天国はまだ遠く

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  • 新潮社
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  • / ISBN・EAN: 9784104686018

感想・レビュー・書評

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  • 瀬尾まいこさん、すごく久しぶりに読みました。

    主人公・千鶴
    仕事も人間関係もうまくいかずに、身も心も疲れ果て、
    自殺しようと訪れた田舎町での日々。

    結果として自殺に失敗するんですが、
    規則正しい食事をして、身体を動かし、夜になったら寝る。
    そんな生活の中で、しだいに生きる気力を取り戻す。

    そして、自分の本当の居場所は、ここではないと気付く。
    いつかまた、戻って来るかもしれないけれど…。

    自分は弱い。そう思っている人の方が、案外強いものなのかもしれない。
    「あんたみたいな人は、長生きする」
    そう言っていた、田村さんは的を射てるかも…。

    夜空の星、賛美歌、収穫したてのお米の味、命を頂くということ。
    清々しい、二十一日間でした。

    「なんちゃない」
    あぁ、肩の力がすっと抜けて、気が楽になります。
    なんてやわらかくて温かい言葉。
    方言って、いいですよね~。

    • 杜のうさこさん
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      良かったです!
      瀬尾さん、ものすごく久しぶりでした。
      変化球のない、まっすぐなところが好きで...
      koshoujiさん、こんばんは~♪

      良かったです!
      瀬尾さん、ものすごく久しぶりでした。
      変化球のない、まっすぐなところが好きです。
      この方の本を読むと、自分の中にかろうじて残っている(笑)
      純粋な部分に気づかせてもらえます。
      新作、そういえばそうですね…。
      また読みたいですね~。

      「私のお宝シリーズ」!
      わくわくです(*^-^*)
      2016/04/11
    • 杜のうさこさん
      けいちゃん、こんばんは~♪

      あ、やっぱり?
      ラスト、私も少し…。

      田村さん、大人気だったんだね~。
      たしかに、優しいよね。
      ...
      けいちゃん、こんばんは~♪

      あ、やっぱり?
      ラスト、私も少し…。

      田村さん、大人気だったんだね~。
      たしかに、優しいよね。
      気持ちを楽にしてくれるというか、
      包み込んでくれるというか…。

      あはは~、もう少し影のある人か~♪
      なんか、わかる!
      優しいだけじゃなくて、ちょっとスパイス欲しいよね(#^^#)
      あと、もう少し身なりに気を使って…(以下自粛)
      なんて、言いたいホーダイ(笑)
      2016/04/11
    • koshoujiさん
      うさこさん、よくキャンディーズのCDのレビュー見つけましたね。
      以前話しましたっけ??
      うれしいやら恥ずかしいやら(笑)。
      うさこさん、よくキャンディーズのCDのレビュー見つけましたね。
      以前話しましたっけ??
      うれしいやら恥ずかしいやら(笑)。
      2016/04/12
  • 居心地がよくて体もみずみずしさを取り戻したのに
    居場所ではないという感覚。
    どんな再会を果たすのか楽しみだ。

  • 仕事や職場の人間関係に疲れ果ててしまった23歳の千鶴
    鞄に一晩の荷物とありったけのお金を持って辿り着いたのは、関西から特急電車で2時間の丹後

    駅からさらに山の奥地へ
    自然に囲まれた「民宿たむら」

    海あり山あり畑あり・・・たっぷりの自然と宿主田村。数えきれないほど青年のぶっきらぼうで飾らない人柄に日に日に人間らしさを取り戻していく千鶴

    真っ暗な夜空に数え切れないほどの星を見上げながら田村青年が呟いた言葉
    「ここには星も木も魚も、なんだって嫌ってほどある。数え切れないほどすごいもんがある。それやのに、どうしてそれだけではやっていけへんのやろなあ」

    祖父母からの土地や家屋を引き継いでうまくやっていると見える田村青年の口から出た言葉に考えさせられる

    ここでやっていくには、二人は若すぎると思う。まだまだいろんな刺激を受けて、自分の能力を最大限に伸ばして
    活躍できる場があるはず
    どこか物足りなさを感じているのだろう

