いま生きる「資本論」

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著者 : 佐藤優
  • 新潮社 (2014年7月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784104752072

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いま生きる「資本論」の感想・レビュー・書評

  • マルクスは 資本主義が巨大独占を生み、労働者が革命を起こして、共産主義となる と考えたが、宇野氏は 恐慌が起こり、資本主義は 生き延びる と考えた

  • 乏しい知識しか有していない私には敷居が高く、
    完全に理解できたと言い難い、というのが正直なところ。
    しかし、いわゆる共産党視点ではない視座から資本論を見つめることで見える景色であるとか
    随所に挿入される現代社会での身近な例などは興味深く、かつ頭に入ってきやすかった。

  • 『いま生きることは、楽ではありませんよね。その楽ではない状況を、どうやったらわれわれは生き抜くことができるのかと言えば、明らかに病んでいるこの社会の構造をまず、きちんと見極めることです。

    病んでいる社会の構造はどこから来ているのかと言えば、労働力が商品化されることによって、すべてが商品となった。われわれの欲望というのは充たされることがない。過剰に欲望を刺激する形で商品をどんどん購入させないと、この社会は成り立たないのだから。こういう仕組みから来ているのです。』

    「資本論」は途中で挫折したけど、これは面白い。ただ、「資本論」の引用の部分はやはり難解。

  • かなり難しい。

  • 佐藤優さんの博識が随所に出て頭良すぎと感じた一書。資本論自体の解説よりも、資本論を研究する学者の話や講座を受ける人が書いたレポートから派生した話がとても面白かった。ここまで頭がいいとかっこいい。
    競争にとりあえず買っておくこと。身近な人を大事にしておくこと。理論から資本主義を抑えておくと、時代がどんなに変化をしても軸のある人になるのかなと思った。

  • 「文体は思想だ」って佐藤さんが文中で言ってるんですが、資本論の話より合間に出てくる雑談やその語り口の方が面白かったですね。著者の本を読むのはこれが初めてだったので、特に新鮮でした。ロシアや拘置所の実体験に基づく話ってのはやっぱり説得力があります。

    いま生きるために…
    コモディティにならないようにする。単純な代替可能労働力商品として使われないように、熟練労働者として生きる。

    そしてもう一つが、自分の周りで、直接的人間関係の領域、商品経済とは違う領域を作る。

    僕の場合、後者が今の課題です。

  • なぜいま「資本論」なのか?共産主義が崩壊したから?いや違う。資本主義の枠組みの中で生きている我々にいま、いったい何が起き、これからどう生きていけばいいかを考えるためだから。少なくとも自分はそう理解した。資本論の本質と間違いを正しく理解し、またそれを研究している著書も合わせ読みして考察することも大事。さっそく実践。

  • 新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:331.6//Sa85

  • 普段読むことのないようなジャンルの本をと思いまして、経済の分野と思いつきまして、この一冊を選びました。
    著者はベストセラーを多数書かれている佐藤優さん。
    佐藤さんの本は、新書をメインにこれまでも何冊も読ませていただいておりますが、講義を文字起こししたようなこの本のようなスタイルのものを読むのは初めてのことでした。
    何しろ、私が経済学なんてものに疎いのでとにかく話が難解。
    これはもちろん、本が悪いというわけではなく、私の知識レベルが低い故のことでございますので、本に非は全くございません。
    そんな難解な資本論の講義であっても、随所にユーモアを散りばめた佐藤節のおかげで、なんとか読みきることが出来ました。
    付箋は23枚付きました。

  •  1867年に第一巻が刊行されたマルクスの『資本論』は、経済学を語るときに欠かせない古典だ。けれども、岩波文庫版で9分冊ある同書は、内容も決して読みやすくはない。そこで、その重要なポイントを講義したものを書籍化したのが本書だ。
     『資本論』を徹底して論理の書として読む著者は、同書を「資本主義社会の内在的論理を解明した書」であると位置づけ、なぜ日本の社会で人々が生きにくくなっているのか、その根本原因を探る手段として、本書を読み解こうと試みる。
     資本主義はさまざまな問題を抱えながらも、崩壊することはないだろう。であれば、「暴発をできるだけ抑え、このシステムと上手に付き合って」いかなくてはならない。そのために何が必要なのか。本書には、著者の明確な意思が込められた答えが散りばめられている。

