真夜中の五分前five minutes to tomorrow side-B

著者 :
  • 新潮社
3.29
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本棚登録 : 1210
感想 : 190
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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104716029

作品紹介・あらすじ

「砂漠で毛布を売らないか」IT企業の社長・野毛さんに誘われるまま会社を移った僕は、バイトと二人きりの職場で新しく働き始める。仕事は、客入りの悪い飲食店を生まれ変わらせること。単なる偶然か実力か、僕の仕事はすぐに軌道に乗り、業界では隠れた有名人となる。ある日、本当に久しぶりに尾崎さんから電話が入った。もう二度と会うまいと決めていたのに-。再会した尾崎さんは、「頼みがあるんだ」と、信じられない話を切りだした。

感想・レビュー・書評

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  • side-Aと2つのセットストーリー。
    双子のゆかりとかすみがスペインに旅行中、列車事故に巻き込まれ、1人は死亡、1人は生き残った。
    彼女はゆかりとして恋人の元に帰ったが、彼女は本当にゆかりなのか?
    かすみの恋人「僕」とゆかりの恋人尾崎は戸惑う。
    side-Aより先に読んだから内容が分からない部分もちらほら…。
    後味の良い本だったから、side-Aもぜひ読んでみたい。

  • side-Bで、いきなり2人の未来が閉ざされていたことを知りショックを受けました。

    野毛さんの元で始めた仕事が上手くいった主人公。
    砂漠で毛布を売ることが出来る男と見込まれた彼は、やっぱり出来るヤツなのですね。

    残った彼女はかすみなのか、ゆかりなのか。
    双子ならではの謎ですが、もし事実なら本人も苦しいだろうなと思いました。

    尾崎さんも彼女も新たな道に進んだ様子。
    主人公の彼は、一日の5分間だけかすみと水穂を思うんだそうです。

    村上春樹っぽいなと思っていたら、村上チルドレンと呼ばれているんですね。初めて知りました。

  • ふむ

  • side-B に入って一気に面白くなった。結末はある意味僕が望んだ流れになってよかった。最後の5ページはほんとにドキドキして胸が苦しくなった。なんて切ない、なんて不思議な感覚にさせてくれる物語なんだ。人が人を愛するとき、それは何を見て、何を感じて、愛するのか。そして、何を本当に愛してるのか。そんなことを見つめる機会を与えてくれる物語だった。

  • 最初の恋人の水穂との死別。別れ。
    5分遅らせた時計を使って生活する主人公の僕。
    別れを見つめ直さずに、宙に漂ってる現実味のない意識の生活から、別れを受け入れるまでの青年期の青春のようなものを感じる作品。

    死別を見つめ直すことができないからか、世界とズレた時間で現実味のない、ふわふわした状態を感じる。
    ふわふわした状態のまま、出会ったかすみもまた、一卵性双生児特有なのか、自分をうまく認識できないふわふわした状態。

    人生も、恋愛も、それまでに起きた事を消化し切らないまま進む現実。

    どこかで、向き合って、割り切って進まないといけないと言うメッセージと言うか、そんなものを感じた。

  • 三浦春馬さんの映画がよかったので、読んだ。

  • 事故でかすみは死んだ。生き残ったのはゆかりだった。…ほんとうに?
    双子のアイデンティティと愛について。
    愛って何なんだろう。という思いが加速した。
    難しいね。

    僕らの人生には偶然も必然もない。ただそうあるだけ。

  • 読み易かったけれど、side-Aをあまり思い出せなかった。終盤の展開が印象的だった。

  • side-Bを読み始めて早々にショックを受ける。かすみ死んだんかい!と。愛とはなにか、僕ってなんなのか。やっぱりね、このテのお話は苦手だなあと実感した。何だかこういう、読み手によって受け取り方や感じ方が違うとか、生きるとは・死ぬこととは・人生とはみたいなすごくもやっとしたところを題材にしているお話って難しいと思う。全く同じ考えの人なんていないわけだし。ちょっとは理解できるけど、この僕の考えていること全部は理解できない。とても淡々としていて、さくっと読めるけど、ええと…結局何が言いたかったんでしょうか?と愚問を投げかけてしまいながら、読了。

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著者プロフィール

1971年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。1994年「眠りの海」で小説推理新人賞を受賞。‘99年、『MISSING』で単行本デビュー、「このミステリーがすごい! 2000年版」でトップ10入りするなど高く評価され、脚光を浴びる。以後、恋愛、青春小説を超えた新しい静謐なエンターテインメント作品を上梓、常に読者の圧倒的支持を得ている。その他の作品に『正義のミカタ』『MOMENT』『WILL』『魔術師の視線』『君の隣に』など。『dele』では原案と脚本を担当し、山田孝之と菅田将暉主演でドラマ化された。

「2021年 『チェーン・ポイズン <新装版>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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