さまよえる古道具屋の物語

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著者 : 柴田よしき
  • 新潮社 (2016年12月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104711055

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さまよえる古道具屋の物語の感想・レビュー・書評

  • あるとき突然、目の前に現れる雑貨屋。
    そこの店主は性別不明で、どこか「忍者ハットリくん」に似ていて…。
    商品は、文字と絵がさかさまの絵本、コインの投入口がない豚の貯金箱、
    持ち手のないバケツなど、使い道に困るようなものばかり。
    買うつもりもないのに、なぜか買わされてしまい───


    柴田よしきさんは、大好きな作家さんで全作読んでいます。
    内容は、まさにこの表紙そのものといった世界でした。
    登場人物が多くて、相関図をせっせと書き、
    一回読んだだけでは整理しきれなくて、もう一度読み返しました。

    そして、最後に明らかになった店主の正体に、ホロリ。
    お母さんのことが心配で、守ってあげたくて、
    この世界にとどまったままでいる、小さな優しい魂……

    生まれてこなければ良かった存在なんて一つもない。
    この世に生まれて来たこと、それこそが大切なこと。
    人としての時間が終わっても、魂は永遠を手に入れる。
    そんな切ないファンタジー。

    ポケットの中には、ビスケットがひとつ~♪
    久しぶりに歌いました。

  • 怪しげな古道具屋をめぐる、非日常的な話。
    不思議系の軽い連作短編集と思いきや、終盤は一気に加速して全体を貫く大きな筋が見えてくる。

    京都在住の作者ならではの、阪神淡路大震災をテーマにした第2話は、ページ数も多くリアル感に圧倒される。が、その分バランスはかなり悪くなってしまった。
    論理的な種明かしを綿密に描いているので、1話それぞれは軽いほうがよく、逆に1話の重みを重視するならつながりはあっさりのほうが、一貫性が出るのでは。おもしろいのだけれど、ちぐはぐして読みにくさが残った。
    読後、表紙の絵には深い意味があるのだとわかった。

  • 短編6話。で、全部で一つのストーリーになっています。

    小説家志望で生活に窮している青年がつい買ってしまったのは、変わった絵本。

    京都に引っ越したOLが手にしたのは、役に立たない金色のぶたの貯金箱。

    底のないポケットでは、田舎へ引っ込んだ編集者の元へ作家が訪れ、不思議なエプロンの話をします。

    持てないバケツ、集合、幸福への旅立ちと続きます。

    中盤からややダラダラした感じに感じたのが少々残念でしたが、前半はおもしろかったです。
    全体では、ちょっと哀しいお話でしたが、さわやかな終わりです。

  • 迷っているときに突然現れる古道具屋。さかさまの絵本、コインの投入口がない金色の豚の貯金箱など、買うつもりのなかったものを買わされてしまう。そしてそれらのものは、買った人々の人生に大きく影響を及ぼす。別々の時に別々の場所で買ってしまった人々が一同に介したとき、謎が・・・
    ミステリー、ファンタジーやホラーの要素もあり、不思議な感じ。人々の心の奥にある想いや欲求などを、それぞれが買ったものを通して描く。金色の豚の貯金箱の話とどう繋がるかと思っていたが、ちょっと強引かなと。
    ところで、宝くじは・・・

  • +++
    やがて買い主は、店主が選んだ品物に、人生を支配されていく――。その店は、人生の岐路に立った時に現れる。さかさまの絵本、底のないポケットがついたエプロン、持てないバケツ……。古道具屋は、役に立たない物ばかりを、時間も空間も超えて客に売りつけ、翻弄する。不可思議な店主の望みとは何なのか。未来は拓かれるのか? 買い主達がその店に集結する時、裁きは下され、約束が産まれる。
    +++

    その人が必要とするときにだけ忽然と現れ、自分の意志とは無関係にある品物を買うように仕向けられる、年齢性別不詳の店主がいる不思議な古道具屋が物語の核である。品物を買った人たちは、腑に落ちないながらも手放すことはせず、何らかの形で自分の人生の一要素にしていく。ある時はしあわせのお守りであり、またある時は不幸に陥れる呪いが宿るものともなる。それらの品物に宿る思いと、買い手たちの抱える懊悩が互いに引き寄せあって、それぞれの人生を翻弄する。言霊があるように、人のあまりにもつよすぎる思念は、思いもよらない作用を及ぼすことがあるのかもしれないと、ふと考えてしまう一冊である。

