶか問うシーン。
    ずしっと心に響きました。
    今朝、新聞記事で読んだ「憎しみゆえに許す」という言葉が頭から離れません。

  • 映画化されてたので読んでみた作品

    内容が内容なだけに暗い気持ちになります
    どんなに時間が経とうと加害者も被害者も
    決してその事件からは逃れられない…
    と言いたい所だけど
    被害者の苦しみは死ぬまで続くのに
    加害者は刑期を終えれば何も無かったかのように
    社会に溶け込んでるんじゃないか?と思わせる加害者が出てきました

    俊介とかなこの気持ちが適度に書かれていないので
    こうであって欲しいとか、こうなって欲しいとか想像が膨らみます

  • 再読してみようと思ったのは、この作品が実際にあった事件をモデルにしている事を知ったからだった。
    レイプ事件の被害者と加害者の問題を提示しているこの作品。若さゆえの過ちというには余りにも悲惨だ。読後感は決して良いとは言えない。

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さよなら渓谷の作品紹介

緑豊かな桂川渓谷で起こった、幼児殺害事件。実母の立花里美が容疑者に浮かぶや、全国の好奇の視線が、人気ない市営住宅に注がれた。そんな中、現場取材を続ける週刊誌記者の渡辺は、里美の隣家に妻とふたりで暮らす尾崎俊介が、ある重大事件に関与した事実をつかむ。そして、悲劇は新たな闇へと開かれた。呪わしい過去が結んだ男女の罪と償いを通して、極限の愛を問う渾身の長編。

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