  •  面白すぎる。「資本論」を読むコツ、ツボがわかる。
    恥ずかしながら、宇野学派なるものを初めて知った。
     それにしても、これまで出ている「資本論」の邦訳は難しすぎる。新訳が出ないものか。

  • セミナー形式で進む資本論の解説。
    難しい話、楽しい話混在。勉強になります。

  • 労働力の商品化、同語反復(トートロジー)、ポストモダン。実は資本力によって労働力を生産することはできない。国家は搾取しているのではない。収奪している。
    難しいけど勉強になった。論理で物を考える。それをどう実生活に落とし込むか。

  • 現在の労働者が生きやすい様に、マルクスの資本論を通して、現在の資本主義の仕組みを読み解く本。数回の講義を書面に起こした形式になっており、ブラックユーモアがタップリでとても面白い。
    資本論を理解する為のとっかかりとしては良い本だと思うけど、資本論には様々な読み方があるらしく、その他の多くの本を読み進めないと全体像の把握は難しいと感じた。
    印象的なのは、資本主義というのは全ての物に値段つく。命にも値段がつく。偏差値75の子と40の子が交通事故でひかれた場合、75の子は将来官僚になってお金を稼ぐ可能性が高いから、40の子より慰謝料が高い。
    当然労働力も商品になっている。安い給料で沢山働いてくれる労働者が、資本家にとっては当然嬉しい。今流行りのブラック企業は無くなることはないだろうと。
    金が無いと生きていけないと思っているのは、資本主義の枠に囚われているからであって、金が無くなったからといって命を絶つ必要は全くない。大変だろうけど。
    資本主義を生きる全ての人にオススメです。

  • 自分なりの理解で~1867年に刊行された『資本論 第一巻』は他の古典と同様に自分の人生が苦しい原因の6割が解明される。岩波文庫版,向坂逸郎訳『資本論』を通読できないのかというと序文が難解で,しかも「第一篇 商品と貨幣」「第一部 商品」「第一節 商品の二要素 使用価値と価値(価値実態,価値の大いさ)」が理解しがたい。使用価値としてのボールペンは書くことに利用価値があるが,売る側は70円で売ることだけに価値を見出す。貨幣蓄積が目的で,貨幣には魔術性がある。日本資本主義論争には,講座派と労農派の対立があり,講座派は天皇制を打破して日本を資本主義化し,次に社会主義革命を起こすという考えで,労農派の主張は,天皇はもはや資本主義システムの中に解消されて権力の実態は三井・三菱と言った大財閥が持っているから,すぐにでも社会主義革命は可能なんだとする。講座派からは転向者が続出し,『日本の特殊な型の中』にいて,天皇のもとにおいて,その上で資本家の横暴を抑える革命は可能だと考え始める。日本特殊論は1930年代以来の講座派の枠内で考えているわけだ。一方グローバリゼーションを唱える新自由主義者のフレームは労農派的で,柄谷行人も労農派の流れ。労働力の商品価値としては,①衣食住と娯楽費用②次代の労働力の再生産費用③技術革新に付いていくための学習費用,の三つがある。18世紀末から19世紀にかけて土地に縛り付けられていない自由で,生産手段から自由(持っていない)な労働者ができた。その労働力を購入できる資本家が生産過程を家屋得した。本質的アナーキストの宇野浩蔵の『経済原論』はマルクス経済学を語っている。どうせ他人が食べるものだから,食品偽装なんてお茶の子さいさい,というのが資本家の見方。カール・ポランニーによると,人間の経済の要素には①贈与②相互扶助③商品経済の三つがあるという。確かに,久米島をみていると①+②=③という気がする。近代経済学が貨幣を問題にせず,アベノミクスがインフレターゲットを2%としているのに違和感を感じるのは,こうしたマルクス的観点が活きていないせいだ。資本論を読んでいるとW-G-Wとか,G-W-G’(G+g)と出てくる。後半が商人資本だ。金貸し資本はG……G’(G+g)。マルクスの間違いは,資本主義の発達で資本家同士の競争が起き巨大資本だけが生き残る→窮乏・抑圧・隷従・堕落・搾取が非道くなり二極化が進むと,労働者は耐えられなくなって反抗し団結し抵抗し資本主義を破壊する,としている点で,好景気の後の恐慌を救うのはイノベーションであって,資本主義システムの中できちんと回っていると,労働者は抵抗なんてせずに,こんなものなんだと思うようになる。労働者階級が再生産できるように,結婚して子どもを教育し自己教育用の賃金を与えておけば,窮乏化なんてしそうもない。ビットコインは一般的等価物であるが,通貨になり得ないのは金と無関係であるからだ。近経では金なんて全然関係なくても貨幣は成り立つと考えてドルを刷ろうとするが,管理できない管理通貨制度によって我々は苦しめられている。資本というのは絶えざる運動であって,それは必ずしもカネだけでなく商品にもなるし人間が労働しているなら,そのプロセスにもなる。多大なカネがあれが,それを貸して利子が出てくるフェティッシュな物神性が出て行くいき,貨幣は差異を消す。資本主義は,労働力商品化と持っていれば利子が入る擬制資本(株式)という非常に強い共同主観性(幻想)の上に成り立っている。株式はフィクションだ。それに気が付くためには,直接的人間関係を築くこと,呑み会に行っても割り勘ではなく,それぞれの懐具合に合わせた会費を取ることで良い。資本主義の成立には収奪があった。国家が調整に入って,暴力によって徴税するだから,明らかに収奪。役人は,こうした仕組み... 続きを読む

