終電車ならとっくに行ってしまった

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  • 新潮社 (2010年11月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104704026

終電車ならとっくに行ってしまったの感想・レビュー・書評

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  • イラストレーターのエッセイとマンガ。マカ不思議な味わいがある。


    子どもの頃、教室で授業は上の空のままボンヤリ考え事をしていた。
    そんな子どもが大人になって書くエッセイみたいな。
    冒頭の
    古い流行歌を聴いて、自分の記憶と勘違いしてしまうというエピソードで私は持って行かれました。
    あるある。そういうこと。

    ただ、
    共感だけかというと、そうではなくて、想像力のはばたきっぷりがハンパないです。
    プロだなってうならされたり、感嘆させられたり、とにかく面白かった。
    知らない世界を見た気分になれた。


    我が家の限られた本棚スペースを割いて飾った本。(一軍あつかい)

  • 不思議なエッセイ。
    エッセイのテーマになんとなくリンクしている漫画が差し込まれている。
    文章はふっと笑ってしまうが、漫画はぞくっとする感じ。

    静かな夜に読みたい本。

  • 2pほどのエッセイと同じ題材で描かれたマンガ集。
    日常の何気ないことでも読みやすく面白く書けるのってすごいなぁ 猫との会話が出てくるエッセイが好き。
    漫画のほうはブラック要素がちょっと入ってる感じ。戦争の漫画が印象的。

  • 大好きな穂村弘の日記(?)『にょっ記』シリーズのイラストを描いた方が、書いたエッセイ(?)
    現実と夢と妄想が混じり合い、もやもやとした不安や不可思議を孕んだ文章は穂村弘を彷彿とさせる。

    4ページの文章と見開き2ページのマンガ。
    文章の始まりと終わりの間で、どこかがきっと捻じれている。
    そんなすわりの悪さが心地いい。

    星新一のショートショート「おーい、でてこーい」を思い出した。
    地面に開いた穴。深くて底が見えない。
    「何かいるのか?おーい、出てこーい』
    呼びかけても反応は何もない。そこで…。
    という話なんだけど、フジモトマサルの世界はまさにそれ。

    井戸の中だったり、夜空にある月だったり、床下だったり。
    現実と異界の間はきわめて些細なもので仕切られている。
    現実と異界の間を簡単に行き来しているうちに、気がつくと戻ってこられなくなってしまうのではないか。
    そんな不安を感じながら出版年を確認したら、まだ白血病を発症する前の作品だった。
    また深読みをしてしまった…。
    最後の作品、遺書みたいだと思ったんだもの。

    “しかし「本当にあったことかどうか」「客観的事実かどうか」はじつはそれほど意味がないのではないだろうか。どれほど心が動いたか、によって人間は作られていくからである。”

    文章とマンガの配置の仕方。
    活字のような字体の文字。(特にひらがな!)
    人間でありながら見た目がミツユビナマケモノの主人公。(普通の人間並みの速さで動くけれど)
    こだわりの一杯詰まった本は、ただ眺めているだけでも楽しい。

  •  森見登美彦氏の「聖なる怠け者の冒険」の挿絵で知ったフジモトマサル氏。アルパカ“似”の「5代目」を、アルパカ“そのもの”に描いてしまうその感性に惹かれないわけがなかった。挿絵集も買い、これからも楽しみだなあと思った矢先の訃報。お若かったのに。合掌。。
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    Q.フジモトさんはどうして擬人化した動物の絵をよくお描きになるんですか?
    A.子供のころ読んだ絵本の中では、動物たちが喋ったり人間と同じような生活をする物語が、ごく自然なことでした。大人になって現実はそうではないと気づきましたが、まだその現実に対応しきれていません。(出典:フジモトマサルの仕事)
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     という理由なのか、この本に出てくる自画像はカワウソ(?)だ。エッセイもたまらない。なんとなく感じたことのある不思議な感覚を的確な言葉で表している。『鳥の声質問サービス』、「思い出し⚪︎⚪︎(羞恥、怒り、推敲)」、その発想全てが愛おしい。ちょっとほむらさんに似てる。

  • "「ルールを守ったからって
    安全とは限らない。その逆もまたしかりだ。」"[p.75_遵法精神]

    最後の締めの漫画がいいなぁ。

  • フジモトマサルさんの著書を調べていて
    どうしても読みたいなと思っていた画文集
    でも、絶版となっていて密林の中古で5000円弱が最安値
    図書館で検索してみたら、3人待ち位で借りれました
    期待通りの不思議世界の暖かさに包まれ
    いつか、古本屋さんで見つけたら即買いだなと決心

  • 「思考する時だけ、人は孤独になれるのよ。その孤独の美しさこそ、人に与えられた唯一の救いなの」

    みたいなこと、真賀田博士、仰ってなかったですかね…(妄想過多)。

    本作を読んでる時に終始感じたのが、「思考する時だけ人間は限界を超えられるのかもな」ってことだったんですよね…。

    エッセイと漫画が交互に掲載された本作は、「この世」と「あの世」という境界の付け方は少し腑に落ちない、「私が存在しているこちら側」と、「薄い床板一枚下に広がるあちら側」が描かれています。

    夢と現実と想像の世界。
    冷静に現実世界を見据えながらも、ふとした拍子で、月夜の暗がりに、倒れた瓶の中に、軋む床板の下に、無限に広がる世界を夢想する、ピュアなおじさまのエッセイです。

    一貫して薄暗い雰囲気だから夜に読むといいかなと思ったけど、夢見悪くなりそうだからオススメしません(笑)。

  • この人の日記のようなエッセイのような小説のような文章が大好きだ。もうサイトの日記も更新されないのかと思うと寂しい。

  • なんどか穴に落ちる。
    落ちて見上げる空ってどんなだろ。
    いや、空もないところかもしれない。

    と内容とは逸れて想像が…記憶が…

    てなカンジで触発された次第でした。

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フジモト・マサルの作品

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終電車ならとっくに行ってしまったの作品紹介

あの時、ああ言えばよかったと「思い出し推敲」し、「思い出し怒り」に駆られても、同じ状況はなかなか訪れない。記憶の波が、時おり押し寄せ、溺れそうになる…。脳内に散らばるよしなしごとを検索探訪し、ペンと画筆で描く、初の試み。

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