- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104645039
作品紹介・あらすじ
数式による恋人の存在証明に挑む阿呆。桃色映像のモザイクを自由自在に操る阿呆。心が凹むと空間まで凹ませる阿呆。否!彼らを阿呆と呼ぶなかれ!狭小な正方形に立て篭もる彼らの妄想は壮大な王国を築き上げ、やがて世界に通じる扉となり…。徹底して純粋な阿呆たち。7つの宇宙規模的妄想が、京の都を跋扈する。
感想・レビュー・書評
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またも四畳半シリーズ。すごい笑った。自分の世界を持つ人って素晴らしい。
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「四畳半神話体系」の世界が拡大している! 下鴨幽水荘のあの人々も登場し、彼らに似た愛すべき阿呆たちが京都を駆け巡る! 京都の土地勘が乏しい私ですが、あまり気にせず楽しみました。これでいいのだ!
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実に森見さんらしい文章だった。最近、こういう森見作品を読んでいなかったので懐かしい感じもした。
全ての話が繋がっているようなところが素晴らしいと思う。『四畳半神話大系』と『夜は短し歩けよ乙女』とも繋がる感じ。森見さんの頭の中には壮大な世界が広がっているんだろうなぁ。
京大近くの進々堂に一度行ってみたい。 -
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期待ほど楽しめなかったかな?という本について
なんだか申し訳なさそうにレビューを書くkuroayameさんの
奥ゆかしさが、とても好きです(...期待ほど楽しめなかったかな?という本について
なんだか申し訳なさそうにレビューを書くkuroayameさんの
奥ゆかしさが、とても好きです(*'-')フフ♪
実は私も、森見さんの作品って、大好き!と思えるものと
う~ん、なんかついていけないかも、と思うものに二極化されるので
うんうん、わかるわかる、とひそやかに共感してしまいました(笑)2012/12/02 -
私も、「夜は短し、歩けよ乙女」で見事に、大正ロマンにハマりました(笑)
同じ、森見さんの作品ですよね~♪
気になるので、一回読んでみようと...私も、「夜は短し、歩けよ乙女」で見事に、大正ロマンにハマりました(笑)
同じ、森見さんの作品ですよね~♪
気になるので、一回読んでみようと思います(*^_^*)2012/12/03
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読み始めは、引きこもりと、変人の言い訳の為の本か??(失礼)
と思いつつ読んでみると、
全然違って、面白かった
話のテンポがめまぐるしく変わるので、登場人物についていけない面もあったけど、小さい頃の遊びを思い出してみたり
なんだか懐かしい気持ちになった
昔、押入れで遊んだり、テーブルの下で遊んだり、座布団が船になったり、狭い空間からも無限な広さを作りだせていた頃の事が
思い出されて以外と楽しかった -
ナンセンスな作品ですがその手のにありがちなタイクツが特にありませんでした。そして世の中みんなが阿呆に見えてしまうようになるという副作用というか効能があります。
▼簡単なメモ
【一行目】諸君! / 諸君と言っても誰もいないのだが、しかし余は断じて諸君と呼びかけよう。
【阿呆神/あほうしん】京都の学生が信奉している。四畳半に住んでいて玉子かけごはんばかり食べている。丹波のマンドリンと連動している。
【怒り】《しかし人間というものは、すでに燃えている怒りをっそう派手に燃やすために、あらゆる問題をいっしょくたにすることを厭わないものである。》p.43
【異論】《余は異論を必要としない。》p.9
【上松康平】おそらく詭弁論部のメンバー。四畳半統括委員会から逃げている。
【印刷所】偽造レポートの製造を一手に引き受ける。
【凹氏/へこみし】大日本凡人會メンバー。精神的に落ち込んだとき身近にあるものを凹ませる能力を持つ。
【楓】三浦の後輩。人間関係研究会で「屁理屈に凝り固まった男たちとの会話マニュアル」というピンポイントなものを作成している。《その物静かでおしとやかな印象からは想像しにくいが、形の良い頭の中には血みどろ恐怖映画と異常心理殺人の知識が詰め込まれている。》p.77。で、心配性で怖がり。
【壁】壁との闘いは内部へ世界を広げていくことによってのみ勝利できる。
【幹事】図書館警察の忘年会幹事という恐ろしい役を押しつけられくよくよしていた器が小さい男だったが阿呆神に供えられている器と連動していたのでその器がお猪口からどんぶりになったとき幹事の器も大きくなった。
【詭弁論部】魂の半分が屁理屈でできている阿呆たちの集まり。阿呆神を信仰する。メンバーは鈴木、丹波、芽野、芹名とあと一人かしら?
