スープ・オペラ

著者 :
  • 新潮社
3.56
  • (24)
  • (82)
  • (102)
  • (6)
  • (2)
本棚登録 : 442
感想 : 97
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104655021

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 突然二人の男性と一緒に住むことになったルイ、35歳独身。
    画家のトニーさんは60歳代、一方の康介は20歳代。年齢も職業もバラバラなのに、なぜかうまく噛み合っているみたい。
    穏やかなトニーさんと気の利く康介となら快適な毎日だろうなぁ。
    以前からの知り合いでもないのに、一緒に暮らすようになるなんて縁があるということだわね。
    こんな気の合う人と出会えるなんて羨ましいっす。
    異性と友人、知人になれる出会いに憧れます。
    家に引きこもらず外出すべきか。

    物語に出てくるスープがどれもとっても美味しそう。
    温かい食べ物って心も落ち着かせてくれるものなんだな。
    自分で鶏ガラスープがとりたくなってしまいます。

  • ちょうど「聞く力」を読んでいたとき、
    図書館で目にして借りた1冊。
    そういえば映画化されていたことも思い出し、
    このタイミングで原作読み。
    はじめ、エッセイを手にしていたんだけど、
    あえて小説にしてみてよかった。

    ルイは坂井真紀って、どこかで知ってたはずなのに、
    いつの間にか中谷美紀で読み進めていて、
    トニーさんは、自分の中ではブラザートム、
    トバちゃんは片桐はいり
    だったんだけどなあ。
    康介は・・・特に該当者なし(笑)

    で、スープ・オペラというだけあって、
    「食堂かたつむり」のようなものを想像していたのだがちょっと違った。
    今流行のシェアハウスものとも違う。
    トバちゃんとの関係。トバちゃんがいなくなり、入れ替わりで現れたトニーさんと康介。
    父だったり、恋人だったり、家族だったり、友人だったり、
    様々なシチュエーションで関わりを提示してくる。
    そのかかわりの中で感じる気持ち。

    決して派手ではないし、ラストもはっきり明言させないことで、
    いろんなことをこちら側読み手に残してくれる。
    このスープがあれば生きていける、と言う意味が、
    あとあと活きてくる感じ。
    もっともスープよりハムカツやおそばのほうが食べたくなった。
    スープが飲みたくなるのはむしろ、同じ時期に読了した
    「それからはスープのことばかり考えて暮らした」
    http://booklog.jp/users/fumix/archives/1/4766001303
    のほうかも。

  • 親とか恋人とか友人とか、そういう名前で括られないけど、大切な人がいるのっていいなぁ。
    3人の関係にいつか別れは来るだろうけど、ふと思い出してくすりと笑える優しい思い出ができるんだろうな。

  • 鶏ガラスープを作りたくなった。
    かんたんに鶏白湯を作って食べた。

    キャスターの阿川さんが作家さんだったなんて知らなかった。
    他の作品も読みたくなった。

  • 図書館で借りたもの。
    島田ルイ、35歳独身。ベタなぎの毎日が大激変。いい男が現れ、同棲? しかも、お相手は2人! ひとつ屋根の下に、独身女性と男性が2人。スープでつながる恋の花咲く長編小説。
    初読みの作家さん。

    読みやすかった!けど文量多かったな~!
    妻と彼女にそれぞれ振られたばかりのトニーさんこと十二夫(66)と、康介(30)の2人と同居することに。
    空気感がいい。
    スープもおいしそう。

  • スープがでてくることもありますが、味わい深い本です。
    どんな状態(環境)でも、楽しみはあり、人との係わりの中で色々あっても生きているんだなぁと思わせてくれます。

    そして、係わりあった時間や立場でなく大切な人はいると言うことが共感出来て読んでいて続きが読みたくなります。

  • ルイ。
    独身。
    35歳。
    女手ひとつで育ててくれた叔母さんが、還暦を前に突然の恋に落ちて出奔。
    一人残されたルイの家には、ひょんなことから二人の独身男が転がり込んできた。
    初老だけどモテモテのトニーさんと、年下の気弱な康介。
    唯一の共通点はスープ好き。
    一つ屋根の下で暮らすことになった、そんな三人の関係は。
    そして叔母さんの恋の行方は?
    温かくキュートで少しだけ辛口の物語。
    (アマゾンより引用)

    この作者さんはまだ2冊しか読んだことないけど、こういうお話も書くんだ~って印象。
    どこにもありそうな、どこにもなさそうなそんな不思議な物語でした。

  • 阿川さんの書き物を始めて読んだ。ハマってしまいそう。阿川さんの書く話の雰囲気、すごくいいな。
    現実にこんな関係の出来事が起こったら『普通』じゃなさすぎるんだけど、でも読んでいたら、あぁ、これもアリよねぇ……なんて思えちゃう。むしろ家族でも恋人でもなく、でも一緒の家にいてホッと出来るなんて羨ましすぎる。仲のいい友だちでもそんなことは難しいのに。
    登場人物も少し地味めな人々なんだけど、でもだからこそ阿川さんの作風によく合う。
    いやー、本当におもしろかった。阿川さん作品、次は何を読もうかな~。
    その前に無性にスープが飲みたい。

  • (373P)

  • ばらばらの寄せ集めの3人の破天荒な、けれど温かな生活。
    この三人は最強だなって思う。
    チラチラと出てくるとばちゃんもいい。
    話の中にずっと出てくるスープの存在が、話をしっかりと包んでいる感じ。
    暖かな美味しいスープを作って食べたくなった。

著者プロフィール

作家

「2023年 『ベスト・エッセイ2023』 で使われていた紹介文から引用しています。」

阿川佐和子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×