真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-B
- 新潮社 (2004年10月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784104716029
作品紹介・あらすじ
「砂漠で毛布を売らないか」IT企業の社長・野毛さんに誘われるまま会社を移った僕は、バイトと二人きりの職場で新しく働き始める。仕事は、客入りの悪い飲食店を生まれ変わらせること。単なる偶然か実力か、僕の仕事はすぐに軌道に乗り、業界では隠れた有名人となる。ある日、本当に久しぶりに尾崎さんから電話が入った。もう二度と会うまいと決めていたのに-。再会した尾崎さんは、「頼みがあるんだ」と、信じられない話を切りだした。
感想・レビュー・書評
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side-Aと2つのセットストーリー。
双子のゆかりとかすみがスペインに旅行中、列車事故に巻き込まれ、1人は死亡、1人は生き残った。
彼女はゆかりとして恋人の元に帰ったが、彼女は本当にゆかりなのか?
かすみの恋人「僕」とゆかりの恋人尾崎は戸惑う。
side-Aより先に読んだから内容が分からない部分もちらほら…。
後味の良い本だったから、side-Aもぜひ読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
side-B に入って一気に面白くなった。結末はある意味僕が望んだ流れになってよかった。最後の5ページはほんとにドキドキして胸が苦しくなった。なんて切ない、なんて不思議な感覚にさせてくれる物語なんだ。人が人を愛するとき、それは何を見て、何を感じて、愛するのか。そして、何を本当に愛してるのか。そんなことを見つめる機会を与えてくれる物語だった。
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最初の恋人の水穂との死別。別れ。
5分遅らせた時計を使って生活する主人公の僕。
別れを見つめ直さずに、宙に漂ってる現実味のない意識の生活から、別れを受け入れるまでの青年期の青春のようなものを感じる作品。
死別を見つめ直すことができないからか、世界とズレた時間で現実味のない、ふわふわした状態を感じる。
ふわふわした状態のまま、出会ったかすみもまた、一卵性双生児特有なのか、自分をうまく認識できないふわふわした状態。
人生も、恋愛も、それまでに起きた事を消化し切らないまま進む現実。
どこかで、向き合って、割り切って進まないといけないと言うメッセージと言うか、そんなものを感じた。 -
三浦春馬さんの映画がよかったので、読んだ。
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読み易かったけれど、side-Aをあまり思い出せなかった。終盤の展開が印象的だった。