  • 街角に、忽然と現れる奇妙な古道具屋。忍者ハットリくんのような年齢不詳で性別も定かではない店主が商いをしており、引き込まれた客によくわからないものを売りつける・・・。
    バブルに沸く世間と離れた場所で小説家を目指してアルバイトを続ける青年、悔いを抱えながら借金を返済し続けている女、さまざまな人物が古道具屋と関わっては人生の転換を迎える。
    まったくばらばらだった話が最後に収束していくのだけれど、そのまとめかたがけっこう強引な感じがして、なんだか腑に落ちない気分だった。

  • 迷いや悩み、傷や後悔というネガティブなものを抱える人々の前に突如現れる古道具屋。そこで奇妙な店主から奇妙な物を押し売り的に売られたことから、ドラマが動き出す。
    うーん、思っていた内容とどんどん違っていき、微妙な展開に。
    柴田さんらしいとも言えるかも知れないが、いろんな、普通じゃない男女関係、恋愛関係もたっぷりと織り込んでいるのも途中から厭きてきた。
    ほのぼのなのか、ハラハラなのか、なんとも言えない読後感。

  • はは~ん、自分の目の前に突然この古道具屋が現れたら何を売ってくれるんやら。ここに登場する品の中では「文字と逆さまに印刷された絵本」ってのに惹かれる。物語の内容は紹介されていないけど、向かい合って幼児に読み聞かせるときに便利って、ほのぼのといいアイデアだ。こういう古道具屋ってあるようでないなぁ。リサイクルショップとは違うし、古美術や骨董品の店の雰囲気だけど、もっとガラクタが多いようだし。ま、やっぱり骨董品店か。扱う品が垢抜けていればアンティークショップなんて言うのかも。最後、秀がイタコよろしく、てきぱきと解決しちゃった。ところでみずきさん、あなた店主から受け取った宝くじ、あれどうだったのさ?

  • SFというかファンタジーというか。
    奇妙な古道具屋で買う気もなかったのに物を買ってしまった人々が、その品物を中心として人生の転機を迎える話。
    中心にして。
    その品物のせいなのかといえば、そうとも言えるし言えない。
    そしてそのおかしなものを買った人々は、それに執着したり忌避したり、あるいは古道具屋の正体を暴こうとしたり。
    作中には時間の流れがあります。
    阪神淡路大震災、東日本大地震、携帯電話、スマートフォン。
    そして、話の全てが集約しているシーン、あれ、本当にその刻なのかなって思ったりも。
    面白かったです。

  • さかさまの絵本、底のないポケット、持てないバケツ。
    その古道具屋は、人生の岐路に立った時に現れ、
    飼い主は品物に人生を支配されていく。

  • やがて買い主は、店主が選んだ品物に、人生を支配されていく――。その店は、人生の岐路に立った時に現れる。さかさまの絵本、底のないポケットがついたエプロン、持てないバケツ……。古道具屋は、役に立たない物ばかりを、時間も空間も超えて客に売りつけ、翻弄する。不可思議な店主の望みとは何なのか。未来は拓かれるのか? 買い主達がその店に集結する時、裁きは下され、約束が産まれる。

  • 不思議な店主のいる古道具屋で買い物をした後に不思議なことが起こる短編集。それぞれの短編が繋がっており、大きな物語になるところもよい。不気味だけど日常を丁寧に描いていて読むのをやめられなくなった。

  • 著者、初読みでした。
    おもしろくないなんてことは無いのだけど、むしろテーマ的には好きなほうなはずなんだけど、なんだかスッキリしなかったなあ。相性の良くない作品だったかな。別作品も読んでみようっと。

  • 「古道具屋」の響きに惹かれて買った一冊。
    ですが、ちょっといまいちでした(ごめんなさい)

    一つひとつのアイデアはよかったです。
    貯金箱に穴がない理由とか、絵本に挿絵をさかさまに印刷したわけとか。古道具屋ができた理由もしみじみするものだし。
    ただ、それらをまとめ上げるのが強引だったように思います。作者もきっと苦労したんだろうなあというのがなんとなく感じられてしまった。

  • 小説か、ファンタジーか?
    ブラック・ファンタジーという分野があれば、そこにあたるかもしれない。

    「笑ゥせぇるすまん」のような、不思議な古道具屋さん。
    そのお店は、その店の商品が必要な人の前にしか現れない。
    そして、そのお店で買った商品によって展開していく物語がいくつか。
    その古道具屋で買った商品は、その人にとってなんだか必要なものではある。しかし....

