自転車少年記

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 54
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104680016

感想・レビュー・書評

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  • 暇人な俺でもそれなりに忙しい4月とはいえ
    読むのに1か月弱かかってしまった。
    というのもこの本、1ページあたり上下ビッシリ2段のレイアウトで400ページを超す長編なのだ。
    こんだけ長い本を読んだのは
    1年前に読んだ「ダヴィンチコード」以来だけど
    ダヴィンチコードとは全く違う面白さで、それ以上の爽快感を味わえました。

    内容としては、主人公昇平が4歳から30歳すぎまでの自転車に大きく関わった人生を書いたクロニクル。
    以前読んだ同題の文庫は大人になってからの出来事をメインにすべて昇平目線で書かれていたけど
    この本は少年から大人になるまで細かく書かれていて、各章ごとに語り手が変わって描かれていました。
    その分内容がかぶってる部分も新鮮に読むことできたかなー。

    評価は迷うとこだけど☆5つ。
    ちょーっと長すぎるところがマイナスかなぁ。
    最初から最後まで感情移入できて
    後半だれてしまう。ということはないんだけど
    逆に感情を入れて読む分つかれちゃうかなって思いました。
    なが~い休みや何もすることがない時に手を取るといいかもしれない。

    それにしてもよくこれだけ長い文章を書けるもんだ。
    作家さんっていうのはすごい人だなー。
    そう思いました。

  • 青春小説、というジャンルがあるのかどうか知らないけど、そういうものを読んでさわやかな気分とか、胸がきゅっとするような、プラスの気分になるとしたら、自身はもう青春時代から卒業しているのではないかと思う。真っ只中にいたら、同じように悩んだりバカやったりしている登場人物が恥ずかしいっていうか、いたたまれないような気がするんじゃないかしら。なんだか知らないけどわぁって叫んで本を投げ出したくなるような。だからやっぱり、この本は今この年齢のときに出会えてよかったと思う。初めは4歳だった主人公たちが、今の自分くらいの年齢になったところで物語が終わっている、ということもあるし。
    単行本は主人公たちが4歳から29歳までの間のクロニクルとなっていて、その続編というか改編というか、まぁとにかく文庫版も出ていてそれは更に時代は流れて主人公たちは30代の半ばになっている。主人公たちは、学校で、会社で、勿論自転車で、その他いろんなところで仲間を増やし、奥さんと出会ったり子供が誕生したり、周りにいる人たちがどんどん増えていく。それでも、4歳のあの日に出会った幼馴染とのつながりはそれらのどれとも異なった特別なもの。幼馴染という存在がいないあたしにとって、これが本当にうらやましくてたまらない。

    あたしの読書量なんて高が知れているけれど、それでもこの年齢のときに出会えてよかった、って思う本はいくつかある。中学生のとき、高校生のとき。そして、今は、「自転車少年記」。これはたぶん20代の後半に入ってから読むと良いんじゃないかな。勿論主人公の年齢真っ只中にいたって楽しむことはできると思うけど、青春を振り返ってきゅんきゅん(笑)しながら読めるのはこの年齢になってから!

  • これを読んで、GWは父と自転車を30kmくらいこぐことにした。
    学校に行かなきゃできないこともいっぱいあるんだなって思った。

  • タイトル通り、自転車少年達が成長していく話で、非常に面白かった。
    小学生時代のエピソードは微笑ましく、その昇平、草太が悩み迷いながら成長していく姿はなかなかリアルに感じる。
    本当はここまで長い年月ではなく、どこかに焦点を絞って書かれたらもっと好きなのですが、これも良かったです。

  • 自転車を軸にした少年2人のジュブナイル。全体的にリアリティがあって、主人公x2も超人ではなく挫折したりサボったりしながら成長するので好感が持てる。前半は千葉。

