きつねのはなし

  • 2926人登録
  • 3.38評価
    • (184)
    • (399)
    • (806)
    • (125)
    • (28)
  • 482レビュー
著者 : 森見登美彦
  • 新潮社 (2006年10月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104645022

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

きつねのはなしの感想・レビュー・書評

  • 初・森見さん。読むのにおそろしく時間がかかってしまった。

    「きつねのはなし」「果実の中の龍」「魔」「水神」の4編。時間軸も登場人物も微妙にズレていて、迷路というか眩暈を感じた。

    京都の碁盤の目の小路の中で迷子になったような…異世界のような、異次元のような歪んだ世界。なんか歩く道が一歩踏み出すたびに、振動で不穏にたわむ感じ。

    狐につままれる。または狐をはじめとする魔物や妖怪、怪異の連鎖が引き起こす世界に入り込んだような気がした。嫌いではないけど、難解で読むのに疲労を感じた。いかにも京都って感じがした。京都と水(水脈)は切っても切れない関係にあるって聞いたことがある。

    「うる星やつら」の不可解、不穏な脚本、押井ワールドを思い出した。

  • 骨董品を扱う芳蓮堂でバイトしていたとき、
    店主のナツメさんの言いつけを守らずに取引してしまったお客さんの天城さん、不可解な死をとげた須永さん、狐のお面。

    大学の知的で物知りな先輩の壮大な話が全部嘘だと、彼と親しかった結城さんに教えられた別れ際。

    家庭教師先の近所で見た狐のような顔をした胴の長いケモノと、頻発する通り魔と教え子と取り巻きたち。

    祖父の通夜に屋敷に集まった父に伯父たちと話した生前の祖父の奇妙な行動、先祖にまつわる諸説と溢れだした水。

    ファンタジーありホラーあり。
    奇妙で不可解で気味が悪いけれど、背筋がぞっとする恐怖ではなくてワクワクする感じ。
    胴の長いケモノがコワイ。

    どこに真実があってどこに詳細がつながっていくのかわからなくてもどかしい。)^o^(

  • どれもすっきりしないお話でしたが、不思議な感じでちょっと不気味なお話でした。それぞれのお話がどこかで繋がってるんですね。ナツメさんって何者??ある意味、一番不気味です。

  • 読んでいて、なぜか恩田陸の『私の家では何も起こらない』を思い出した。

  • いつもの森見登美彦さんが、ドタバタコメディの『うる星やつら』とするなら、この作品は『人魚の森』、最終話に人形や琵琶湖の龍が出て来ますし。
    淡々と怪談っぽい怖さがあり、人の世の理から外れた存在との接点をチラッと見せてくれてます。一切の正体の説明など無し。モリミー作品の妄想京都世界にそんな説明など期待してはいけません。

  • どことなくXXXHOLiCを思わせる雰囲気の骨董屋。対価が必要な取引は本当に恐ろしい。ラストの死に方さえも美しい描写にため息がでました。
    描き下ろしでは水神がお気に入り。

  • 文庫の表紙で気になっておきながらこちらの本を登録。
    しかしながら、こちらの本の表紙も魅力的だ。
    私はきつねなど化かすやら、眷属、物の怪などが題材になっているモノが大好きだ。
    まぁ、表紙だけでは何とも言えないが気になる一冊ではある。

  • 「夜遅くに一人でおきていて、なんだか、わけもなく怖くなることがありませんか」「朝になれば、なぜあんなに不安だったのか分からなくなるでしょう。それと同じなのです。東京はいつも夜なのです。」

    いつもの森美ワールドとはバッタリ違って戸惑う。
    ジンワリと怖いはなし。
    それも何故そんなことになったのか、誰が悪いってわけでもない。
    町角にある暗闇が京都って場所にマッチしていて、不思議な気持ちになった。竹薮、琵琶湖疏水。
    他ではオフザケの方が目立ってるけど、やっぱ綺麗な文章だなあ。
    とりあえず、安易にあげる、もらうはしないようにしよう。という気持ちになる。

  • 京都を舞台とした連作小説。

    「人工都市・京都」を舞台にしないと、出せない風合いの作品だな、と感じた。
    人は理解の域を超えた部分を「人外のなにか」のせいにして納得しようとする。それは死後の世界の恐怖という形や、自然への畏敬という形で出ることが多い。

    しかし、京都、というかこの作品で扱われる「人外のなにか」は「人の闇の部分」を象徴するもの。人が人を嵌める、何かのきっかけで人の暴力的な部分が発露する、などの異常な行動が、話の最初には「人外のなにか」に対する恐怖のような形で現れ、そして徐々に話が進んでいく。

    京都以外の都市でも、そういうことは日常茶飯事なわけですが、どこまで行っても狭く浅い企みに終わることが多い。しかし、京都という文化的・産業的構造が重厚な都市には「そういう深さがあってもいいかな?」と思わせる何かがある。それをうまくいかした作品、と感じた。

