どんな小さなものでも みつめていると 宇宙につながっている: 詩人まど・みちお 100歳の言葉

著者 :
  • 新潮社
4.06
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本棚登録 : 250
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (128ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104641024

作品紹介・あらすじ

童謡「ぞうさん」を書き、百を越える年輪をもつ詩人は、いまも日々、みずみずしい言葉を芽吹かせつづける。「小さいものほど大きな理由がある」と語る、その深い眼差しは、すべての人の心を、やさしく、強く、新しくする力を持っている-。

感想・レビュー・書評

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  • しみじみとおもしろかった。

    まどさんの言葉は短いのに、なるほどと納得したり、
    考えたりさせられる。
    短いからこそ、入ってきやすいのかもしれない。
    味わって読みたい一冊である。

    〇3年間書きためた日誌や植物記を命令によって自らの手で焼却させられる(p120)

    ☆戦争中のことが明らかにならないように命令されたのだろう。自分の日記って、見返してみると自分の書きとめたことあまりにも幼く、嫌になることもあるが、自分が書いたものを捨てるときにはよくよく考えなければならない。代わりはない。

  • コトバが、こんなにも美しかった、とは。

    さらさらと流れる水のように心が透き通る優しい詩がたくさん。

    きっと純粋なまなざしで世界を不思議がる。毎日がアリスの不思議の世界のなかにいる、こどもの目で見て、触って、聴く。

    そんなまどみちおさんだからこそ、紡げる唄が世代を超えて胸を打つ理由なのかもしれない。

    なぜ、だろう。
    理由はわからないけれど、気づけば涙をこぼしていました。

    きっと身体とこころが先に動く。その後に感動の意味に気づく。
    このセオリーが美しい作品なのだろう。

    ほんの数分間でしたが、感性に浸る濃密なひととき。

    だから詩が好き。

    とても大事な何か、を教わった気がした。

    『1日1詩 胸に留める』

    この習慣はこれからも続けていこう。

  • ぱっと目に入ったタイトルに、ぐあっと心をわしづかみにされました。
    読まずにはいられない気持ちにさせられちゃったのです。

    まど・みちおさんの言葉がやさしくやさしくしみこんできます。
    ふしぎだと思うことを気のすむまでふしぎがること。
    私たちは「宇宙の意思」のようなものに生かされていると感じること。
    まどさんが、自然や宇宙の大きな大きな力の前に頭を垂れ、謙虚に、それでいて溢れんばかりの好奇心をもって言葉を紡いできたことが伝わってきます。

    こんなふうに世界を感じながら生きてみたい。
    こんなふうに世界を感じられる人とともに歩みたい。
    そう思うのです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ぐあっと心をわしづかみに」
      素晴しいですよね。。。
      NHKスペシャルで見たのは一昨年でした。
      http://www.nhk.or.jp/s...
      「ぐあっと心をわしづかみに」
      素晴しいですよね。。。
      NHKスペシャルで見たのは一昨年でした。
      http://www.nhk.or.jp/special/onair/100103.html
      ってコトは102歳?
      2012/04/18
  • 「どんな小さなものでも みつめていると 宇宙につながっている」

    誰でも一度は触れたことのある、まどさんの言葉。(童謡「ぞうさん」などはまどさんの作詞)
    易しい言葉で真実を追求するのって実はすごく難しいことだから、それが出来る人たちを、最近になってますますすごいと思うようになった。

    まどさんが発したほんの短い言葉を集めた、格言集ほどは堅苦しくない言葉集。
    まどさんはとても、「郷愁・懐かしさ」や「この宇宙上での自分という存在の小ささ」を心に置いて詩作をしていたのだということが分かる。
    そしてそういう感覚って詩だけじゃなくて、小説や歌詞や詠や、あらゆる文学においてとても大事なのだと思う。

    自分にとっての懐かしい場面。
    まどさんは、「どくだみの匂い」や「電信柱が遠近法で小さくなっていく場面」にとりわけそれを感じていたそう。
    私が一番に思い浮かぶのは「夏の真っ赤な夕焼け」で、それを見ると、小さい頃自転車に乗って友だちとプールに行って、その帰り道駄菓子屋で買ったアイスを食べながら帰る時のちょっと疲れてるんだけど充実した気持ち、を思い出す。怖いくらいの真っ赤な夕焼けがあって、少し涼しくなり始めた空気があって。
    風景、匂い、色、気持ち、いろんなところに懐かしさは潜んでる、と思う。
    そういうものを言葉で表すことが詩作につながるのだと、改めて思った。