    そして何より後半草太が大学生になってから。多摩川サイクリングロード、八王子周りがメインになって高尾やら甲州街道やら淺川やら大垂水峠やら小仏トンネルやら、、、自分がかつて走っていたあの辺りががんがん出てきてずーっとにやにやしながら読んでしまった。東京-糸魚川は実際にあるイベントだけど、この本はどこまで実話ベースなのか気になるなー。糸魚川に挑戦したことはなかったけれど、なるしまロングランで高尾-蓼科180km?を走ったのは今でも鮮烈な思い出だし、何か久しぶりに自転車乗りたくなった。

  • 迷わず★5をつけます!
    図書館派の私が、手元に置いておきたいと久々に思えた一冊。

    自転車に乗る練習をしていた昇平(4歳)が
    勢い余って同級生の草太の家に突っ込んだことから
    2人の自転車ライフが始まる。
    始めての冒険は校区外の特訓山。
    やがて目的地は海になり、
    100Kmチームロードになり、
    その距離はますます伸びていく。
    同時に、多くの時間を自転車の上で過ごす。
    家出をした時も、失恋の痛手を振り払う時も、
    挫折を味わった時も、進路に迷った時も。
    自らの足でこいで作り出した風で邪念を振り払うかのように。

    竹内真さんの作品は「カレーライフ」に続き2作目ですが
    どちらも、途中のワクワク感と読了後の爽快感、多幸感が半端ないです。
    「面白い言い回し」とか「うまく収まった」、「伏線回収ですっきり」とかそういう面白さではなく、
    それぞれに魅力的で応援したくなる登場人物たちに対して
    「きっと幸せになってほしい、いやなるに違いない!」と静かに確信しながら読み終えるような作品です。
    もっともっと竹内作品が読みたくなりました。

    一番気になったのは、奏と草太の関係性ですね。
    「付き合っているとか結婚するとか、そういうことだけが答えじゃないと思うよ」
    おい。奏ちゃんそれは…。笑

  • 自転車を通じて親友になった昇平と草太の成長物語。
    いろいろな経験をしながら成長していく二人の姿が感情移入できた。

  • ★★★☆☆

  • 悪くはない。が、心を揺さぶられる事もなかった。
    二人の少年の物語。幼児の時に出会い大人になるまでの話をそれぞれのエピソードを交えて進んでいく。
    長い!ってのが第一の感想。幼児から大人になるまでの話だから、そりゃ長くもなるのは分かるけど・・・。
    小学校、中学、高校、大学、卒業後・・・とそれぞれにエピソードが語られている。それぞれのエピソードは、よく練られているし、青春小説の爽やかさやもどかしさを表現していて、たしかに悪くはないんだけど。
    さすがに幼児の頃の話から大学卒業後まで話が続くと、間延びしてると感じさせられたなぁ。
    高校なら高校、大学なら大学と言う風に、どこかの時代にスポットを当てて掘り下げた方が、物語に入り込めた気がする。

    これまでの登場人物が総出演しての最終章は良かったけど・・・。

  • 【本】”翼はいつまでも”川上健一著 集英社刊 
    (【ナツヨム】田口店長選書)

    ”↑がお好きなら”
    と言って、おすすめ戴いた本。

    残念ながら、スリルとサスペンス、めくるめく大冒険の
    超エンターテイメント!をご希望の向きは、また今度♪

    って、このタイトルでそこは期待しませんよね(笑)。

    また、すっと染み通る大好きなお話を
    ひとついただきました。

    本書を読みながら、BGMの様にずっと考えていました。
    自転車の...バイクもそうですが、
    二輪車である以上超えられない、
    ふたつのの大きな大きな特徴。

    それは、
    ”ひとりでは、自立できない事”
    ”静止していては自立できない事”

    協調しないと、直立している事もままならない
    バランスに支配された世界だけど、
    だから生まれる身と心のバランス感。

    そして不自由な縛りとのトレードで得られる
    代え難い自由!

    なんてね(笑)。

    全体に真っ直ぐで,”気持ちのいい”お話です。
    この本を傍らに置いておきたくなる気持ち、解りました。

    自転車が欲しくなっちゃったなぁ...(何度目だか)^^;。

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