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この作品からのみんなの引用
みんなの感想・レビュー・書評
安全、安心だけは約束された不幸な関係。しかし、それが幸せへと変わってしまう可能性。
人と人との関係とは、幸、不幸、紙一重。
渓谷沿いの町で起こった幼児殺害事件。加熱する報道陣の前で逮捕された母親が関係をほのめかした隣人の男性の過去とは・・・。人生を狂わせた男と狂わされた女の行く先とは。
幼児殺害事件ではなく、集団レイプ事件の方が軸となってましたが、どちらも実際にあった過去の事件をほうふつとさせます。
レイプ事件の被害者と加害者二人の関係はよく理解できないけれど、お互いの前だけは「知られる」という恐怖を感じずにすんだというのが重く残りました。
それにしても日本と言っても他国の実情は知らないのですが、性的被害者に冷たいですね。法的にではなく、世論が。本人に落ち度があることが否めない場合でも、それで罪が軽減されるわけではないだろうに。なぜに被害者側のプライバシーがさらされ、冷たい視線を浴びなくてはならないのでしょうか?
ある事件から10数年を経た後の犯罪加害者と被害者の密接な関係が、隣家の幼児殺害事件をきっかけに明らかになるというセンセーショナルな内容であるにも関わらず、そのを重さをリアルに感じ取れなかった。とはいえ、著者の作品はかなり以前に『春、バーニーズで』や『東京湾景』等数作を読んだきりだったので、『悪人』も読んでみようかと思う。
吉田修一のドロドロものというべきか。
途中で歪な関係に気づくがそこから物語は加速するため、最後まで楽しめた。人間はある関係に落としこんで暮らしたいという面を異常な状況においても書ききった作品。
予期せず社会に受け入れられたことによって、罪の償いの場を失う尾崎。夫の屈折した感情のはけ口とされ、心身やすらぐ場を失うかなこ。それぞれを取り巻く斥力によって、引き合わざるを得なかった二人。歪の輪廻が切ない。外連味のない素直な構成で、尾崎とかなこ、二人を追う記者・渡辺の心理を辿りやすい。三者三様の悲しみや苦しみは、読了後も僕の心を捉えて離さない。そして、誰かと語り合いたくなる。事実は小説よりも奇なりというが、しかし、これほどの歪な関係の男女は現実にあるのだろうか。小説家のイマジネーションに驚嘆。
夏の日盛りの暑熱、まとわりつく汗、溶岩のような瘡蓋、砂利を踏みしめる音。
面白かった!
やっぱり映画になりそうな内容。
あれ?これももうなってるんだっけ?
男女のダメなところがこれでもか!ってくらいよく出ています。
そして、二人を見つめる男性達のこれまたダメなところが
更に浮き彫りに。
人間はとっても弱いことがよくわかります。
読んだあと、何とも言えない重たい気持ちになる。
が、結末で一縷の希望もあって、少し救われた。
個人的な意見だが、読了感が『ノルウェーの森』のときと
少し似ていた。
幼児殺害事件と思いきや お話は隣人に焦点が当てられていきます。
過去を引きずって苦しみながら生きている被害者を思うと、決して加害者を許せない。
幸せにならないために2人は一緒にいなければならない・・・だけど 幸せになってもいいじゃないと思わせるような奇妙な関係、複雑です。
自分が自分自身でいるための本当の居場所を探す2人の物語。 吉田修一は「女たちは二度遊ぶ」を読みこれで二冊目です。 読んで思ったことは独特な愛の歪みを感じること。 「さよなら渓谷」は行動面での2人だけの歪んだ愛の世界を描いた…みたいなものだろうか。 話の構成はしっかりしていて哀しみと非現実的な雰囲気が纏う(手に汗握る)印象だった。 結末近くになると一種の異常さを感じる真実も私は... 続きを読む »
2011.08.16読了@湘南新宿ライン。
あとがきにもあったように、映画のような描写。
途中で関係性が予想できたが、この小説はそのような展開を当てることではなく、何故にそのような思いをもって生きるのかを考えること。
著者の作品はいつも私の理解を超え、また、不完全なものを感じてしまう。
これは私の内面によるものだろう。
聞いたことのある事件。何度も耳にする同じような犯罪。当事者にとっては、永遠に終わることのない現実なんですね。読後にやるせなさが後をひく。
あの事件をベースに、だけど話は隣人夫婦に焦点が当てられていきます。加害者と被害者のその後は現実にはこうはならないだろう、とは思いますが、被害者はいつまでも逃げ続けなければならないのかと思うと辛いなあと思いました。逃げても逃げられないのに。この話とは別に、実際に加害者から脅迫的に追いかけられたとしたら凄い恐いだろうなあと思いました。
過去の罪を抱えて生きる男、過去の傷を引きずりながら生きる女、家庭で妻との問題を抱えながら2人を追いかける記者、、、「せつない」とは少し違う、男女の奇妙な関係の微妙な感情を描く小説。
切ない、危うい。そんな物語。でも最後はハッピーエンドかどうかは別として、これから幸せになれるような気がします。
最近公判のあった秋田連続児童殺害事件を思い起こさせる話。
うらぶれたアパートで親が子供を殺したとにおわせる事件があって
記者たちがそのアパートに張り込む。
その子殺しで疑われている隣の家の若夫婦の背後に隠された秘密を
一人の記者が徐々にあばいていく物語。
世の中の暗部をじめじめと描いており、悲しくなった。
強姦された女性の人生、強姦した男性の人生。
いろいろなものが重なり合って重たい話を作っていた。
でもなんとなく先が読めてしまって新鮮な面白さはなかった。
最後まで飽きずに読めたので★は3つ。

≪ストーリー≫
奥団地と呼ばれている「水の郷住宅」である幼児殺害事件が起こった。
その幼児の母親・立花里美が逮捕され、静寂を取り戻しつつある団地だったが、その里美がある供述を始めた。
「自分...