  • 「資本論」というのは何が書いてある本なのかが、(少しかもしれないが)理解できたように思う。
    難しい話をしているはずだが、とてもわかりやすい(著者の力と頭のよさによる)。
    各章の長さが適量という理由も大きいかもしれない。これは、講座1回分が1章ということとも、もちろん関係しているだろう。

    同時に、佐藤さんからあのときに聞いた話、あそこの本で読んだ話は、この論理とつながっていたのか、こういうことだったのか、と気づけた点が多かったのも、この本を読んだ収穫だった。
    佐藤優ファンは、この本を読むことで佐藤さんの言っていることがより理解できるようになるように思う。

  • この人、顔で損している気が…内容はかなりおもしろいです。ピケティ読む前に読みましょう。

  • 『資本論』の読み方の案内本であり、ブックガイド的でもあり参考にはなるのだが、講義形式で脱線も多く、これを読んでも『資本論』についてはよくわからない(受講生は原典を読んだ上で受講しているのだろうけど)。しかも佐藤氏による解釈でしかない。が、『資本論』に限らず古典には様々な解釈があり、いろんな解釈を比較してみる必要性に気づかされる。時間と場所の制約を受けて2万払う6回の講座が、休日に1300円で読めるのはお得かなとは思う。

  • 全6回、講座参加料1万9千円。佐藤優による、資本論の講義録。読んで損な訳がない。

    講義内容の有用性は様々で、資本論的感覚は既に実社会で取り立てて考えなくても染み付いている事が多い。従い、思想の成り立ちや言葉の定義を理解する事は、さして実用的に利する中身とは思わないかも知れない。応用の必要性がなく、せいぜい教養と試験に役に立つ程度、と言い切って良いのではないか。

    しかし本著が明確な意思を示し、際立つのは、資本主義の心情的限界とも呼ぼうか、理念的な刷り込みに疑問と気付きを投下してくれる点だ。筆者は、経済を媒介しない直接的人間関係を築く重要性、拝金出世信仰の問題を提起してくれている。そこに、本著を読む価値があった。

  • 佐藤優さんによる「資本論」の解読(ピケティじゃなくてマルクスですよ)。
    資本論は様々な読み方があるという前提で、○○派はこう読んでいる、○○派はああ読んでいる、などの考察が面白い。格差や少子化など資本主義の行き詰まり感がある現在、古典の資本論を振り返ると考え方が整理できる。

