冷蔵庫を抱きしめて

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 798
感想 : 147
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  • Amazon.co.jp ・本 (282ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104689064

感想・レビュー・書評

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  • 現代人の心の闇に焦点を当て、人間模様、苦悩などが書かれている短編集。DV、摂食障害、マスクが外せない醜形恐怖、SNS上で本来の自分とは別の自分を演じること、ゴミ屋敷、自分の心の声が外に筒抜けになってしまうことなど、皆心が病んでいるのだが、それと戦い、自分なりの答えを見出しながら生きているというのに共感する。シニカルさあり、ホラーあり、ほろっとするところ有りなど読みやすい作品。DV男の話から始まり、どよーんとなるが、何事にも負けないという前向きさを感じるラスト、摂食障害の妻を支えようと改心した夫に救われる。

  • 現代の悩める人たちを描いた短編集。

    ・ヒット・アンド・アウェイ
    ・冷蔵庫を抱きしめて
    ・アナザーフェイス
    ・顔も見たくないのに
    ・マスク
    ・カメレオンの地色
    ・それは言わない約束でしょう
    ・エンドロールは最後まで
    の8編収録。
    玉石混淆、良いく言えばバラエティに富んだ作品集になっています。
    また、テーマや展開も異なっているので、一括りの感想はできないですね。
    女性主人公物は男関係で悩んでそれぞれの病める症状に対峙しますが、ラストは概ね希望のある展開と思います。
    男主人公物は人間関係に悩んでそれぞれの病める症状に対峙しますが、ラストはいろいろです。
    特に「アナザーフェイス」はホラーチックな落ちとなっていて、他作品とは異色な作品のため、よけい短編集としてのまとまりが無いように感じます。
    荻原さんの短編はウィットのあるものが多かったと思いましたが、本作は笑うに笑えない感じが、荻原さんの長編のような感じでした。
    「ムリブワンジ(元気ですか?)」というアフリカの挨拶が最後の最後にいい感じでした。

  • いろんなシチュエーションの人を主人公にした短編集。
    DV男のストレスの捌け口としてボクシングを始めた人、心の声がきこえてしまうデパート店員、摂食障害でなやんでいる女、
    どれもおもしろかった。

  • 一つ一つがすべて不思議に少しずつ引っかかる。
    清々しい読後感ではない・・・

  • 軽い

  • 病んだ現代人を描いた短編集。
    オカルトチックなものもあったけど、どれも実際にありそうなところが怖いし、また共感できる。

  • ほわっとしたりぞくっとしたり
    切なくなったり楽しくなったり
    1冊でいろんな感情が楽しめる本。

    それは言わない約束でしょう、が好き。

  • ちょっと残念な人や病んでる人が出てくる短篇集。DV男の話の結末は良かった。

  • DV男ばかり好きになる女、片づけられない女、摂食障害の女ー特に女性が登場する短編はリアリティに溢れていて、面白さに一気読み。
    著者の他の作品のように、心に何かが残るわけではなかった点が-★なれど、重いテーマなのに、軽やかにシニカルに、ユーモア交えて描かれている秀作。

  • 8編、それぞれ現代における心の闇が題材である。
    おもしろく読んだけど、どれもドキッとしなかったのは
    この闇に私が重ならなかったからだろう。
    ただし、これ、自分じゃんって人はいそう。
    そんな短編集だった。

    ありがちだけど、「ヒット・アンド・アウェイ」のラストはスカッとした。
    DV男の対する話は最近よく読むけど、こんな解決がいい。

    最初はうんざりしたけど、だんだん面白くなってきたのは「カメレオンの地色」。

    「アナザーフェイス」はぞくっとした。

    「冷蔵庫を抱きしめて」の摂食障害のラストは温かかった。
    ただ、夫婦は所詮、他人なのだ。
    分かり合えるように努力して築いていくしかない。

    「顔も見たくないのに」では、コピーライター出身の作者のセンスが光っていて、くすっと笑った。

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著者プロフィール

1956年、埼玉県生まれ。成城大学経済学部卒業後、広告制作会社勤務を経て、フリーのコピーライターに。97年『オロロ畑でつかまえて』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2005年『明日の記憶』で山本周五郎賞。14年『二千七百の夏と冬』で山田風太郎賞。16年『海の見える理髪店』で直木賞。著作は多数。近著に『楽園の真下』『それでも空は青い』『海馬の尻尾』『ストロベリーライフ』『ギブ・ミー・ア・チャンス』『金魚姫』など。18年『人生がそんなにも美しいのなら』で漫画家デビュー。

「2022年 『ワンダーランド急行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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