はい、泳げません

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著者 : 高橋秀実
  • 新潮社 (2005年6月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104738021

はい、泳げませんの感想・レビュー・書評

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  • 面白い( ´ ▽ ` )ノ

    水が怖く、泳げない著者が、なぜか水泳教室に通い、泳げる人になろうと奮闘。
    …なのに、泳げる人は性格悪いとか、泳げない方が水難事故に遭ったときに生存率か高いとか、屁理屈三昧。
    しまいには、なぜ泳ぐのかと、哲学的になってしまったり、泳ぐために仏像を見に行ったり…
    同じく水の怖い私としては、笑うに笑えない、けど分かるわ〜って感じ。
    でも、私は別に泳げるようになりたいと思わない…
    なぜ著者が泳げるようになりたいと頑張ったのか、全く理解出来ない…(笑)
    でも、水が怖いという感覚は、とてもよく表現されてて納得。これは私も使おうと思った。


    ちなみに、私はとりあえず、50メートルとかは泳げますが、泳ぐ必要を感じないし、視力のせいで身の危険を感じるので泳げない人です。てか、水が怖いし。

  • 「泳げる人は泳げない人の気持ちを分かってなさすぎる!!」・・・という心の叫び。

  • 私も泳げません。読んでも泳げないことに変りはないけれど、少し泳げるようになりたい・・・と思うようになりました。
    きっと、知らない世界が開くような氣もしてきました。

  • はい、私も泳げません。泳げないけど、泳げないから、水泳教室に通っています。

  •  事実を身も蓋もないくらい客観的に、透徹した視線で描き出す著者のルポルタージュ。そして本作での取材対象は「泳げない自分」です。

     水が怖く、泳げない著者が、ゼロから水泳を習い、上達していく様子がつぶさに記録されています。
     そして、そのとき泳げない人(著者)がどんな気持ちでいるのか、その人が泳ぎのヒントを得たときにどんなことを感じ、考えていたのかが丁寧に記述されています。

     水泳の教本は世に溢れかえっていますが、泳げない人目線から、その心理に寄り添って書かれた本書のような本は希有なんじゃないかと思います。
     ちなみに、うちの母もここ数年水泳にハマって毎日泳ぎに行ってますが、本書を渡したところ、どハマりし、水泳仲間に貸した挙げ句借りパクされました…orz 歳行ってから水泳を始めた母に、共感を覚えるところ大だったのでしょう。

     本書では、桂コーチがめんどくさい生徒(失礼!)である著者を根気よく指導しているのですが、その言葉の一つ一つが「さすがプロだなぁ」と思わされるものばかりです。
     泳ぐときは「力を抜け」とよく言いますが、漠然と力を抜けと言われても難しいんですよね。そこで、「泳ごうとせずに、ただ伸びようとして下さい」など、少し考え方を変えるようなアドバイスがなされます。
     私は合気道を少しやっているのですが、そこでも「力を抜け」と言われます。が、これがなかなか難しいんです。
     しかし、「掴まれている腕のことは放っといて、向こうにいる彼の肩を叩いて振り返らせようとして」と言われると、思いっきり腕を握られているのに難なく動いたりするのです。スポーツでも武道でも、根底にある身体操作のコツは一緒なのかな、と読んでいて感じました。
     おそらく、力を抜くためには意識を向けないということが重要な要素なんでしょうね。ただ、そこで自分に対し否定形の命令をしてしまうと途端にできなくなります。どこかで読んだんですが、人間の深層意識は否定形を理解できないそうです。論理構造で言っても、否定形というのは一度ないものを現出させてそれに×をつけることであり、ないものを一度意識せざるをえません。つまり、「力を抜こう」と思ったら、まず抜くための力を意識しなければならないわけです。ガッチガチに力が入っている状態であれば、それもある程度有効でしょうが、無駄な力を完全に抜こうと思うと、「力を抜く」というアプローチは、かえってドツボにハマる危険性も有しているわけです。
     だから、否定形の命令ではなく、別の動作を目的とする肯定的な動作で考えた方が、余計な力を抜くのには良いのかな…と本書を読みながらつらつら考えました。

     あと、個人的に面白かったのが、著者が泳ぎの感覚を掴んだときに、その場で立ってしまうことです。
     桂コーチは「せっかくできているのに、それを崩して立ってしまうのはもったいない」と考えていますが、おそらく桂コーチは感覚的に物事を捉えるタイプの人なんだと思います(私もそうです)。だから、泳ぎながら感じたことをそのままキープしようとします。
     これに対して著者は、おそらく物事を理解しようとするタイプです。だから、今自分が掴んだ感覚もすぐ「理解」しようとし、落ち着いて「考え」「反芻する」ために立ち上がってしまうんだと思います。
     この二人の感覚の違いというのは、多分頭では理解できても、腑に落ちてわかることはないんじゃないかなぁ、と思います。著者の物事の捉え方がそうだとしても、私もやっぱり腑に落ちないものを感じますから。

