そこへ届くのは僕たちの声

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著者 : 小路幸也
  • 新潮社 (2004年11月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104718016

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そこへ届くのは僕たちの声の感想・レビュー・書評

  • ある日突然、耳元に誰かの声が響く。
    それは自分にしか聞こえない声で、でも確かに存在する声。
    大人たちに知られることなく、「声」を聞ける子どもたちはひそかに結びついていく。
    自分たちの力で助けられる人たちに手を差し延べるために。

    前半と後半では物語の持つ空気がまったく違う。
    「声」は聞けるもののそれが何なのかわからないまま、毎日を平凡に過ごしている少女。
    不幸な出来事で母親は亡くなり、父親は植物状態に陥る。
    奇跡的に少女は無事に救出され、親戚の家で暮らすことになる。
    そこでの新たな出会いが、少女を穏やかな生活へとゆっくりと戻してくれた。
    連続誘拐事件と植物状態の患者家族への伝言。
    不思議な出来事が結びついたとき、予想もしなかった事件が起きる。
    犯行声明が届き電車に爆弾が仕掛けられたことがわかる。
    同時に、「声」を聞くことが出来る子どもたちも何らかの異変が起きたことを感じとっていた。
    消えた電車・・・車内に残されたままの犯人と乗客たち・・・そして爆弾。
    息詰まるような救出劇は読み進めば進むほど胸が痛い。
    決断しているのは子どもたちなのだ。
    未来がある、本来ならばまだ守られるべき場所にいるはずの子どもたちなのだから。
    「ハヤブサ」が最後にした決断は、たぶん正しかったのだろう。
    あの場合、最善の策を取ったのだと思う。
    でも、だからこそ、とても哀しく切ない。
    荒唐無稽な物語の中に流れているリアルな人間の感情が、ストレートに伝わってくる。
    子どもだけが持っている純粋な何かが、もしかしたら「声」のエネルギーなのかもしれない。
    何かに導かれるように「ハヤブサ」の元に関係する人々が集まってきたことも、きっと何か理由があったのだと思う。
    切なくて哀しい。
    けれど、爽やかで未来への希望が持てる。
    明日も頑張ろうと、そんな気持ちにさせてくれる物語だった。

  • 最初のほうは??という感じだったけど、
    中盤から面白くなって
    畳みかけるように話が進むので
    畳みかけるように読了。

    子どもがみんないい子すぎて、
    ちょっと都合いい感じがするけれど
    小路さんだし、OK。

    子どもが遠く離れた人と会話する遠話。
    子どもにはそういうところ、
    ありそうだもんなぁ。 楽しめました。

    ハヤブサがどこかにいると信じてる。

  • スピードが良く、キャラクターも魅力的で飽きない。
    健気な子供達とそれを見守る大人達が皆良かった。
    ただ、子供達の能力に関するところが一貫していなかったような…。
    あやふやに終わった感がある。
    少し詰め込み過ぎてもいたのかも。

  • ファンタジーなお話だったけど、やっぱりウルっとさせられました。

  • 中番までは正直「何が言いたいねん?」って感じだったけど、作者独特な雰囲気の中読み進めていくと、「あぁ、なるほどな」的〆で。決してハッピーエンドでは無いんだけど、作者らしい終わり方で納得。哀しげな終わり方ってのもらしいところかな。

  • 何人かの視点で語られる上、なかなか核心に触れないので、最初はよくわからなかったけれど、面白い話だと思う。今回は完全なハッピーエンドとは言えなかったので、小路さんのお話に後味のよさを求めてしまっている私には、そこが少し哀しい終わり方だった。

  • 2014.2.27読了
    空耳から、これだけ話を広げられるのはすごい。思い返せばありきたりかも…と思うけど、話の組み立て方がうまいのか、話に引き込まれて行った。ラスト近くからは特にその感じ。ただ、なぜ真山さんが遠話ができないのに話ができていたのかは不思議。

  • SFと言ってしまったら、詰まらなくなりそうな作品です。
    知的ミステリー、人間の深層に密着した哲学的とも言える作風です。
    やはりヘッセを思い浮かべてしまいました。
    小路さんの此の手の作品は、人間の本質を鋭く描いてみせています。語り口が柔らかいく、お伽噺のような物語作りに軽さを感じてしまいがちですが、かなりの寓話性を秘めています。
    本当に素晴らしい作家ですね。

  • 内容紹介
    植物状態の人間からのメッセージが、その家族に届けられるという奇妙な事件が多発し、一人の元刑事が調査を始める。連続する誘拐事件、謎の存在「ハヤブサ」、夜毎、天文台に集う子供たち。無関係にみえる出来事のリンクがおぼろげに明らかになった時、多数の人間を巻き込んだ未曾有の大事件が発生した──。隠された力をもち、強い絆で結ばれた者たちの、勇気と友情と奇蹟の物語。 --このテキストは、 文庫 版に関連付けられています。
    内容(「BOOK」データベースより)
    植物人間を覚醒させる能力を持つ人がいるという噂と、各地で起きる奇妙な誘拐事件。無関係なはずの二つの出来事を結んだのは、“ハヤブサ”というキーワードだった。“ハヤブサ”とはいったい何なのか?―うちに秘めた「見えざる力」を駆使して、次々と降りかかる試練を乗り越える子供たち。本当の友情と勇気を描いた物語。