    ただ…独特の後味の悪さが残る小説ではありますね…。

  • ファンタジックホラー。短編4作。
    じわじわ怖い。

  • 「夜行」のあと読みたくなって、再読。
    正直「夜行」にあまり魅力を感じなかったのですが、これを読んで、やはり森見さんの物語は、京都を離れると信憑性が薄くなるのかも?と思ってしまった。
    京都の闇に潜むケモノ。祭りの夜という非現実の世界に蠢く何か。神社の暗闇。森見さんが知り尽くした世界の中だからこそ、リアリティが感じられるのではないか・・・。
    私が見知らぬ京都でも、これだけリアルな世界を感じられるのだから、森見さんと京都の関係はただならぬ。京都の魔物に魅入られているに違いない。
    森見さんを京都に縛り付けるつもりはないけれど、いつまでも京都と蜜月であって欲しいと思ってしまいました。

  • おばかな森見さん節を期待して読んだら、そうじゃなかった。
    *
    いつも「なにか」の気配が感じられるような怖いお話でした。

  • ◆きつねのはなし
    ◆果実の中の龍
    ◆魔
    ◆水神

  • 森見さんには珍しいホラー小説。
    持ち味の奇妙な世界観の出来事がより際立っていた。謎解きが一切ないのが「らしくて」好きだ。
    2016.5.25

  • いかにもな「京都」を舞台にした奇譚集。
    『走れメロス』の後に読んだものだから、振り幅の広さに驚いたが、ふと感じたのは『桜の森の満開の下』につながっているようなイメージであるので、やはり根底にあるのは同じなのかもしれない。あそこまでおもしろい阿呆を描ける一方で、美しく冷ややかな京都も描ける。
    読めば読むほどあらゆる不可思議が押し寄せて来て、あれ、と思う間に次々移り変わって飲まれてしまう。京都という町だけを頼りに奇譚の中に吸い込まれていくような気分。個人的に梨木さんや綾辻さんのホラーと同じく、ホラーいうより「奇譚」というのが正しいような気がする。ひたひたと忍び寄って来る恐怖は、わっと驚かせるよりもさらなる恐怖を生んで煙に巻いてしまう。

  • 森見登美彦著。京都を舞台にした怪奇短編集です。
    書名と同じ1編目の『きつねのはなし』は、次に何が起こるのか早く知りたくてドンドン読み進めました。その他の短編も丁寧で明瞭な描写が視覚聴覚触覚嗅覚に訴えかけてきます。読後の今も生臭さが鼻の中にわずかに残っています。現実と空想の境が曖昧な物語は、そこを飛び出して私の現実と空想をもあやふやにしました。
    著者の筆の力に感心しました。
    ミステリーが好きな方にもオススメです。

  • 伏見稲荷の鳥居の向こうから誰かに見られてるな、と感じたことがあります。
    けれどきつねさんだけでなく、細長いケモノとか水神とか京都にはいてもおかしくない気がします。
    どうなったの?とはっきり知りたいけど不思議でちょっと怖いお話。

  • 怪談もの。短編集。各話に細い糸のような繋がりがあり、そこにひたひたと水が流れ込んでいく感じ。

  • この独特の雰囲気と文体はこの人特有のもの。四畳半みたいなコミカルなものとはまた全然違った奇怪な話だった。

  • 京都の路地裏と夜の竹林のイメージ

  • 京都に住みたい、住んでそこかしこにある不思議に触れたい……森見氏の京都を舞台にした作品を読む度に思うことですが、本作でも京都が持つ魔力を感じた。ただそれらは描写として面白かったが、構成としてよく分からない繋がりもありやや腑に落ちなかった。

  • なんだか、いつもと雰囲気違いますね。表題作はなんだか薄気味悪い話だなで終わっちゃったんですけど、繋がっているかと思った「果実の中の龍」がそんなオチで……でも、つじつまはあってるのにな。「魔」が、その後、どうなった!?で、激しく気になります。妖しく不気味でホラー。苦手なんですけど、苦手なんですけど、かろうじて「水神」はファンタジーとして読めました。「きつねのはなし」が一番、薄気味悪かったです。『有頂天家族』を読んだ後、たぬきの次はきつねとか安直に考えてごめんなさい。ホント、もう許してって感じ……。

  • 「知り合いから妙なケモノをもらってね」籠の中で何かが身じろぎする気配がした。古道具店の主から風呂敷包みを託された青年が訪れた、奇妙な屋敷。彼はそこで魔に魅入られたのか(表題作)。通夜の後、男たちの酒宴が始まった。やがて先代より預かったという“家宝"を持った女が現れて(「水神」)。闇に蟠るもの、おまえの名は? 底知れぬ謎を秘めた古都を舞台に描く、漆黒の作品集。

  • 別の作品は癖が強すぎて読むことができなかったのですが、この作品はそうでもなかった。じんわりとした恐怖という感じ。京都に行きたくなる。

全482件中 1 - 25件を表示

きつねのはなしに関連するまとめ

きつねのはなしを本棚に「読みたい」で登録しているひと

きつねのはなしを本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

きつねのはなしを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

きつねのはなしを本棚に「積読」で登録しているひと

きつねのはなしの作品紹介

京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。注目の俊英が放つ驚愕の新作。細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。さらに次々起こる怪異の結末は-。端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。

ツイートする