    そしてその言葉は、ここの暮らしに馴染み始め田村青年を羨ましく感じていた千鶴の心にも疑問を投げかける

    このままこの生活に埋もれてしまっていいのだろうか
    自分の居る場所はここではないと感じた千鶴が、緊張しながらもまた元の生活に戻っていく結末がよかった

    安易に田村青年と千鶴が一緒になってめでたしめでたしではないところが

  • 面白かった。
    人って簡単に死んじゃだめなんだ。こんな楽しい出会いがあるんだからもったいない!
    ほくそ笑みながら、心からそう思った。
    関西弁の民宿たむらの田村さんと出会えてよかったな!主人公。
    眠剤飲んで爆睡できてよかったな!
    また都会でがんばれよ!

  • 働く20代女子が、ちょっと心が疲れたときに読むのにおすすめ。
    ちょっと休んで、でもここはいるべき場所じゃないと前を向く主人公に共感。
    田村さんからみた続編もあったらいいな。ぜひ読んでみたい。

  • 自殺するためにやってきたものの、未遂に終わり、そのまま1か月弱京都の山奥でのんびり過ごす。ここには何でもあるのに、どうしてそれだけではダメなんだろう・・・。
    先に映画を見てスタッフロールで瀬尾まいこさんの小説だと知りました。映画の徳井くんと、本の田村さんのイメージはちょっと違いますが、それでも田舎ののんびりした雰囲気が癒されるのは同じです。

  • 朝早く起きて、シンプルな食事をとる暮らし。
    民宿の主、田村さんの漁について行ったり、
    鶏小屋の掃除をしたり、近所を散歩したり。

    北の地に死を決意して行ったはずの千鶴だが、
    段々心と身体が戻ってくる再生のものがたり。

    「生きる」って、元来こういう事なんだろうなぁ、
    と思うエピソードが続き、素朴なのに何故か引き込まれるのは、大好きな瀬尾まいこさんの世界観ならでは!

    仕事に疲れている大人みんなにお勧めの物語です。

  • もう一山あるかな?と思ったら終わった。

  • 再生の物語。やっぱりテンポ良い文章は読みやすい。
    単行本p.136「すかすかだった旅行鞄はぎゅうぎゅう詰めになり、それだけでは足りず、両手いっぱいの荷物になった。ここへ来た時、あんなに軽かった荷物が、今はずっしり重い。」この二文に全てが詰まっててるような気がした。
    田村さんや主人公の何気ない言葉や動作にこの後もそれぞれの人生は続いていくんだなという、心地良い後読感があった。

  • 背中を押してもらえる1冊。
    きっかけを見逃さず、大事にしていこうと思った。

  • 心が疲れている時に、なんとなくボーっと読めば良い。

  • 瀬尾まいこさんの本を、ここ数ヶ月の間に出版年月にこだわりなく読んでいる。いろんな世代の人に手に取って欲しい。そういう本。

  • 疲れた時、もうだめだなぁと感じた時は何も考えずにゆっくりすること、そしてしっかり寝る、食べること大切だなぁとあらためて思う。
    疲れたなと感じてる人におすすめ。

  • 読みやすい。状況も分かりやすく良かった。コロナの影響で、2ヶ月ほど仕事が休みの中で図書館で見つけ、読んでよかったです。人生の中でリセット(旅に出る?自分探し?)する事は、アリなのだなと感じました。決断の早さ、もう決めたのだから…も、良い。生きていく中で、この本を思い出す事があると思う。

  • 原作、映画ともども大好きな作品。
    初見は中2だったけど、大人になってから読むとまた良い。
    死にたいわけじゃないけど、あんな民宿に出会いたい。

  • 自殺を決意したはずなのに、たまたま訪れた民宿で次の一歩のエネルギーを蓄える結果に。田舎で人の手のかかった物を食べて、人に交われば、身体にも心にも栄養は蓄積されていくんだと思う。淡々と、大きな出来事もなく静かに過ぎる日々はとても贅沢だと感じました。田村との今後もあるのかないのか。その緩やかさがまた次の一歩に繋がる気がして、読後は爽やかで、かつ、静かな気持ちにもなれました。自分が追い込まれた時は遠くに行けばいいんだ。私もよく「どっか行きたい」って思ってました。天国は遠すぎるけれど。

