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この作品からのみんなの引用
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哀しみがときどきひどく欲望に似ているのはなぜなのかと漠然と考えていた。たぶんその両方が、欠落ということに強く結びついているからかもしれない。
― 28ページ -
掴み殺してしまいたくなければ守りとおすしかない。破壊の欲望が強ければ、それだけ守ろうとする欲望も強い。とても壊したいから懸命に守るのだ。けれども、ふたつの欲望のあいだにはハムスターの仔の肉塊ひとつ分の隔たりしかなくて、いつでも、どんな些細なきっかけでも、人は拳のなかに捕らえたものをギュッ、と力任せに握り締めてしまうのだ。
― 283ページ -
臓腑の奥に、ハムスターを握り潰そうとする力と、それを阻止しようとすふ力とがせめぎあうあの焦燥がまた生じた。焦燥こ、あるいは快楽か。握りつぶすことと守ることが、髪一筋の均衡で揺れている。、
― 282ページ
みんなの感想・レビュー・書評
読者をねじ伏せんとする筆致は好み。ただ読後のやりきれない虚無感はやや残念。男性登場人物の造形がイマイチしっくりこず、感情移入できなかったが、どうだったかと聞かれれば面白く読める、と答える。結末は賛否両論あろうが。
いけないとは思いつつも、別れた夫の義娘の恋人・犀田との関係を続ける佐知子。しかしある日を境にすべてが変わってしまう。息子の文彦が失踪し、犀田は駅のホームに転落し、帰らぬ人となってしまった。
自分と犀田が関係を持ったからこのようなことになってしまったのではないかと思い悩みながら、文彦を探す日々を送ることになる佐知子。
果たして物語がどんな形で決着するのか、目次を見る限りおよそ1週間という短い期間でなんらかの答えが出るはずだとはわかるのだが、まったく検討もつかなかった。
そっちかー!そっちだったかー!!という感じ。で、個人的にはそっちなのかー……と気持ちがフェードアウトしてしまった。
感じたことをうまく書くのが難しいけど、あっち側なんてのはそこらにごろごろ転がってて、案外まいにちを暮らす中で簡単にするりとそちら側へ渡ってしまう恐ろしさを感じた。
男を狂わさずにはおかない女性 亜沙実の周りで起こる数々の事件の話。まほかるドロドロワールド全開だ。多少くどいところはあるが、事件の特異性は抜群だ。又フォロー作家が増えてしまいそうだ。
沼田まほかる作品は「痺れる」に続いて二作目。
この作品も一気に読んでしまった。
複雑な人間関係、張り巡らされた伏線、というとありきたりだけど、
そんなベーシックな舞台や素材を使っても、ねじ伏せられるような迫力があった。
暴力的でショッキングな描写もあったけれど、
ラストで佐智子が一面に雪の降った景色を見て
死の灰が降ったようだと感じたシーンも印象的。
亜沙美というブラックホールのような引力を持つ人物造形も、
それについて本人が無自覚で、悲しいくらい宿命的なのも、
この作品の不思議な魅力につながっている。
亜沙美がもし古代日本に生まれていたら、
神のように崇められていたのかもしれない、とも思った。
服部のキャラクターも秀逸。
迷惑なのかありがたいのか、無神経なのか繊細なのか分からない、
こういう人っているよな、と妙に感心した。
なんだろう…凄く引き込まれる内容だったけど、最後まで読んでみるとなんだか腑に落ちない部分が多数…。
そして何も解決してないような…。
うーん、図書館の予約待ちがやっと順番まわって来て、期待していただけに残念。もう、「低俗」の一言に尽きてしまう内容だと思った。 別にエロイ、グロイ話は嫌いではない。桐野夏生の「グロテスク」なんてそうだったけどあれは大好きだった。でも桐野作品と違って、この本にはエンターテイメント性すら感じられなかった。もう、別に展開なんてどうでもいいよ・・と思わせてしまう内容。次から次に新事実が明らかになって行... 続きを読む »
