ナンバーワン・コンストラクション

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著者 : 鹿島田真希
  • 新潮社 (2006年7月28日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104695034

ナンバーワン・コンストラクションの感想・レビュー・書評

  • アイロニカルな死生観を持つ者どうし不思議な同族意識を感じている教授と講師。建築分野への熱烈な興味がないことを正直に白状したうえで教授に師事する素直な青年。倒錯した関係で講師と深く結びつく少女。変転する4人の複雑なパワーバランス。
    年月が経てば古い屋敷が蔦に飲まれるように死と同化していく講師、そんな虚無的な思想の彼が愚かで純粋な青年に無意味さを教えるため引き合いに出す建築がディズニーランドというのははっとするほど綺麗。ありふれたカフェやいつもの手作りシチュー、料理がちっともおいしそうに見えないのも印象的。
    建築世界に自分にはとうてい信じられない永遠を見出し、それを語る教授。あらゆる部分で構造と世界と人間心理を結びつけて独特な雰囲気で書かれた小説なのだけれど、どうして終盤で主題の一部を説明っぽく語らせているんだろう。唐突に一部分の答えだけを開示された意図がわからず驚いてしまった。
    こんなに食べ物や食事をどうでもよさげに描きながら物語がカフェでの教授の一目惚れ(異様な量のマヨネーズやはちみつを入れてしまうウェイトレスが気になったから)に始まり同じく彼の恋で終わるのもうつくしい。一見荒唐無稽なのに、いつしか登場人物たちの理屈に丸め込まれていくのが楽しい小説。

  • 読みやすいのが唯一の誉めどころ。
    もー何が面白いのかサッパリわからない。

  • 教授、小説家志望の院生、教授が片想いする少女、暴力的な少女の婚約者を通じて、愛とは、生とはを描いた物語。

    自らの思想への陶酔、暴力的な愛情表現を扱うのはこの作者の十八番なのかなと。
    登場人物をアルファベット、あるいは「女」などの抽象表現だけで表現するところは特徴的。

  • MとSって実は狙ってるのかな・・・。

    永遠の愛、不老不死。人は永続するものに憧れる。だが永遠とは円環であり繰返しを意味する。それならば永遠の中では大切なことも重要でなくなり私たちは繰り返しの永遠の中で生きていかなければならない。その矛盾した憧憬から脱却するために私たちはどう生きるべきなのか考えさせられた。

  • 人と人との「永遠の愛」と「赦し」について、宗教染みた内容を建築に喩えて描いているのは斬新だし新鮮。そして、最後に辿り着くのはとてもシンプルな理論。だけれど、最後までイマイチ入り込めなかった。

  • 「レギオンの花嫁」より読みやすかった。
    みなさんのレビューにも書いてありますが、愛の形と赦しについての話です。
    決められた「愛」の形が「幸福」なのか、解らない。
    これもレビューで触れられていたことですが「ピカルディーの三度」とは、クラシック音楽用語で短調の曲が、最後の音でいきなり長調になって終わる、というものです。宗教音楽とか、バロック・古典派に多いかな。
    このピカルディーの三度は一種の赦し(神の目線から、なのかもしれませんが)に思えて、割と好きです。余談ですが。
    「ピカルディーの三度」読んでみたいと思います。

  • なんとなく「ピカルディーの三度」みたいなドロドロ同性愛ものだと思っていたら、全然そんなこと無かった。
    今回は「赦し」が大きなテーマとなっている。
    最後にどかんとテーマを説明していて、観念的な作品だけれど割とわかりやすい。
    傲慢に見える講師が実は自己卑下だったり、暴力を甘んじて受け入れることが聖なる行為になるなど、くるりと物事を裏返すのは『ゼロの王国』に通じるかな。

  • ラストの急に明快というか、赦しのあたりからとってもすっきりな解説。それでもって「建築するんだ!」からの超前向き爽やかなラストはどうしたの。びっくり。元気になっちゃったけど。

    今作はあからさまにキリスト教的なキーワードを(あまり?)出さず、愛の形と赦しについて。
    建築の教授というのが意外か?
    あぁでも、M青年(だっけか)を主人公=キリストとおいたらその父(ヨセフさんのほう)=S教授は大工か。
    しかししかしマリア的なのは「少女」(N講師の婚約者)だよねえ・・・うーん、考え直します。

  • 外国文学や翻訳のようなもって回った言い回しが独特。

  • 昔読んで、2回目。

    やっぱりよく分からない(´-ω-`)
    自分の捉え方とは違う世界観。

  • お初。他の作品も読みます!

  •  米粒のような歯 と書かれていたのに、ギョッとする。

  • 考えことをする感情や脳みその動きと別の、何かの体系と、人の感情を同時に文章を動かして、どちらのほうもを伝ってその間のものを読み込んでいくというのが面白い。今回はその体系が建築で、感情のやりとりが建築と別々にある様子に無機質な白い部屋を連想した(表紙のせいもある) 人の感情と建築はそんなに沿うものでもなくて、どうしてもはみ出る感情を切り捨てて建築の枠組みに押し込めてしまった風を感じさせるし、そこが単純なやり取りの応酬っていうこの本のつまらなさ、動きのなさにつながっているとおもうけど、私はそれが冒険してる!とおもいわくわくしてよんだ ここまで読んでて深読みだったら恥ずかしいけど 最後にドキュメントの終わりように俯瞰での今回のやりとりがどういうことだったか、という説明があるのが面白くないと思う

  • 言ってしまえば意味不明。登場人物が皆、暗黙の了解のうちに行動してるように見えます。その了解事項が読んでる方は分からない。それなのにところどころで無条件に受け入れられるものがあったり、一気に読み進めていたり・・・。なんでこんなに引き込まれるのか、不思議な感覚です。大聖堂の配置に見る「直線の永遠性」やとりあえずやってみればいいという「無根拠」、そして教授や講師の講釈から影響を受けて一喜一憂する青年の純粋さ、幼さ。そのあたりは感覚として理解できるし、面白かったです。一番の衝撃は著者の年齢。この年でこの作品を書くの!?と空恐ろしくなりました。

  • 新聞の書評にて夫が借りてたのを読んでみた。なんかすごく哲学的というか宗教的です。建築の話は面白い。

  • 帯に惹かれつつも、なんとか読み切ったかなって感じです。
    宗教的な感じがしたのは私だけ?

  • オサレラブストーリーを期待して買うと裏切られる(俺のこと)。しかし、良い意味で。ラスト1/3から一気に加速。築く&気付く。人生は素晴らしいものとは言い切れないけど、だからって死ぬ必要もない。

  •  S教授とN講師、M青年、少女の男女4人を中心とした恋愛をめぐる心理劇みたいな物語。固有名詞を使わず記号化した名前を用いるところなど、雰囲気が初期の倉橋由美子を思わせる。 そして!確かにBLっぽいよ!S教授とN講師の間で揺れ動くM青年の三角関係…として楽しんでしまいました(笑)。 (2006.8.29読了)

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ナンバーワン・コンストラクションの作品紹介

建築史家の若手教授、彼に弟子入りする小説家志望の青年、教授が片思いの愛を捧げる少女、少女を残酷に支配する婚約者の美青年。現代の都市の話題の建築を舞台に、交わされる、永遠、生と死、愛、芸術を巡る会話。男と女、男と男、意表をつく展開を遂げる恋愛関係。人間が生きるための空間、建築、その新たな可能性を探し、現代の絶望に立ち向かう、若き新鋭の画期的長編。

ナンバーワン・コンストラクションはこんな本です

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