- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104668021
感想・レビュー・書評
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東南アジアで暮らし続ける(続けていた) 14名の元兵士に
どうして日本へ帰らなかったのか を 問う ルポルタージュでした。
色々な理由がそれぞれあったのですが
結局は それらのきっかけよりも
家族を持ったから その国の人となって生きる道を選んだ人達。
日本の敗戦 そして兵隊は 捨て置くという体制の元、
日本に希望を無くしてしまった 元日本兵の人達。
戦争がなければ 日本にずっといただろうけど
アジア諸国で日本でいるより 楽しく生きた人々にとってみたら この最後は 良かったのかもしれませんね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦後60年に、太平洋戦争後も東南アジアで生きることを、日本に帰らないことを選択した14人の元日本軍兵士・軍属を探し出し、インタビュー。それぞれの方の抱えていた事情、戦時中の体験が、現地に残ることを選択させた。戦後75年を経過し多くの方が亡くなっている現在では、もう叶わない作品、著者に感謝したい。
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日本人であるために、日本人であることをやめなければならないという逆説を選んだ人達の話。
戦争が終わっても日本に帰らなかった(帰れなかった)本当の理由は本人にしか分からない。それは言葉にできるような簡単なことではないし、もし言葉にすることができても、それは言葉にして発せられたとたん、意味が変ってしまって、誰にも伝わらない、伝えられないような気がする。本当の理由を理解したいと思うなら、同じような境遇を過ごすほかはない。
下山事件もそうだが、ほぼ同世代のライターがこういった60年も前の出来事に興味を持って本を書いていることに不思議な共感を覚える。