  • 主人公はきっと、本当に死ぬほど辛かったと思うけど、どっかりと構えた田村さんが社会と主人公を繋ぎ止めてくれたんだろうなあ
    会話が温かかった
    民宿のマッチもにやりとしちゃいました

  • 青い箱のマッチを、袋に入れた田村さん…最後がよかったです。

  • 3週間、夢を見ているみたいな日々だったんだろうな。そうしてまた現実むきあうことに決めた彼女を応援したくなった。

  • うわーーーーーー。っていう感想。

    七歳差で、関西弁で、いろんなこと教えてくれるむさ苦しい人。そのまんまだ。酔っぱらった時のやさしさとか、読んでて切なくなる。

    最後にここは自分の居場所じゃないと別れた。あれがとても印象的で、わたしもやっぱそうなるのかなとか

    私のこと?ってくらい状況が似ていて驚いたけれどこれはフィクション。
    何年か後に読んだら、若かったなーと思いそう

  • 仕事や社会に疲れて自殺しようとやってきた遠くの地で、生きる活力を取り戻す。
    その土地でハッピーエンドに、というわけでなく、自分の居場所ではないと悟って、新しいところへ旅立つラストが、リアリティがあってよかった。
    思いつめたときに読みたい。

  • 思っていたよりずっと良かった。落ち着いた文章で、丁寧に書かれていてほっとする。二回目のほうが怖いっていうのは、ものすごく良くわかる。本当に、そうなんだよ。食事の場面が素敵で、ほろりときてしまった。おいしいものを食べるってすごく大事なことなんだな。命をもらって、食べる。生きていくってそういうことなんだなって。それと、賛美歌四百五十三番が懐かしすぎて涙腺を刺激。良かった。田村さんの主人公の何気ない会話も良かった。

  • 誰も私を知らない遠い場所へ 自殺志願の千鶴が辿り着いたのは山奥の民 宿。そこには、素敵な大自然と民宿の田村さんとの出会いで癒されながら、前向きに元気を取り戻されるお話。登場人物も少ないお話なのに何とも心穏やかな気持ちにさせられる。日々忙しく、気持ちが下降気味な時に読ませて頂くと、ほっこりさせられる!雄大な自然の力は、元気のパワーを頂けるのでしょうね。何だか旅したくなりました♪

  • 最初に読んだのは大学生の時。
    当時は、この2人くっついちゃえばいいのに、なんて思っていた。
    社会人になった今読み返してみて…そういうのじゃないんだなと。
    ちょっと歩き疲れて休んでいた自分の道を、また歩かなきゃと思うためのきっかけ。

  • くすりと笑える所もあったし、キャラクターも設定も面白い。

    ただ何かが足りない。
    その足りなさが魅力なのかも知れない。

    田村さんのお話を読んでみたいと思った。

  • 心が弱って、どうしようもなくなったときに読むと元気でるかも。
    生きていかれるんだよね、なんでも。
    自然とともに生きたいけどあたしも無理だなあ。使命がない。
    自分の心に蓋をしない。適度に開放しよう。
    田村さんの両親は自殺かなって思った。田村さんだって迷ってるんじゃないかな。一泊千円では生きていかれないよ。
    ちょっとずつ変わっていくでしょうね。
    身辺をコンパクトにするのはすっきりしていいなあ。

    • kuroayameさん
      初めまして♪。
      田村さんのご両親が自殺?という発想、私にはなかったので、レビューを拝見し納得しました(>・)/。
      最後田村さんと離れ離れ...
      初めまして♪。
      田村さんのご両親が自殺?という発想、私にはなかったので、レビューを拝見し納得しました(>・)/。
      最後田村さんと離れ離れになるところで涙がこぼれてしまいました♪。
      田村さんは本当に優しくて素敵な方でしたね(^-^)。
      2012/09/05
    • mojaeさん
      コメントありがとうございます。
      勝手な妄想すみません。
      あんなに橋に固執するのはもしや、、と深読みしてしまっただけですので(^^;)
      田村さ...
      コメントありがとうございます。
      勝手な妄想すみません。
      あんなに橋に固執するのはもしや、、と深読みしてしまっただけですので(^^;)
      田村さんは最後までよくわからないキャラクターでしたねえ。
      2012/09/09
  • 瀬尾さん作品3冊目を読了しました。

    はじまりの「自殺?」どうなるの!?