  • [遠話]という能力を持った少年少女の話。

    ハヤブサ達遠話を使う少年達、そして理解し彼らを見守り無事を祈る大人達。
    彼らの勇気、決断力。そのお陰で助かった多くの命。
    しかし、世間はその人々を糾弾し、異端児として隔離しょうとする。彼らの実績を認めようとはせずに。人間って何故こうなのかと思い泣けてきました。
    多くの理解者達が、彼らを守るため立ち上がってくれて本当に良かった。

  • 植物人間を覚醒させる能力を持つ人がいるという噂と、各地で起きる奇妙な誘拐事件。無関係なはずの二つの出来事を結んだのは、“ハヤブサ”というキーワードだった。“ハヤブサ”とはいったい何なのか?―うちに秘めた「見えざる力」を駆使して、、次々と降りかかる試練を乗り越える子供たち。本当の友情と勇気を描いた物語。

  • 植物状態の人間からのメッセージが、その家族に届けられるという奇妙な事件。
    犯人からの要求もなく翌日には子供が無事に帰ってくる誘拐事件。
    ミステリーかと思ったら、思いっきりファンタジーだった。
    ラストの事件は、プロローグでの前フリから予想した規模から考えるとちょっと小粒だったような気もするけれど、子供達があれ以上大きな事件を解決、というのも無理だろうな。
    子供達の覚悟と、親たちの見守り方が泣かせる。

    本筋とは関係ないんだけど、金星の日面通過のネタが出ていて、ああ、この作品は8年前の日面通過の年に書かれたんだな、と実感。
    同じく日面通過のあった今年読めてよかった。
    次のチャンスは140年後だった。

  • 遠話のできる登場人物がうらましく感じた。
    また、幼いのに自分を犠牲にして人々を救う覚悟ができてる姿が
    とてもかっこよかった。

  • 重い話かも…と思ったけど、小路幸也らしい優しい話で良かった
    登場人物が、皆眩しい…
    マサおじさんがお気に入り

    東野圭吾の虹を操る少年とか
    宮部みゆきの龍は眠るを思い出した

  • 一人暮らしの夜に読んでいたらなんだか怖くなってきちゃうようなお話です。
    聞こえない声が聞こえる。見えない白い世界?SFか?
    けれど出てくる人は当たり前にいそうな中学生たち。
    小さいころって、いろんなものに敏感で大人には見えないものが見えたり聞こえたり覚えていたりする。
    もちろんこれはファンタジーなんだけど、なんだか本当にそんな子供たちがいるような気もしてしまう。

    中学校の微妙な男の子と女の子のカンケイ。ここに出てくる男子はみんなちょっと大人です。モテるだろうなーっていうようなジェントルマンな子。
    そして元気な満ちると、普通の女の子、かほり。

    著者はゲームシナリオを執筆するようなタイプの人です。
    新しいカタチの本なのかもしれない。
    これからの若いゲーム世代の人たちはこういうファンタジーを好むのかな。

  • 特別な力を持った少年…たち
    ノスタルジックで夢の有るお話です
    お勧めの一冊!

  • 「子供のうちに起こる出来事は、全部将来のための布石だってさ。意味のないことなんか何も無いんだって」

  • 2011年10月 西宮図

  • 空耳・・・空からの言葉
    子供の頃は、色んなお話が聞こえていたのかな。
    お話を読んで、空の星を見たくなった。

  • 事故の現場にいたはずの子どもが消える。ふしぎな誘拐事件も起きる。共通点はひょっこり1日経って無事な姿で現れること。全国で起こっていることに気づいて調査を開始する大人。立派な天文台とハヤブサ。

    遠話ができる子どもたちの奮闘物語。

  • 今まで読んでた小路サンの本とはチョット違う感覚。
    中身見て読み始めたわけじゃないので、ちょっと色々かんがえちゃったり。
    ライン的に 光の帝国 読み返したくなってきた。

  • 植物人間の声を届ける人、各地で起こる謎の誘拐事件、空から聞こえる誰かの声、
    それらが結びつくキーワードは「ハヤブサ」。
    予想だにしない展開に引き込まれて一気に読んだ。
    それぞれのエピソードの行方をもっと読みたかった。

    【図書館・初読・8/19読了】

  • 読んで良かった。「空へ、届ける声」からは一息に読めた。
    少し、舞台背景は違うけど「未来少年コナン」みたいな印象を持つ。けど、
    違うと思う。SF冒険活劇ではないから。後半の疾走感と、胸の隙あく感じは、
    残ったので、そういう印象を持ったのかもしれない。泣けたし。

  • 不思議な力を持つ子ども達。親などが自分の子どもを信じるのはまだ分かるが、結構なお偉いさんたちまで信じちゃうのはちょっと飛躍し過ぎかなって思いながらも、最後の方は読む手が止まらなかった。人物の心理描写が繊細で、お気に入りの一作となった。

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