きつねのはなし

  • 2933人登録
  • 3.38評価
    • (184)
    • (399)
    • (807)
    • (126)
    • (28)
  • 483レビュー
著者 : 森見登美彦
  • 新潮社 (2006年10月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104645022

きつねのはなしの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 初・森見さん。読むのにおそろしく時間がかかってしまった。

    「きつねのはなし」「果実の中の龍」「魔」「水神」の4編。時間軸も登場人物も微妙にズレていて、迷路というか眩暈を感じた。

    京都の碁盤の目の小路の中で迷子になったような…異世界のような、異次元のような歪んだ世界。なんか歩く道が一歩踏み出すたびに、振動で不穏にたわむ感じ。

    狐につままれる。または狐をはじめとする魔物や妖怪、怪異の連鎖が引き起こす世界に入り込んだような気がした。嫌いではないけど、難解で読むのに疲労を感じた。いかにも京都って感じがした。京都と水(水脈)は切っても切れない関係にあるって聞いたことがある。

    「うる星やつら」の不可解、不穏な脚本、押井ワールドを思い出した。

  • 骨董品を扱う芳蓮堂でバイトしていたとき、
    店主のナツメさんの言いつけを守らずに取引してしまったお客さんの天城さん、不可解な死をとげた須永さん、狐のお面。

    大学の知的で物知りな先輩の壮大な話が全部嘘だと、彼と親しかった結城さんに教えられた別れ際。

    家庭教師先の近所で見た狐のような顔をした胴の長いケモノと、頻発する通り魔と教え子と取り巻きたち。

    祖父の通夜に屋敷に集まった父に伯父たちと話した生前の祖父の奇妙な行動、先祖にまつわる諸説と溢れだした水。

    ファンタジーありホラーあり。
    奇妙で不可解で気味が悪いけれど、背筋がぞっとする恐怖ではなくてワクワクする感じ。
    胴の長いケモノがコワイ。

    どこに真実があってどこに詳細がつながっていくのかわからなくてもどかしい。)^o^(

  • どれもすっきりしないお話でしたが、不思議な感じでちょっと不気味なお話でした。それぞれのお話がどこかで繋がってるんですね。ナツメさんって何者??ある意味、一番不気味です。

  • 読んでいて、なぜか恩田陸の『私の家では何も起こらない』を思い出した。

  • いつもの森見登美彦さんが、ドタバタコメディの『うる星やつら』とするなら、この作品は『人魚の森』、最終話に人形や琵琶湖の龍が出て来ますし。
    淡々と怪談っぽい怖さがあり、人の世の理から外れた存在との接点をチラッと見せてくれてます。一切の正体の説明など無し。モリミー作品の妄想京都世界にそんな説明など期待してはいけません。

  • どことなくXXXHOLiCを思わせる雰囲気の骨董屋。対価が必要な取引は本当に恐ろしい。ラストの死に方さえも美しい描写にため息がでました。
    描き下ろしでは水神がお気に入り。

  • 文庫の表紙で気になっておきながらこちらの本を登録。
    しかしながら、こちらの本の表紙も魅力的だ。
    私はきつねなど化かすやら、眷属、物の怪などが題材になっているモノが大好きだ。
    まぁ、表紙だけでは何とも言えないが気になる一冊ではある。

  • 「夜遅くに一人でおきていて、なんだか、わけもなく怖くなることがありませんか」「朝になれば、なぜあんなに不安だったのか分からなくなるでしょう。それと同じなのです。東京はいつも夜なのです。」

    いつもの森美ワールドとはバッタリ違って戸惑う。
    ジンワリと怖いはなし。
    それも何故そんなことになったのか、誰が悪いってわけでもない。
    町角にある暗闇が京都って場所にマッチしていて、不思議な気持ちになった。竹薮、琵琶湖疏水。
    他ではオフザケの方が目立ってるけど、やっぱ綺麗な文章だなあ。
    とりあえず、安易にあげる、もらうはしないようにしよう。という気持ちになる。

  • 本のタイトル「きつねのはなし」を含む、全4話の短編集です。骨董店「芳蓮堂」に縁している人達の話のようです。1話目の「きつねのはなし」は不思議さと、少しのホラーが味わい深く混ざり合っていて楽しく読めましたが、その次から挫折しました。主人公が目で見た物をそのまま書いたような感じで、何か惹かれる物がここにあるのか、私にはわかりませんでした。パラパラめくってみると、同じ骨董店の名前が出て来てたので、骨董店つながり?気にはなりましたが、淡々と続く世界が退屈で、先へは進めませんでした。

  • 京都を舞台とした連作小説。

    「人工都市・京都」を舞台にしないと、出せない風合いの作品だな、と感じた。
    人は理解の域を超えた部分を「人外のなにか」のせいにして納得しようとする。それは死後の世界の恐怖という形や、自然への畏敬という形で出ることが多い。

    しかし、京都、というかこの作品で扱われる「人外のなにか」は「人の闇の部分」を象徴するもの。人が人を嵌める、何かのきっかけで人の暴力的な部分が発露する、などの異常な行動が、話の最初には「人外のなにか」に対する恐怖のような形で現れ、そして徐々に話が進んでいく。

    京都以外の都市でも、そういうことは日常茶飯事なわけですが、どこまで行っても狭く浅い企みに終わることが多い。しかし、京都という文化的・産業的構造が重厚な都市には「そういう深さがあってもいいかな?」と思わせる何かがある。それをうまくいかした作品、と感じた。

    ただ…独特の後味の悪さが残る小説ではありますね…。

全483件中 1 - 10件を表示

森見登美彦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

きつねのはなしに関連するまとめ

きつねのはなしを本棚に「読みたい」で登録しているひと

きつねのはなしを本棚に「読み終わった」で登録しているひと

きつねのはなしを本棚に「積読」で登録しているひと

きつねのはなしの作品紹介

京の骨董店を舞台に現代の「百物語」の幕が開く。注目の俊英が放つ驚愕の新作。細長く薄気味悪い座敷に棲む狐面の男。闇と夜の狭間のような仄暗い空間で囁かれた奇妙な取引。私が差し出したものは、そして失ったものは、あれは何だったのか。さらに次々起こる怪異の結末は-。端整な筆致で紡がれ、妖しくも美しい幻燈に彩られた奇譚集。

きつねのはなしの文庫

きつねのはなしのKindle版

ツイートする