下山事件

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著者 : 森達也
  • 新潮社 (2004年2月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104662012

下山事件の感想・レビュー・書評

  • 下山事件の本を詳しく読むのは初めてなので ほかの人の視点で書かれた本も読んでみたい

  • 図書館で借りた本。

    この人の書くものはドキュメンタリーなのだが、時折その「対象物」との「距離」を確認するような部分がある。実はそこがわたしにとって最も惹かれる部分である。

    下山事件については、わたしはほとんど何も知らないに等しかったが、このようなことがあって今の日本があると知り、またこの事件は今でも続いていると著者は言う。

    なるほど、それはそうかも知れないと思う。確かに日本が南北に分裂しなかったのは、あの当時の右翼がやったことの結果なのかも知れないが、しかし、その数年前はアメリカは敵国で自ら戦ってきた人間が、こうもアメリカに飼い慣らされていく、これが日本人の本質でもあるのだろうか、という思いが残った。

    アメリカは日本では成功したけれども、イラクでは成功しなかった。それはやはり日本は基本的に「全体主義」の国だからだろうか。

    心に残った文章。

    「でも人は、あまりに近距離なものには焦点を合わせづらい。だからこそ過去を忘れてはいけない。だからこそ何度も何度も目を擦りながら、僕らは過ぎ去ってきた遠くを、凝視し続けなくてはならない。」

    「ただ、日本は表皮が薄い。僕はずっとそう感じている。表皮が薄いからこそ、鎖国以降は一転して欧米の文化や社会システムを吸収し、近代化を果たしてアジアの盟主になった。表皮が薄いからこそ、戦後はアメリカの占領政策にほとんど抵抗をしないままに従属し、押しつけられた民主主義をあっという間に吸着し、その後の高度経済成長を果たして世界に冠たる経済大国になった。
     共同体への帰属意識が並外れて強い民族性を持つが故に、日本は常にアジアでは突出した国家の位置を保ち続けてきた。しかし表皮の薄さは、事があったときに一方向に暴走するという共同体の負のメカニズムを発現しやすいことと同義である。」

  • オウム信者らを撮ったドキュメンタリー「A」などでも有名な森達也さんが、戦後民主主義の大きなターニングポイントとされる、国鉄総裁死亡事件、通称「下山事件」について50年たったいま、独自取材をしたもの。

    高校の日本史の先生がマニアで、この事件を取り上げて細かく講義したことがあったため、個人的にも大いに興味があり、すぐに読み終えてしまった。
    取材記のような形をとっているため、筆者のリアルタイムな高揚とか事実の重みが感じられる。ただの謀略史観には留まるまい、という筆者の意気込みや、こういった腰をすえてやる取材がやりにくい、今のジャーナリズムに対する問題提起が鮮やかだ。

    事件を知らない人にも十分面白いはず。

  • 矢板の殿様(弟の方)が魅力的。西瓜を切ったりするとこがたまんない。

  • これまた戦後の歴史に関わる本。下山事件は国鉄の元総裁が線路上で死体で見つかった、いまだ解決されていない事件。これを考察に戦後の日本を見つめる本として興味ぶかかった。著者はオウムのドキュメンタリー映画「A」の監督で、独自の視点で、しかもわかりやすく戦後の歴史を、今の日本の延長線上で解説してくれていたりもします。・・・あまり書くとネタバレになるのでこのあたりでw おすすめです!

  • 昨年、「葬られた夏」を読んだ時、自分と同世代の中にも下山事件に興味を持ち真相を追究しようとするジャーナリストがいることに軽い驚きと下山事件の持つ意味(?)の大きさを再認識した。しかし、今年発売されるに至った本書の経緯を知るにつけ、前書が後出しのジャンケンで勝ったようなものだと思わざる得なくなった。まだ完読していない段階での感想だが、PR紙等の書評を読む限り読後も感想はあまり変わりなさそう気がする。

  • 甲賀などを舞台とした作品です。

  • 私と下山事件の出会いはここ。

    大手町の紀伊国屋でなんとなく購入。
    すごく読みやすくて一気に読了。

    事件の中身とそれに迫って取材を続ける「僕」(森)の2つの切り口からのドキュメンタリー。

    読んだ直後は星5つの興奮だったが
    最近読んだ森のニュースソースである柴田哲の本により一部肝心な部分に虚偽があることが書かれていたため星1つ減。

    でも、この状態で本にしちゃって本人はほんとに満足していたのかな。

  • 森達也は本当にあざとい。いい意味で。このあざとさがうらやましい。

  • 昭和史最大のミステリーと言われる下山事件。
    初代国鉄総裁の轢死は本当に自殺だったのか。
    事件の全貌を再調査した労作です。

  • 謎解きに終始するのではなく、常に日本の現代史を学ぶ意義を意識した視点で語られているから、読者はより身近な事件に感じるし緊張感も出て一気に読めた。

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下山事件に関連する談話室の質問

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下山事件の作品紹介

その列車がゆっくりとカーブを描きながら目の前を通過したとき、日本の歴史も大きく軋みながら軌道を変えた-。『彼』の情報が恐ろしく重要なものだと分かったのは、ジャーナリスト・斎藤茂男と出会ってからだった。あれから半世紀。残った者たちの重い口を開かせることが、果して出来るのか?生き残りたちを懸命に探して会う「僕」の旅が始まる…。

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