面白かった。
沼田まほかる著書はユリゴコロを先に読んでたけれど、九月が~の方が断然面白かった。複雑に絡みあっている事実も、登場人物にそれぞれ個性があるのでそこまで不自然に感じることもなく、日本語はやや雑だけれど、それより内容が気になって、一気に読めた。終わったあと、脇役のことももうちょっと知りたかったと思えるのも珍しい。読後も爽やか(・・・とわたしはおもった)。
離婚して息子と暮らす私。その息子の文彦が夜ごみを出しに行ったまま行方不明になる。 時を同じくして付き合っていた自動車教習所の教官がホームから転落し轢死する。離婚した夫は精神科医。再婚した妻とその娘の過去。文彦のクラスメイトの親父が私に疎まれながらも世話を焼くがその男の関西弁がねちっこく表現されているのが関西人としてはマイナスポイント。
遅ればせながら、まほかるワールド初体験の1冊。
書評も事前に目に入っていた為、どろどろ陰湿な世界を期待しての初読となった。
結果、丸1日で一気読みしてしまった。文章力を評価されたという話だが、読みやすい文体である事は確か。最近の日本語の意味の誤解による引っ掛かりは一切なく、淡々と綴られる登場人物たちの描写がよかった。
読後★は4つかな、と思ったのだが1つ減じた理由は、2点。
・物語の中心に存在する文彦が余りに実体を伴わず、上すべりしているように感じられる為、全体を通して現実味が薄くなっている。
・上記の現実味の薄さが、日常すぐ横にあるような陰湿な不快感を減じている。
という事で、くどくど書いてしまいましたが、一言面白かったです(笑)
しばらく著作を追います。
独特の雰囲気のある作品。でも、これだけ誰も救われないのは何だかおかしいのではないかと、どこかでその歯車をどうにか出来たのではないかと、そんな風に思えて仕方ないです。文彦君があまりにも出来すぎて不自然な感じでした。
「痺れる」を読んで
乙一のキレのないコピーのような印象をうけたが
この本で沼田まほかるの印象が変わった。
乙一にこのドロドロはない。
ありそうな話のような気もするけど
ページがすすむにつれ
物語の全体像が描きかえられ
さいごにはすごいところに連れて来られたなと
思わされる。
学校の担任の過去とか
キーホルダーの爪とか
思わせぶりで
必ずしもきれいに回収できてないかなと
思うところもあるけど
面白かった。
だいぶ前に読んだのに未だに心に引っかかる本。すごく面白かったとかはないんだけど、なぜか忘れられない本。
息子の失踪直後に、愛人の男が死んだ。もしかして、息子が殺したのか?。第5回ホラーサスペンス大賞受賞作(amazonより抜粋)
恋をしてはいけない人を愛してしまったというキーワードが大きな鍵だったように思います。
その鍵がとても面白かったです。
そしてこうなれば面白いんだろうなっていう方向に進んでいってくれたのがよかったです。
ただ最後がちょっとごちゃごちゃしすぎたように思う。
綺麗に紡がれた糸が最後、変に絡まってしまったように感じました。
でも興味深い題材でした。
私的には面白かったですが、最後が首を捻ってしまう終わり方なのが好きじゃない。
9月が永遠に続くと、暑くてしゃーないやんけっヽ(`⌒´♯)ノ
四季があるから、日本はええんやんけっヽ(`⌒´♯)ノ
一気に読みあげてしまった。
作者の文章力はスゴいの一言。
新聞の書評にあったとおり
「後味の悪い」内容。
細かすぎる文章だけに
オチが浅すぎてちょっと残念。
ただ、最初と最後で
全ての登場人物の印象が180度変わる。
結局、人って
良い部分と悪い部分を持ってんのね。

魔性の女にはまって人生を狂わせてしまう男の話は、痴情の愛、阿寒に果つなど、古くからたくさんある。魔性の女になりたいって言う潜在的な願望って、シンデレラコンプレックスと同じようにどんな女性にもあるんでし...





