冥王星パーティ

著者 :
  • 新潮社
3.29
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本棚登録 : 130
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (293ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104722037

作品紹介・あらすじ

なんで私はいつも「男」で間違っちゃうんだろう?迷走する恋愛の果てに射しこむひとすじの光。透明に深く輝く青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 後味なんとなく残る作品でした。
    好き!なテイストではなかったのですが
    (きになるきになる)で読み進んだ感じです。

    主人公が求めてた女の子もなんだか普通で、それがよくて、でも普通じゃなくて。そこまでのこと、結局みんなできないから。

    なんだかんだ残りました。

  • 昔恋した人の現在を知るのは勇気がいること。

  • タイトルはいいのになあ、と思っていたのにまさかの改題して文庫化…。もったいない。

  • 某書店で文庫本化されて、今じわじわきている、みたいなポップを読み興味がわいた一冊。
    とある男女の初恋(?)と、その後のふたりの話が描かれている。
    でも私には全然じわじわこなかった(笑)
    もっと純粋に甘酸っぱいものを期待してしまっていたので、こうも複雑だとは、とちょっとゲンナリ。
    でもひとりひとりの人生なんて、結構複雑でドラマティックだったりもするんだよね、というところは考えてみたり。

    積読もたくさんあるので、作家さんのリピはないかなぁ。

  • 思っていたよりも何も起こらず。何か起こりそうで大したことが起こらない。男女のプラトニックな恋愛模様。
    高校時代に付き合うまでいかなくとも、お互いに影響を与え合った二人。11年の経過が描かれています。男を見る目がなくて男に振り回されてしまう女性と自意識が無駄に過分だった自分を改革した男性。
    上手くいかずに思い悩み、どこで進むべき道を間違えたのか・・・と分岐点について考えるけど、考えたところで戻ることもできないみたいな感じの話。
    望月さんとか何年も祥子の存在を探してたっぽくて気持ち悪いのに、最後に「行かない」とか、一緒に住んでた外国人ももっとなんかあってもよいのに、逃げてきて終わりとか、何とも言えない物足りなさを感じました。

  • 面倒くさい。

  • 何かよくわからん!?
    2013.7.23

  • ちょっとした選択でその後の人生が大きく変わってしまうことがある。
    振り返って見通すと、あの時のアレが分岐点であったと分かることがある。
    そして、関わる時間はたとえ短かったとしても、人生のキーマンとなり、ずっと心の中で人生を共にする人もいる。
    出会いって、思う以上に人生を左右すると思う。

  •  以前、惑星から「降格」して話題になった冥王星。ひとつの星が「降格」することなんてあるのかと驚いた人も多いと思うが、僕はこの冥王星ってやつが結構好きである。
     太陽の光もほとんど届かないような遠い彼方で、小さな(でも冥王星と比べたら結構デカい)衛星を伴ってひっそり公転している太陽系の寂しがりや、そんなイメージがあるからだ。

     ある日、桜川衛はネット上であるサイトを見つけ愕然とする。そのサイトで自らのあられもない画像をさらしている女性はshoko tsuzukiと名乗っていた。…彼女はひょっとしてあの「都築祥子」なのだろうか?
    そこから物語はさかのぼり、県立高校の女子生徒である都築祥子の物語が始まる。
     祥子は家が薬局で、母親がいないため父親と二人暮し。読書好きで同級生の男子生徒にはどうも興味がもてず、友人の榛菜との日々を特に不満も感じずに過ごしていた。
     そんな祥子の人生に変化をもたらしたのが榛菜の紹介で出会った別の高校の男子生徒・桜川衛だった。
     祥子と同じく本好きの衛はやがて祥子の生活に何らかの影響をあたえていくが、この関係をどう捉えればいいのか祥子自身にもよくわからない。やがて祥子と衛の人生を変える事になる一夜が訪れるのだが…。

     恋愛小説のようでいて恋愛小説ではない。祥子はいろいろな男性との出会いを経て何かを学んでいくが、同じ失敗を繰り返しているようでもある。
    人生がいつも自分が考えているのとは違う方向に行ってしまう。泥沼にはまりこんでしまう。そのきっかけになるのはいつも「男」だった。
     祥子に限らず、男だろうと女だろうと、恋愛という迷走を繰り返してみんな成長していく。それは後悔の繰り返しであったり、わかっているけど踏み込んでしまう危なっかしさだったりする。
     祥子は決してバカな女ではない。彼女は非常に聡明でしっかりした女性なのだが、いつもおかしな方向に人生を踏み誤ってしまう。
     ラストで祥子は自分についてある結論を下すのだけど、僕にはそれは祥子だけでなくすべての人に当てはまる結論だと思えた。

     さ迷った果てにたどりついた場所。それは暗くて寂しい所だったのだが…タイトルの意味は終盤近くで明らかになる。
     いろいろな人物が登場して、それぞれの人生を歩んでいくのだが、この小説は二人の人物が別々の軌道を描きながらお互いの人生を大切に抱きしめる青春小説なのである。
     みんな一生懸命生きていて、それぞれ一番良いと思った選択をしているのに、互いに望まない結果を招いてしまう。辛いことをたくさん経験して何もかもすべてに絶望したけど、それでも一歩ずつ前進していく。

     冥王星は惑星からは降格してしまったけど、決して太陽系の仲間はずれになった訳ではない。その数奇な運命に翻弄されて、いろいろあったけど、今でも太陽系の果てでしっかりと軌道を描いて回り続けている。僕はやっぱりそんな冥王星が好きだ。「プルート」というかわいらしい名前の響きも愛しい。
     冥王星と同じくらい、運命に翻弄される祥子だけど、彼女の軌道の先には何が待ち受けるのだろう。

     終盤は、うーむそうきたか…という感じの展開を見せる。いろんな事があって、人生のやり直しなんてできないんだけど、前進することはいくらでもできるのだ。読後なぜか元気がでる青春小説です。

  • これからしばらく平山瑞穂作品を読んでみよう、と決意したものの、次はどれにするべきか…そう思っていたところ、とあるブログの記事に「衛クンが永野のりこの漫画の主人公にカブる」と書いてあったので、この本に決定。
    (つづく)

    とあるブログ記事
    http://d.hatena.ne.jp/pnu/20070420/p1

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著者プロフィール

平山瑞穂(ひらやま・みずほ)
小説家。1968年、東京都生まれ。立教大学社会学部卒業。2004年に『ラス・マンチャス通信』(角川文庫)が第16回日本ファンタジーノベル大賞を受賞してデビュー。著作には、『忘れないと誓ったぼくがいた』(新潮文庫)、『あの日の僕らにさよなら』(新潮文庫)、『シュガーな俺』(世界文化社)、『プロトコル』(実業之日本社文庫)、『マザー』(小学館文庫)、『四月、不浄の塔の下で二人は』(中央公論新社)、『午前四時の殺意』(幻冬舎文庫)、『ドクダミと桜』(新潮文庫)、『さもなくば黙れ』(論創社)など多数。評論に『愛ゆえの反ハルキスト宣言』(皓星社)、エッセイに『エンタメ小説家の失敗学』(光文社新書)など。

「2023年 『近くて遠いままの国 極私的日韓関係史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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