    そして、最後にみんなの物語が一つにあつまり、話は静かな解決に導かれる。
    読後感は悪くないです。

  • う〜ん…
    なんだかちょっと…

  • 古道具屋に迷い込み、必要と思われない不思議な物を買わされる。
    それにより、幸せと思ったり、不幸せと思ったり。
    お話が凝っていて中々に面白かった。
    物は物で、幸せなのか不幸せなのかはその人次第。
    だけどちょっとした心の闇に取り憑かれる事もある。

  • 恐らく 初めて柴田さんの作品を読みました。

  • いつのまにか現れる古道具屋が導く物語。

    連作。
    どうなるのかなーと思ったんだけど地味にファンタジーだった。
    そうだった…こういう方向によく行くんだった…

  • ふと気づくと存在し忽然と消えてしまう不思議な古道具屋。登場人物たちはこの店で妙な買い物をすることになる。買ったものの意味は?買った人たちの運命は?不思議な古道具屋の話に終わらせず,最後に切ない物語に仕上げるところはさすがこの作家さん。ストーリーテラーの面目躍如だ。

  • この町で暮らして2年、歩きなれた道だったのにその古道具屋の存在に気づかなかった。1989年、大学を中退して深夜の弁当工場でバイトし小説を書いていた秀は忍者ハットリ君のような店主に「あなたに必要なもの」と言われて買ったのは絵が逆さまな絵本だったー

    ◆うわ-すごいこれ!女詐欺師にとられた借金を返してる香奈が手にした穴のない金色貯金豚、作家の仙崎はポケットに穴あいたエプロン、編集者串田の妻は取っ手のないバケツ、本の作者かとたずねられた工藤真沙美と息子、義母…悪意に満ちた店かと思ったらまさかの展開に鳥肌!

  • 思ってたのと違った。

  • ある日突然目に入った古道具屋。
    誘われるように入っていくと
    欲しくもないガラクタとしか思えないものを買う羽目に。

    最初はちょっと不思議な掌編集かと思わせて
    実は壮大に繋がっていく。
    時代と人物が絡み合って
    相関図がほしいくらい。

    改めて最初から読み返すと
    また違った景色が見えてきそう。

    【図書館・初読・3月2日読了】

  • 突如としてさまざまな場所に現れる古道具屋と、そこの品物に魅入られた人たちを描くミステリというかファンタジーというか。序盤と中盤、そして終盤にかけての読み心地がまったく違った雰囲気なのが、気持ち悪くも魅力的です。そうかあ、そういう物語だったのね。
    最初はほっこり系の物語だと思ったのに、途中からどんどん怖くなってきます。となるとユーモラスに思えていた「忍者ハットリ君そっくりの店主」の存在も、とんでもなく不気味に思えてきて。そしてラストには……いや、これ以上は言えません。
    古い道具には人の想いが詰まっている、といえば情緒あふれる印象だけれど。一方でたかが「物」に囚われてしまう怖さがあるのも事実です。もしこんな古道具屋を見つけてしまったら……果たして必要なものが見つけられるのでしょうか。

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さまよえる古道具屋の物語の作品紹介

やがて買い主は、店主が選んだ品物に、人生を支配されていく――。その店は、人生の岐路に立った時に現れる。さかさまの絵本、底のないポケットがついたエプロン、持てないバケツ……。古道具屋は、役に立たない物ばかりを、時間も空間も超えて客に売りつけ、翻弄する。不可思議な店主の望みとは何なのか。未来は拓かれるのか? 買い主達がその店に集結する時、裁きは下され、約束が産まれる。

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