【黒髪の乙女】明石さんに似ているようだ。
【自転車にこやか整理軍】構内の自転車を黙々と片付ける。
【下鴨幽水荘】下鴨神社の東に建つ骨董的アパート。
【真の王】最上階に住むと噂されている。
【数学氏】数学が好きだが得意ではない。大日本凡人會メンバー。妄想的数学証明によって現実世界に物質を出現させるという能力を持つ。
【鈴木】詭弁論部のメンバー。淀川研究室。
【精神】《精神の貴族は行動しない。》p.21
【芹名雄一】詭弁論部のメンバー。人類全般を馬鹿にしているメガネ。四畳半統括委員会の名前を作ったらしい。
【大学】《しかし講義では聴けないことを学びたかったのであれば、そもそも大学なんぞに踏み込まぬがよかろう。》p.12
【大日本凡人會】一日一善というゲリラ的慈善活動を続けている五人の凡人に憧れている非凡人。数学氏。モザイク先輩。凹氏(へこみし)。マンドリン男。無名君。
【大忘年会実行委員会】「幹事」が設立した。後に図書館警察と激しく対立することになる。
【丹波】マンドリン辻説法で阿呆を産み出している。古本屋でアルバイトの女学生とねんごろになったという噂。大日本凡人會メンバーのようだ。もしかしたら詭弁論部のメンバーでもあるかもしれない。他者の心に侵入できるらしいが抜け毛が増える。
【鉄管】すべての部屋の隅を上下に貫く謎の鉄管。建物の中を縦横に走りやがて屋上に出ていくようだ。中に何が流れているのか誰も知らない。
【天井】天井との闘いは蛍光塗料を塗った発泡スチロール製の玉をぶらさげることによって勝利した。
【人間関係研究会】「人心掌握マニュアル」とかがあるらしい。三浦や楓が所属するらしい。
【樋口】下鴨幽水荘に住む。ぬらりひょんに「師匠」と呼ばれている。
【法然院学生ハイツ】その内に四畳半王国を抱く、京都東山のふもとにたたずむ鉄筋コンクリート三階建てコの字型の建物。
【図書館警察】某大学の学内自治機関。附属図書館で本を借りっぱなしにしている者から本を回収する。
【ぬらりひょん】小津に似ているようだ。
【初音/はつね】数学氏が存在を証明した自分の恋人。いつも8ミリカメラで撮影している。映画サークル「みそぎ」所属で監督もしたが客は途中で眠ってしまうので誰も最後まで観ることはできない。
【柊】楓さんの恋人。鈴木の後輩。ということは詭弁論部だと思われる。なのに恋人がいるの?
【福猫飯店】図書館警察の上部組織。
【水玉ブリーフで日傘をさした哀しげな瞳の男】三浦さんが発見した。腹筋が割れている。
【三浦】女性。鈴木と同じ淀川研究室。《彼女にとって、文明とは冷房であり、冷房は文明である。》p.77。《彼女は手遅れになったときにかぎって優しさを発揮する人である。》p.80
【無名君】どんな集団に入っても気づいてもらえない稀有な才能を持つ。
【芽野史郎/めの・しろう】某大学詭弁論部のメンバー。鈴木とは後輩のようだ。
【モザイク先輩】大日本凡人會の最年長者。桃色映像のモザイクを物質かして除去できる能力を持つ。
【桃谷】鈴木と同じ淀川研究室の先輩。一乗寺月美荘で暮らしている。
【床】床との闘いは熱力学第二法則との闘いだ。
【浴衣男】『四畳半神話大系』の「私」に似ているようだ。
【余】主人公。シュレディンガーに敗北し四畳半王国を設立した。《余は、自己であるためにいちいち他者の鏡を必要とするような軟弱な人間ではない。》p.15。《しかし余は、他人を踏み台にして自己を正当化しない。》p.20。《たとえ胡桃の殻に閉じこめられようとも、無限の天地を領する王者になれる男だ。》p.25
【四畳半王国】法然院学生ハイツの中にある。《我が国の憲法に拠れば、偉大なる王の繊細なるハートを傷つけないかぎりにおいて言論の自由が保障される。》p.9。《我が四畳半は何処にも存在し得る。》p.11
【四畳半統括委員会】世界四畳半化計画を推進しているらしい。メンバーは正方形で表紙が四畳半のかたちに区切られている四畳半手帳を持っている。四畳半に住まなければつけこまれることはない。
【淀川教授】栄養学を教えている。狸好きで「狸先生」と呼ばれている。そんな人が狸の話に出てたような気もする。 -
これぞ森見登美彦の真骨頂!と勝手に思って憚らない、安定の”阿呆大学生もの”連作集。もう、ページの向こうの四畳半から饐えた臭いが漂ってきそう。だがそれがいい。
森見リピーターならばニヤリとせずにいられない、あんな阿呆やこんな阿呆(個人的には芽野と芹名がどうしようもなく好き)が、相も変わらず京都の町を跋扈。
『新釈走れメロス』に始まって、繰り返し繰り返し連中の日々を読んでおりますと、老舗の鰻屋かなんかで創業以来継ぎ足し継ぎ足し受け継いできた秘伝のタレみたいになって来ました。森見汁が。我が脳内で。
大日本凡人會の面々が愛おしい。
四畳半王国建国史
蝸牛の角
真夏のブリーフ
大日本凡人會
四畳半統括委員会
グッド・バイ
四畳半王国開国史 -
一番最初の語りのところで何回も挫折したけど
中身を読んだらいつもの森見ワールドでおもしろかったです
いままで出てきた登場人物たちが出てきてにやにやしながら読んでました(^-^)
大日本凡人會いいですね!
「蝸牛の角」では、世界がどんどん変わって最初ハテナが頭に浮かんでたんですが、後半追いついてきておもしろかったです。
「見渡すかぎり阿呆ばっかり」
あと、芹名くんと柊くんが結構好きです笑 -
ついに阿呆が神になった。
阿呆な人達がまた出てきたり、新たに出てきたりしました。
どこまで四畳半世界は広がるのか。
と、思ってたら世界は繋がっていた。
なかなかステキな終わり方でした。 -
森見登美彦が好きな人は彼のこういうところがすきなんだろうなぁーっという要素がぎゅうぎゅうに詰め込まれた作品。森見の阿呆京大生ものはやっぱり肌に合わない。他の森見作品をかなり読んでいなければ読者置いてけぼりで話が展開するので、森見上級者向け作品ではあると思う。2012/055