ラス・マンチャス通信

著者 :
  • 新潮社
3.24
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本棚登録 : 149
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104722013

作品紹介・あらすじ

僕は常に正しく行動している。姉を犯そうとした「アレ」は始末されるべきだし、頭の足りない無礼なヤンキーが不幸になるのは当然だ。僕のせいではない。でも、なぜか人は僕を遠巻きにする。薄気味悪い虫を見るように-。カフカ+マルケス+?=正体不明の肌触りが、鈴木光司氏の絶賛を浴びた異形の成長小説。第16回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 歪。
    世界観が独特過ぎて凄い。

    自分にはちょっとキツい描写が少なくなくて、ご飯時(昼休み)にちょこちょこと読み進めようと思ったのが間違いでした。えらい時間がかかってしまいました(苦笑)。

  •  作品解説(帯より)僕は常に正しく行動している。姉を犯そうとした「アレ」は始末されるべきだし、頭の足りない無礼なヤンキーが不幸になるのは当然だ。僕のせいではない。でも、なぜか人は僕を遠巻きにする。薄気味悪い虫を見るように――
     第16回日本ファンタジーノベル大賞 大賞受賞作

     …ん?(帯を確認し、再度読み始める)………あれ?(帯にある「鈴木光司氏絶賛」を再確認する)…おかしいなあ。……いや、ひとりごとですので気にしないで下さい。
     この作品は終始一貫して一人称で描写されていますので、周囲で起こる不可解な出来事は、主人公が自分で謎を解明するか、あるいは周囲の人物が主人公に説明する意外に、読者がそれを知ることは出来ません。にも関わらず、主人公の性格は「我関せず」。ラストだけは、キレイにまとめている印象を受けましたが、「アレ」「施設」「次の奴」他、ほとんどの謎が謎のままで終わってしまうので、かなり不完全燃焼。どうせなら最後の最後まで、不安定な世界観を描き続けたら良かったのではないだろうか。

  • こわい、とにかく怖い。誰がとかではなく、人間のこわさに引き込まれていく感じで、こわい。ともすれば自分にも降りかかりそう、と思ってしまうこわさを感じました。また、物語の始まりは唐突なのに、なぜか入り込みやすく、終わりは尻切れな感じなのに、満足感のある作品だと思いました。運命なのか?わかっていても断ち切れない何か、幸せを生む反面、恐ろしさも秘めている。そう考えさせられた作品でした。

  • ホラー?ファンタジー?

  • 5つの章からなるひとつながりのお話。

    最初は“僕”が同一人物って気付けなくて戸惑い。
    短編集の気で読んでた〜

    “アレ”とか“奴”とか得体の知れない気持ち悪いのが沢山出てきて気味が悪いのです。
    でもなんてゆーかゾワゾワするような感覚がもっと欲しかったなぁ〜
    結末もあっけなくて違う意味で気持ち悪かった。
    残念。

  • 僕、姉、父、母、小嶋先生、稲川さん、由紀子、箕浦さん、姉、アレ、次の奴、灰の降る町、姉、象さん、四ツ辻、僕、ラス・マンチャス、姉、僕。
    僕の語るエピソードの多くは横道に逸れ、話の接穂は失われ、そこから何が判るというわけでもなく、単なる厭な夢のような、しかしそれこそが物語の肝のような、すべてが頼りない印象のまま、ラス・マンチャスの日常は延々と続く。物語の始まりと終わりを担う形で姉が登場するのを読んで、石黒正数『外天楼』をすこし思い出しました。

  • 素晴らしくすごい!

  • やばい!
    やりたい放題だ。
    小説ってやつは、日ごろのうっぷんや妄想を晴らす手段でもあるんだ。
    あとから理論のつじつまを考えたけど、合わない。
    冒頭の姉と共謀して撲殺してしまった「ヤツ」とは、だれなの~?

    変だよね。

    ファンタジー小説大賞を受賞されています。
    つまり・・・、こういう反社会的な小説もOKならのね。

    筆は立つと思います!
    引きこまれます。上手です。

  • ・・・気味悪いけど、不思議すぎてそれ飛び越えてポカン。

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著者プロフィール

平山瑞穂(ひらやま・みずほ)
小説家。1968年、東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年に『ラス・マンチャス通信』(角川文庫)が第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。著作には、『忘れないと誓ったぼくがいた』(新潮文庫)、『あの日の僕らにさよなら』(新潮文庫)、『シュガーな俺』(世界文化社)、『プロトコル』(実業之日本社文庫)、『マザー』(小学館文庫)、『四月、不浄の塔の下で二人は』(中央公論新社)、『午前四時の殺意』(幻冬舎文庫)、『ドクダミと桜』(新潮文庫)、『さもなくば黙れ』(論創社)など多数。評論に『愛ゆえの反ハルキスト宣言』(皓星社)、エッセイに『エンタメ小説家の失敗学』(光文社新書)など。

「2023年 『近くて遠いままの国 極私的日韓関係史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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