  • 佐藤さんは西洋にかぶれることなく、日本人思想家や学者を引き合いに出すので親近感がわく。
    本の内容も難解ではあるがシンプルな筋立てであるため、思考の整理がしやすい。
    もう一度読み返して深く理解したい内容である。

  • 下手に経済学部に行くよりもこの1冊を熟読したほうが経済に精通できる。もっと勉強しないと。古典の重要かも分かる。

  • 佐藤優さんはものすごく頭のいい人という印象があり、資本論の本が読めるかどうか不安だったが、講義形式だということもあり、非常に読みやすく理解しやすかった。資本論のエッセンスを学びかじることができた。

  • カール・マルクスの資本論の全3巻を、一番重要な部分だけを取り上げて、全6回にて読んでいく著者の講義を本にされたものです。資本論は難しいし結論も分かりにくものなので、このように全体を俯瞰できるようにまとめてくださったものは有り難かったです。また、それぞれの論点に対する見方も色々と取り上げていただき、資本論の良いところ、悪いところも体系的に身につけることができると思います。
    マルクスという人間像も把握したうえで読むというところも資本論への良い近づき方を与えていただいたと思います。資本が良いものなのか、悪いものなのかはともかく、それがどんなものかについては大分整理できるのではないでしょうか。

  • 私は今まで資本論を2回読んだけれど、よくわからなかった。

    私の場合はじめの方が読みやすいと感じてうしろの方になるにしたがってなんだか味気なく計算式もよくわからずもう流しているだけで終わった。はじめの方の理解は柄谷行人の作品で親しみがあったのが大きいのだろう。

    佐藤さんによるとうしろの方はエンゲルスの文体らしい。エンゲルスの文体は味気ないということか・・・。マルクスの計算も彼は数学が苦手で四則演算のみで間違いも多いという。

    それでなんだか読んでいるうちに感じていた違和感の理由はわかった。資本論第四巻にあたる剰余価値学説史を読んでみたく思った。

    資本論を読んでいてよくわからなかったが印象だけは持った。それはマルクスの別の作品でヘーゲル法哲学批判序説というものがあり、そこに宗教の批判という部分がある。

    ●宗教の批判は、人間が人間にとって最高の存在であるという教えでもって終る。したがって、人間が貶められ、隷属させられ、見捨てられ、蔑視された存在となっているような一切の諸関係 - 畜犬税の提案にさいして、或るフランス人が「あわれな犬よ、おまえたちを人間並みにしようというのだ!」と叫んだ言葉でもっともみごとに描きだされているような諸関係 - をくつがえせという無条件的命令をもって終るのである。●

    マルクスの資本論はこういった宗教の批判を根幹にしたものだろうという印象である。無条件的命令とは反省せよということである。そして反省の命令により服従を反省せよといっているややこしい話なのだが至極もっともな話でもある。

    佐藤さんのいわれた単純だけれど最も重要なところは労働力の商品化についてだろう。労働力の商品化により全世界は資本主義に支配されてしまった。その支配の現実主義(リアリズム)は今生きていればひしひしと感じるものである。ではどうすればいいのだろうか?マルクスの言う無条件的命令である。反省の無条件的命令と服従することについて反省することである。自らが労働力商品であることを反省しなければならない。そこから形成されるだろう何かこそ人間の理想郷へ続く道である。

    人間マルクスについての本も読んでみたい。

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いま生きる「資本論」の作品紹介

「革命」は関係ナシ。いまのすべてが分かる、私たちが楽に生きるための『資本論』。私たちの社会はどんなカラクリで動いているのか。自分の立っている場所はどこなのか。それさえ分れば、無駄な努力をせず楽しい人生を送ることも可能だ。アベノミクス、ビットコイン、佐村河内騒動、など現在のトピックも、すべてこの一冊で読み解ける。知の技法を知り尽くした佐藤優が贈る抱腹と興奮の白熱講座。紙上完全再現!

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