そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所

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著者 : 松浦寿輝
  • 新潮社 (2004年11月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104717019

そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所の感想・レビュー・書評

  • 最初の一本だけでなら★5つ。モーリッツの銅版画。ラストの老婆の台詞で物凄い衝撃を受けました。これは傑作だと思う。「あなたのお好きなモーリッツの世界ね。わたしはあれがそろそろ現実になりはじめているような気がする」これはエッセイだと聞いたけれど、他の作品に比べてリアリティが段違い。モーリッツの画を見ていたらもっと楽しめたでしょう。他によかったのはプールサイドで、ゆうすず。逢瀬、もわりかし面白いと思います。他は正直あまり好みではないというか、変に間延びしているような印象をうけました。読み終わるのに凄く時間がかかってしまい、三章、四章は特に辛かったです。後で読んだからかもしれないけれど。とくに最後、タイトルになっている「そこでゆっくりと死んでいきたい気持ちをそそる場所」は詩自体が良いと思えず作品全体が霞んでしまった気がしました。詩がなかったら成り立たない話なのですが、主人公が態々出掛けていくほどの引力がそこにあるとは思えなかったのです。登場人物に感情移入できないとやはり私には辛いかな。

  • 死がまとわりつくような短編集。独り身の男にまつわる物語が殆どになっている。小口は真っ黒で極めて禍々しい装丁の本だが、過去、薄暗さ、性、母、といった繰り返しでてくるテーマは、大抵過去を彷徨っている独身男性の精神的要素をよくあらわしていて、意外に読みやすい。ただ、ホモけ多すぎ。著者が年なためだろう、独り身の男を中心にしながら、恋人経験のない主人公を登場させない所が、時代の違いを感じる。作中の詩の凄みに呆然。

  • 「不可能」ほどではないけれど、いくつか、¨そこそこ¨という程でもない程度にまあまあ入り込めるものがあった。松浦寿輝さんの作品はとにかく全部読んでみたい。そしてその中で、僕にとって気に入ったものがあれば、それをまたゆっくり再読してみたい。

  • 難解っ!!(笑)

  • いい雰囲気を醸し出していた

  • やっと読めた。あー、長かった。

    確か、桜庭一樹さんの読書日記を読んで、手にとったものじゃなかったかしら。

    全体的に昏い。
    暗い、ではなく、昏い。
    死とか虚無感とかが色濃く匂い立つ、短編集。

    この人の詩集や長編小説も読んでみたいな。

  • 読了できず。
    短篇集。「虻」まで読んであきらめた。

  • 心地の良い憂鬱感。曇りの日曜の午後……みたいな。装丁のおどろおどろしさに反して割と軽い雰囲気ではあると思います。暗い話だけど。

  • 主人公たちに共通するのはある種の「虚無」に取り憑かれているというところか。彼らは虚無の向こうにある得体の知れない闇に怖れを抱きつつ惹かれていく。
     なんとか読了したものの、正直言ってかなり苦労した。
    ごく短いもの、たとえば最初の「モーリッツの銅版画」では、もう少しこの世界に触れていたいという未練を抱くのだが、少し長いものになると独特の冗舌さが鼻について、つい眼がそがれてしまう。
     「虻」では、河原枇杷男についてのくだり、「桃」ではケルト神話やギリシャ神話に現れる邪眼について。
     そんな長々とした蘊蓄が、本題とそれほど深く関わるとも思えない事まで事細かに述べられれば、つい読み飛ばしてしまいたくなる。
    読者が知りたくなる事項ならいくらでも調べられる時代に、この蘊蓄の羅列はほんとうに必要なのだろうか。
     表紙にはモーリッツの銅版画。小口は黒く塗られ、いかにも不気味な雰囲気を醸し出す本著の中で、世界観をぶちこわすほどの違和感を覚えたのは「あやとり」に添えられたネコの挿絵である。白地に黒のぶちのネコがにっこりと眼を細めて川面に前脚を浸している。そのあまりにほのぼのとした挿絵はいったい何のためにあるのか。訝しみながら読み終えたのだが、解説によると作者によるものらしい。
     感性が合わないなぁとつくづく感じた瞬間であった。

  • タイトル読みでしたが、装丁もモーリッツの銅版画で不気味な感じが気に入りましたし、内容も良かったです。
    短編で4章、12の話が入っていますが、最初の「モーリッツの銅版画」の印象が強いです。最後の老婆の台詞に背筋が寒くなりました。
    タイトルと内容、挿画等、見事に合っていると思います。

  • <b> かすかな恐怖がこみ上げてくる。このよるべない不安は、そしてそれと一体となったこのふしぎな懐かしさは、いったい何なのか。</b>/「プールサイドで」<br>
    (P.26)<br>
    <b> 「正しさ」の理念に執着し、それを踏み外してまであえて虚構の中に入ってゆくことはすまいと自分を抑えるのは、ある種の道徳、エクリチュールの道徳の表明なのだろうと彼は思った。</b>/「名前」<br>
    (P.117)

  • ふと後ろを振り返りたくなるような、翳りに被われている。

  • 表紙タイトル惚れ。この方の長編も読んでみたい。短編集という形をとってますがどちらかというとエッセイ風?一番最後の表題作「そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所」が一番好きです。死んだ叔父の詩と合わせて、その「ゆっくりと死んでいきたい気持をそそる」場所を描写していくのが凄くツボに入りました。うめぇ。本当に若い女の子の甘くて粘っこい匂いがしてきそうだった。「逢引」も面白かったな。

  • 日常に潜む深淵、違和感、得体の知れなさを描き出す短編集。長編よりずっと好きでした。

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