トム・ゴードンに恋した少女

  • 新潮社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105019099

作品紹介・あらすじ

世界には歯があり、油断していると噛みつかれる-。ボストン・レッドソックスのリリーフ・ピッチャー、トム・ゴードンに憧れる、少女トリシアは、9歳でそのことを学んだ。両親は離婚したばかりで、母と兄との3人暮らしだけれど、いがみ合ってばかりいる二人には、正直いって、うんざり。ある6月の朝、アパラチア自然遊歩道へと家族ピクニックに連れ出されるが、母と兄の毎度毎度の口論に辟易としていたトリシアは、尿意をもよおしてコースをはずれ、みんなとはぐれてしまう。広大な原野のなかに一人とり残された彼女を、薮蚊の猛攻、乏しくなる食料、夜の冷気、下痢、発熱といった災難が襲う。憧れのトム・ゴードンとの空想での会話だけを心の支えにして、知恵と気力をふりしぼって、原野からの脱出を試みようとするが…。9日間にわたる少女の決死の冒険を圧倒的なリアリティで描き、家族のあり方まで問う、少女サバイバル小説の名編。

感想・レビュー・書評

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  • 迷子少女が森でサバイバル。遭難,心の支えはラジオ野球中継と守護神トム・ゴードン。雀蜂司祭や付纏うあれの気配が不気味。自然の脅威を乗越えて生き抜き,人差指で天を指す9才トリシアの逞しさが良い。

  • 山で遭難してしまった野球好き少女がサバイバルする話。

    ほんっともう,しょっぱなのきっかけのところから「ばかー!戻れーー!」と思いながら読む。
    途中極まって妄想を見始めたりしたあたりで,キングお得意の異世界的なヤツが出てくるのかと思った。

    結果は敢えて書かないことにします。

  • 悲惨な状況にあっても時にユーモア(ブラックな)を的確に入れてくるところが好きです。ラストの爽快感もたまらんです。

  • ピクニックに来た少女が軽い気持ちで歩道を外れた結果、広大な森で地獄の遭難生活を送る話。
    尖った草や腐った水や激痛を与える虫や、荒れ果てた森そのものが少女の精神と肉体を消耗させる中、心の支えはハンサムな野球選手の妄想だけ。壮絶。

  • 大好きなスティーブン・キング
    とても久しぶりに読みました
    早く新作に会いたい

  • 森の中に迷いこんだ少女が、森をさまよいながら名投手トム・ゴードンの幻影に支えられるというサバイバルもの。
    キングは本当に上手い。展開を野球の試合に例えて一回から九回まで分けてある。これくらいの長さは、きっちり印象に残っていい。
    さすがにキングの長編は、最近敬遠ぎみなので・・。

  • どれが現実で、どれが思い込みが作り出した幻影なのか、本人もわからなくなってくる感覚がリアル。そう、「人間ってこうだよね」って思える。

  • 9歳の女の子が迷子になる話を、スーパーナチュラル無しでこんなに面白く読ませるキングはすごい

  • 「ジェラルドのゲーム」を思い出す

    あげちゃった

  •  4冊目になって、ようやく自分とキングの相性の度合いがわかってきました。
     描写がある種の“リアル”がキングの売り。そして本を読んでいる時の私は、キングの描く人になりきるのではなく、斜め後ろから眺めて共感したり、彼(彼女)の先を思いやってハラハラしたり、そんな感情を抱いて読むようです。
     早い話、主人公の置かれた状況に関心がないと読書のおもしろさが薄まり――今回のは、あまり楽しく読めなかった。俯瞰で見た時にスリルを感じなかったのが原因だと思います。彼女の身になって考えればすごい大変なんだけど、一歩下がって見てしまった。

     キングの書く人は、よくも悪くも“普通の”人たちだから、キャラの魅力というよりキャラの状況に魅力がないと牽引力が乏しいのかも――と書いて、キャリーやキャラハン神父(呪われた町)はすごく魅力的だったことを思い出した。

     ともあれ、キング作品は私には当たり外れがものすごーく大きくて、面白いものはいつまでも後を引くのに、面白くないものは時間の無駄感を感じてしまう。これは、どんな差違によるものなんだろう?

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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