    まどさんは100歳を過ぎても自分にはまだまだ何かが出来るはずだと信じていて、まだまだ新しい発見があるはずだと感覚を研ぎ澄まして生きていた。
    その3分の1程度しか生きていない私が枯れてる場合じゃない、と思わされたり。笑
    でも真剣に、そういう気持ちを持ち続けるって大切なことだと思う。
    同じものを見ても違うことを感じられる日々があって、ちっぽけでも出来ることがないわけじゃないと信じられる心がある。それはとても、素晴らしいことだ。

    一昨年104歳で亡くなったまどさんは、きっとその日まで変わらないでいたのだろう、と思う。
    小さくても「はっとすること」を大事に生きたい。歳とともに衰えるなんて、思ったらそこで終わっちゃうんだ。

  • まどさんは童謡「ぞうさん♫」や「やぎさんゆうびん♫」を書いた詩人です。「小さいものほど大きな理由がある」と語るまどさんは、歳を重ねてもこどものような純粋で深いまなざしをもってこの世界をみつめ続けています。どんな大人にも必ず心のどこかに童心が眠っているはず、それを呼び起こしてくれる言葉の宝石箱です♪

  • 大好き極まりない詩人
    まど みちおさんの言葉集。

    まど みちおさんといえば
    「ぞうさん」やポケットを
    叩くとビスケットが増えるという
    魔法の詩をかいたことで有名な詩人。

    もう100歳を越えているのですが
    詩も言葉もすべて素敵で
    全文壁にはっておきたい程です。

    ぼくに詩というものの
    素晴しさや、美しさ面白さを
    教えてくれたのもまどさんその人。

    FOILという出版社から出ている
    「うちゅうの目」という詩集が
    まどさんの魔法の詩との出会いでした。
    http://linktraq.net/7en

    いつもなにかの
    折りに手にしては
    同じ言葉の羅列を
    くりかえし くりかえし
    反芻して味わってます。

    読めば読む程といいますか、
    ほんとうに薄れるどころか
    ふれる度に深まっていく
    かんかくです。

    言葉が世界を繋いでくれて
    世界との距離を縮めて
    くれているんだ。と
    まどさんの言葉を読んでいると
    いつもおもいます。

    ぼくもまどさんの様に
    純粋に透明にまっすぐに
    言葉を使えるようになりたい。

    大切な心の在り方を教えてくれる
    大切な一冊。


    読むのにかかった時間:1時間

    こんな方にオススメ:宇宙自然がすきなひと

  • 「童謡「ぞうさん」を書き、百を越える年輪をもつ詩人は、いまも日々、みずみずしい言葉を芽吹かせつづける。「小さいものほど大きな理由がある」と語る、その深い眼差しは、すべての人の心を、やさしく、強く、新しくする力を持っている-。]

  • 思わず手に取って借りた本!
    まどみちおさんの考え方が素敵で
    一気に読めた♡

    いくつになっても詩を書き続ける。
    いくつになっても疑問を持ち続ける。
    自然に触れて、ふとしたことを詩にする。
    こんな人間味にあふれた人はいるんだろうか、、。

    言葉の重みをすごく感じた1冊!!!

    『子どもは本当に言葉の天才です。』

  • やっぱり、まどさんの考え方が好きだ。
    「マンネリの中にマンネリでないものを見つけ出すのが、おれが生きている証拠になる」という言葉が印象的だった。同感。お金もちとか、権威があるとか、そんなことよりも、このような考え方を持てることが本当の「豊かさ」だと思う。
    人は自分たちのことしか考えていない。動植物やモノすべてにもっと敬意をもっていなきゃいけない。自分たちだけが生きているなんておこがましい話だ。人権はあっても動植物において「生命権」がないのはおかしい。
    自分はゴルフをやらない。一切やる気にもならない。大きな土地、自然を切り開いて、人間がのうのうと楽しむというのが、気にいらないからだ。

  • P40「私は人間の大人ですが、この途方もない宇宙の前では、何も知らない、小さな子どもです。そして子供には遠慮はいりませんから、私は私に不思議でならない物事にはなんでも無鉄砲にとびついていって、そこで気がすむまで不思議がるのです。」

    P40「小さいものほど大きくて、大きいほどちっぽけである。小さいものほど、大きな理由がある。」

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著者プロフィール

詩人。1909~2014年。はじめての詩集『てんぷらぴりぴり』出版で第6回野間児童文芸賞。1976年『まど・みちお詩集』(全6巻・理論社で第23回サンケイ児童出版文化賞。同年、川崎市文化賞を受賞。「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」などの童謡詩で広く知られ親しまれている。


「2017年 『女声合唱組曲 ねこに こばん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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