ドンナ ビアンカ

著者 :
  • 新潮社
3.43
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本棚登録 : 867
感想 : 149
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104652044

感想・レビュー・書評

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  • 魚住シリーズ第二弾。前作「ドルチェ」からしばらく経ってたから、魚住シリーズの世界観を思い出すべく、その「ドルチェ」から読みました。恋愛捜査シリーズと謳っているだけあって、本当に、このシリーズはなんだか繊細で優しくて切ない。魚住さんの視点や考え方が好き。あたたかい。誉田さんって本当にすごいね。なんでこんな、同じ警察小説なのに、姫川シリーズのような世界観と、この魚住シリーズの世界観を描き分けられるんだろう。村瀬と瑤子の恋愛がもう本当に…切ないなあ。瑤子がとにかく健気で可愛らしい。村瀬の、瑤子を想う気持ちはなんだかなあ。これドラマとかじゃ伝わらないよね。伝えられないよね。文章で読んでいくからこそ、村瀬の恋心が切なくて悲しい。副島はどうしようもない男だね。こんな男死んでしまえ!と思ってしまった。それから、魚住さんと金本さんと峰岸の謎の三角関係も気になるところ。個人的には峰岸を応援しています。兎にも角にも、事件だけ見るとなんだか救いようのない、何だよそれ…っていう事件だったけど、この読了後のほっこり、あたたかい、でもなんか切なくて胸がきゅんとする、これはもうこのシリーズならでは。良いお話でした。

  •  魚住久恵シリーズの2冊目。
    今回は長編ということで楽しみに読みました。
    一つの誘拐事件がきっかけで話は始まります。
    進み方が犯人側と刑事側が交互に描かれ、いいタイミングで相手側の章に移っていくので、ついつい読み進めてしまうという作者の罠にはまってしまいました。
    誘拐の全容が全く見えない中話は進み、どうなるのかと思っていたら以外にあっという間の解決で少し拍子抜けしましたね。
    それでも登場人物の描写が活き活きしていて、楽しめました。
    この小説の主人公の女刑事、かなり魅力的な人だなと思いながら読んでいました。
    同じシリーズ物の姫川玲子とはまた違う味わいですね。
    こちらの魚住久恵の方が、柔らかい印象。
    安定した大人の女性という印象でした。
    さりげなく一度姫川シリーズに出てきていた刑事の名前が出たのはファンサービスかな?
    このシリーズもまだまだ続いてほしいですね。

    • hs19501112さん
      【さりげなく一度姫川シリーズに出てきていた刑事の名前が出たのは】

      「イマイズミ」さんですね♪

      単行本版と文庫版、どちらのレビュ...
      【さりげなく一度姫川シリーズに出てきていた刑事の名前が出たのは】

      「イマイズミ」さんですね♪

      単行本版と文庫版、どちらのレビューを見わたしても、そこに言及している人がいなくていなくて・・・「自分だけの気のせいか?」と思っていたところなので、同じ描写に反応している人がいて、嬉しく思います。
      2016/09/09
  • 魚住久江シリーズ第2弾。
    方や何とも特徴の無い、村瀬と出稼ぎに着た中国人瑤子との成り行きがメインの話であるが、そこに絡む、副島の企み。結局最後はばれてしまうのだが、その過程に至るまでの久江とその腐れ縁の金本の駆け引きが
    また良くできている。ストロベリー無いとの姫川ほど派手さは無いが地道に証拠を追っていく姿は対局にいる女性刑事という感じで良いですね。また読んでみたい気がしてくるところはさすが! 
    誉田哲也。

  • 魚住刑事の第2弾。
    金本刑事とのコンビネーションが素晴らしい。
    村瀬と瑶子の純愛物語に泣けました。

  • 魚住巡査部長シリーズ第2弾。しかも今回は長編。
    このシリーズはホントに大好きなのでかなり偏ったレビューになるであろうことを
    先に言い訳しておきます(爆)。

    実は連載時にちょっとだけ読んだ。雑誌掲載時は2段組みなのね。
    段組みが違うだけでこんなにも印象が違うんだ、という新たな発見。
    先ずは装丁がステキすぎる。今までの誉田作品の装丁とは違うイメージ。
    例えると今野敏氏の安積班シリーズなどで見かける雰囲気に近い。

    話はふたりの視点を借りて進められる。
    村瀬サイドで語られる話はよくある(?)ラブストーリーだが
    そこに誘拐事件の捜査に当たる魚住さんの視点が絡み
    よくあるラブストーリーがミステリになるという構造。
    そして、村瀬の視点が挟まれることによって
    魚住さんと峰岸くんが感じた事件に対する印象が補完される。
    このシリーズらしく死者は出ないけれど
    誉田さんらしいグロい描写はちゃんと出てくる(爆)し
    話の進み方はかなりノワール。
    なのに着地点はほのぼのしたところに落ち着く、というか
    ふたりの世界作ってんじゃねーよと突っ込みたくなるくらいベタ甘だったりするのは
    視点が交錯するこの手法によるのかな、と思ったり思わなかったり。

    それにしても瑶子の可憐さ、可愛らしさはハンパない。
    ラストの2行がそのすべてを語っていた。
    タイトルの意味がよく判らなかったので調べてみたら
    donnaが貴婦人、biancaが白の女性名詞、らしい。
    村瀬が語る瑶子のイメージってこれなんだ、と読み終えて納得した。
    この話には基本的に悪人はいないと思う。ひとりを除いて。
    そのたったひとりである副島は悪人というより人間のクズというか腐れ外道(爆)だな。
    ここまで褒めるべきところが見当たらないキャラを作るのも大変だっただろうに(笑)。

    今回はなんとなく金本さんと峰岸くんのバトルらしき一幕が描かれている。
    これって魚住さんをめぐるなんとやらなのかな、と
    ついつい穿った見方をしてしまいニヤニヤしていたのは内緒である(爆)。
    この3人の関係性、何よりも魚住さんがこのふたりの間で揺れてる感じが
    今後のこのシリーズの読みどころのような気がしている。個人的に(笑)。

  • 舞台は警察で事件が起こっているけれど、グロさはなくて人情物。

  • やっぱり誉田さんのこの書き方が好きだ!
    時系列のずれた2つの視点から描かれて、徐々に交差するっていう。
    なので前作の短編よりも、こっちが好きですね。
    姫川シリーズほどのインパクトはないけど、このシリーズもいいです。
    友情出演で姫川がちょろっと出て来てくれたりしないかなー。

  • 再読

  • 女刑事・魚住久江と、41歳の冴えない男・村瀬。そのふたりの視点で、交互に話が進んでいく。東野圭吾作品みたいに、大どんでん返しがあるわけじゃないけど、惹きつけられ、一気に読んでしまいました。村瀬さんと瑶子さん、幸せになってほしいな。久々のミステリーだったけど、やっぱりミステリーはオモシロイ‼

  • 続きが気になる本

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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