少女のための秘密の聖書

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104695058

感想・レビュー・書評

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  • 世の中には正しいものと正しくないものがある。
    それが本当に正しいのかは曖昧で、
    偽物の正しいも溢れていて、
    だから人は間違える。
    何も考えずに神様を盲目的に信じることができると幸せかもしれないけれど、白い靴下を履いて黒い心をもった神様もいる。
    だから考えずに信じることは怖い。
    本当の物語は易しいだけじゃなくて抉って傷つけて心を揺さぶってくる。
    だから救いにもなる。

  • 忘れてはならないので書いておきます。頭と常識を、ある意味でぶん殴られる本だったことを。

  • 旧約聖書に出てくる神の身勝手さに腹が立った。

  • 近所のお兄さんの家に家賃を取りに行って、お菓子を食べながら聖書の話を聞いた子どもたち。わたしと、黒い靴下の少年。

    血のつながらのないお父さんはわたしの二の腕を触りたがるし、
    お母さんは少女のままでいやらしい目でわたしを見て接してくる。
    黒い靴下の少年は殺してやると言って、わたしを間違ったものから守ってくれる。

    万物の誕生からモーセ、預言者ダニエル、聖書を通じて現実の物事と向き合っていく正直者たち。

    モーセのところが難しかった。
    とてもわかりやすく、そして難しい。
    正しいこと間違っていることを見極める力を身に付ける大切さ。
    性的だけど、中学高校で読むといいかも)^o^(

  • 旧約聖書か~と思って読むとはじめから卑猥な風景が、どちらが主題か判らないですが、面白かったです。でも聖書は謎だらけですよね。エジプト脱出のあとアモンは武器持って戦ってるし、ヘブライ人は、神に見いだされたから正しいみたいな自己肯定は納得できない。

  • 面白い角度で旧約聖書のことが書かれていて楽しめました。
    旧約は大学時代に勉強していたのでなんとなく斜め読みで、少女少年お兄さんの物語だけしっかり読みました。
    旧約聖書って何言ってんのかよく分からなかったりするけど、聖書についてお兄さんから聞いた後に少女たちが色々と話してるのを見てると「あぁ、なるほど」ってなんとなく、ぼんやりとでも旧約聖書について掴めるので良かった。
    タイトル買いした本だったけどすごく当たりでした。

  • 余計な装飾のない言葉が惹きつけられる一因かなぁ。読んでいてスカッとするというか。

  • 近所のパンツ泥棒と噂されるお兄さんが(主に)聞かせてくれる旧約聖書の話と、ちょっと生々しい現実に置かれた主人公の少女の話が代わる代わる出てくる。

    旧約聖書の人々や神様の話って、よくある教訓めいた話と違って、なんだかすっきりしない。まるで、少女の置かれたねちねち、ぬるぬるした現実世界みたい。そんな風に、言葉に表しきれない何かを読みながら感じていたのだけど、物語の最後で少女がまとめてくれました。

    旧約聖書は本当の物語なんだ。
    旧約の物語には、その「はっきり」がありません。物語に出会うたびに、ただ、ぞくぞく、ぬるぬるした気持ちになるのです。
    でも、それはわたしが生きている世界にとても似ています。お母さんとお父さん、少年とお兄さん。気持ち悪いこと、気分いいこと、哀しいこと、嬉しいこと。そういうことは、全て、ぞくぞく、であり、ぬるぬる、でした。

  • 4月15日読了。

著者プロフィール

1976年生まれ。1999年、「二匹」で第35回文藝賞を受賞しデビュー。2004年、『白バラ四姉妹殺人事件』で第17回三島由紀夫賞候補、2005年『六〇〇〇度の愛』で三島由紀夫賞受賞。2006年「ナンバーワン・コンストラクション」で第135回芥川賞候補。2007年『ピカルディーの三度』で野間文芸新人賞受賞。2009年「女の庭」で第140回芥川賞候補、『ゼロの王国』で第5回絲山賞を受賞。2010年『その暁のぬるさ』で第143回芥川賞候補。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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