    って感じでしたが、やっぱりでてくる人が素直です。
    悩みをかかえ、現実もみてるけど、やっぱり素直。

    田村さん、タバコ8本吸うなんて、ちょっと考えたんだろうなぁ。

  • なんだか、すごく健全な気がした。

  • 仕事や日々の生活に疲れた女の子、千鶴。
    自殺を決意して北へと旅だった千鶴がたどり着いたのは、民宿たむら。
    美味しいご飯、ありあまるほどある自然。
    千鶴の人生の休暇。


    読み心地のいいお話でした。
    小林聡美さんの映画とかにありそうな…。
    田村さんが素敵でした。ちゃんと見てくれていて、でも押し付けがましくなくて、むさ苦しい格好をしている所も(笑)
    ご飯が美味しそうなんですよね、とにかく。
    千鶴はよくも悪くもイマドキの女の子で、人騒がせで図々しい奴だなぁなんて思うけど、でも、心が弱ってくると、少しのことでもひとり落ちこんでしまう、そういう心ってすごくよくわかる。
    千鶴がここままではだめだと気づいた時、こんなにステキな所のどこがだめなのさ!って思ったけれど、今はそうだよな、と思う。

    昔からここにいて、ここの生活しか知らない人。
    ここで守らなければならないものがある人。
    この場所に惚れ込んでしまった人。
    千鶴はどれでもない。
    自分の場所じゃないから、非日常だから、癒されているだけ。
    何か変わったようでいて、何も変わってないと思う。あれくらいで、ちょっとは根性ついた!なんて言ってるとこがこれまた図々しい(笑)
    いつか、千鶴もちゃんと自分の場所を見つけられるといいなぁと思います。
    でも、これからもちょくちょくここに来そうな感じはすごくしますが(笑)

  • 千鶴は生きることに疲れ果てていた。現実をかなぐり捨て最後の地として選んだ場所は
    ある北の田舎町の民宿「たむら」だった。2年ぶりに客を泊めたという廃れた宿で千鶴はとうとう決行した。
    しかし彼女は2日後目覚めてしまった。死ぬことに失敗した彼女は自分の人生の行方もつかめぬまま
    しばらく田舎町に滞在することにした。

    なんといおうか千鶴に反感を持つ気持ちと賛同する気持ちと半々だなーと読み終えて思う。
    前半は思いつめて死のうとする千鶴が彼にお別れメールを打ち、いざ自殺に失敗するとけろっとして
    何日間かメールを送ったことさえ忘れてしまっているノーテンキなところについていけなかった。
    でも人間、窮地に追い込まれた局面にはきっと本人さえも自覚していない色々な「自分の姿」が
    現われるものなのかもしれないと読み進めるにつれて思いはじめた。
    死ぬ時までパキっと一本筋の通った自分を貫く人なんてほんの一握りにすぎないのでは?
    ちょっと単純なような気がするがラストまで読んでみると
    死ぬほどの悩みがあっても何かのきっかけで解消されることもあるんだよ、もうちょっと生きてみたら?っていう
    さりげなく元気付けてくれる瀬尾さんのほんわり優しい世界観がこのお話には感じられる。

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著者プロフィール

1974年大阪府生まれ。大谷女子大学文学部国文学科卒業。2001年『卵の緒』で「坊っちゃん文学賞大賞」を受賞。翌年、単行本『卵の緒』で作家デビューする。05年『幸福な食卓』で「吉川英治文学新人賞」、08年『戸村飯店 青春100連発』で「坪田譲治文学賞」、19年『そして、バトンは渡された』で「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『あと少し、もう少し』『春、戻る』『傑作はまだ』『夜明けのすべて』『その扉をたたく音』『夏の体温』等がある。

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