誘拐逃避行: 少女沖縄「連れ去り」事件

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104690022

感想・レビュー・書評

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  • 自分はこの事件を記憶していないのですが、誰も救われてないなぁという印象。
    誘拐されたとする女児、その母親、祖父母とすべてがすべてお互いに保護や干渉をしない関係が、事件前から事件後までずーっと続いているんですよね。
    そして、誘拐したとされる側は本人や元妻が、結構すごい人生歩んでて、更に弟にまで迷惑をかけてしまっている。
    事件が解決した後でも、幸せになった人がだれもいないっていうのは、いろいろ残念ですね。
    女児がなんにも変わっていないというのが特になんとも言えないです。
    ただ、著者の感想部関連でところどころひっかかるのがあって、「家族は幸せでなければいけない」みたいな思想が見えてくるかなとは思いました。
    幸せじゃない逃げなきゃいけない家族は認めていないんじゃないかなと。
    著者は「セックスボランティア」の作者でもあるんですが、なんというか視野が狭いというか、視線が一点集中なのかなという印象です。
    事件だけじゃなく、著者の感想や取材姿勢も含めて、読後感はぐったりします。

著者プロフィール

河合 香織(かわい・かおり):1974年生まれ。ノンフィクション作家。2004年、障害者の性と愛の問題を取り上げた『セックスボランティア』が話題を呼ぶ。09年、『ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち』で小学館ノンフィクション大賞、19年に『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』で大宅壮一賞および新潮ドキュメント賞をW受賞。ほか著書に『分水嶺 ドキュメント コロナ対策専門家会議』『帰りたくない 少女沖縄連れ去り事件』(『誘拐逃避行――少女沖縄「連れ去り」事件』改題)、『絶望に効くブックカフェ』がある。

「2023年 『母は死ねない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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