     色々ゴチャゴチャ書きましたが、難しいことは抜きにして読んでみて下さい。読んでる内にとにかく泳ぎたくなってくる一冊です。

  • 水泳が全く出来ない著者がスポーツクラブの水泳教室に通い、二年間かけて泳げるようになるまでの奮闘記。
    プールに行きたくなる。

  •  実に痛快!
     泳げない人が「泳ぎ」について書く。しかも基本「泳ぎたくない」のだから、斜めから見た、というか腰の引けた姿勢から聞く泳ぎ指南への接し方が、常軌を逸していておかしい。
     これを読んでも、泳げるようにはならない!という入門書(?)だ。

     気づかず読んだが、著者の作品は『弱くても勝てます』(新潮社)という開成高校野球部を取材した著作を読んでいた。この弱小野球部もセオリーを覆す独自の戦略で快進撃を繰り広げる。覆すというより、野球そのものを斜めから見るというか、妙に理屈っぽいところが、作者の視点と似ているというのを本書を読んで気づいた。開成高校野球部と高橋秀実、両者の相性の良さがあっての『弱くても勝てます』だった。
     
     ということで、本書でも著者は指導者の教えや、共に学ぶ仲間のアドバスを素直に受け取らない。あーだこーだと(屁)理屈を述べる。

    ”「壁をもっと強く蹴らないと、ダメよ。(中略)蹴らないと損するわよ」
    ― 損?(中略)
    彼女たちはここに泳ぎに来ているのではないだろうか?”

    ”「ここで呼吸しよう」と思っても、身体は前に進んでいるので、「ここで」の「ここ」の場所はすでに「ここ」ではなくなっている。「今だ」と思っても、そう思っている瞬間は息を詰めて考えているので、「今」は呼吸できない状態である。”

     こんな理屈を捏ねてるうちに1本でも多く泳げばと思うのだが、とにかく逃げ腰なのだ。

    ”水中で、やがて私は気づきました。日常的に使う「わかりました」という表現は「理解した」ということではなく、「もう勘弁して下さい」という意味なのです。”

     もう、コーチへの返答に対しても独自解釈をして、自分の「泳ぎたくない」気持ちを理解してもらいたいと努める。水泳教室に教わりに来てるにもかかわらず!

     でも、こうした独自(?)の視点から”泳ぎ”を捉えることで見えてくる、泳げる人が自然にできてしまう行為、理解と思索を必要としない動きに、著者なりの解釈が加わっていき、やがて泳げるようになっていく過程は、ちょっとした驚きの発見もあり、少し羨ましくも思う。

     無意識で泳ぐことを意識し、動かすことはどこかを固定することになるから、どこかを動かそうとしてはいけない等、じわじわと究極の身体の使い方に近づいていく様は、あらゆるスポーツの動き、基本は同じということも気づかせてくれる。いや、スポーツだけでなく、日常生活も、歩くことも、立っていることも、なんなら寝返りさえも、基本は同じ! 禅の悟りの境地を垣間見せられた気になる(そこまで著者が意識していたかは不明だが)。

     本書を読んでも泳げるようにはならない、と冒頭書いたが、ちょっと久しぶりにプールに行ってみようかなという気にもなる。
    不思議な読後感の一冊。

  • 久しぶりにこの人の本、やはり面白い。ついついうなずいてしまう。
    二年間のスイミングレッスンで泳げるようになる話、いちいち理屈っぽいツッコミをしながら試行錯誤を繰り返して進む様に大いに共感。

  • オリンピックもたけなわというので、スポーツに関連する本ばかりを集めたコーナーにありました。
    確かに水泳の本らしいけど、泳げませんって・・・

    しかし私はビビっときました。
    実は私もちょうど水泳を習っていて、クロールの息継ぎで躓いているんですよね。
    「まあ、私は泳げないこともないんだよね~」なんて自分に言って借りました。
    作者は何を思われたのか40歳くらいの時に、泳ぎたいと思って、プールに行かれましたが、その時は水が怖い、という状況、本当に一からの水泳ですね。
    まず、プールというものの認識からです。
    他人にしぶきをかけておいて挨拶もなしにさっさと行ってしまう人、水が怖いのでもたもたしていると、さも邪魔だとばかりに後ろから煽ってくる人、
    そんな無礼な人たちに心でぶつぶつ言いながらプールとは純粋に泳ぐところ、必要以上に他人とかかわる必要はないと教わります。
    さていよいよコーチについて泳ぐ練習、このコーチ女の人ですが厳しいです。
    息が苦しいといえば、あなたはここに息をしに来ているのですか、泳ぎに来ているのでしょう、とわかったようなわからないような・・・
    その教え方もユニークなものが多く、今までスクールに通っていて(私が)、聞いたことのないやり方や、ふんふんなるほど、となんとなく言われていることがわかることもあります。
    すると、今すぐそのやり方を試してみたい、できるような気がする、プールで泳いでみたい、家にプールが欲しい!と思いました。
    高橋さんも、試行錯誤を繰り返し、だんだん泳げるようになっていくのです。
    これは立派な水泳のハウツー本です。
    プールで習ったことを帰ってから思い起こし細かく記録した、立派なルポです。
    今度のスクールに持っていって、プールサイドに置いときたいくらいです。
    あっ、それはまずいですよね、私にもコーチがおられました。

  • 泳げないひとが、いかに泳げないか、水への恐怖を語る。悪戦苦闘しながら泳げる人になるまで。
    そんな風にみえるのかと興味深かった。
    C0095

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