私たちの幸せな時間

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著者 : 孔枝泳
制作 : 孔 枝泳  蓮池 薫 
  • 新潮社 (2007年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105055516

私たちの幸せな時間の感想・レビュー・書評

  • 過去のレイプ被害で自殺未遂を繰り返してきた女性と、冤罪で死刑判決を受けた男性、そして2人を見守る教誨師の叔母の物語。面会交流を通じて、男女とも、自分の生い立ちとこれからの人生を見つめなおしていきます。「他人を赦す」とはどういうことかを考えさせられる著。

  • 2014年7月韓国に出張するさいに 携行し 読んだ本。

    韓国はよくしられているようにキリスト教信者の数が多い。
    この本は何度も自殺を試みた自分で不幸だと思っている
    主人公が、キリスト教のシスターである叔母につれられて死刑囚と定期的に面会を重ねるようになるなかで、人生の意味をみつけていくという話である。

    死刑囚が他の受刑者と同じところに入っているというのは日本とは違う。日本は刑務所でなく拘置所におかれる。また常に手錠をさせられているというのも人権軽視で問題だ。


    この本は人生をいきるとはどういうことかを追究したかったのだが、人にどのようにみられるか、どう自分はおもったかが描かれており、日本の小説のメンタリティーに近い。しかし、語られる出来事は、強姦、冤罪、貧困と重い材料ばかり。

    低い材料で同じテーマを追究したほうが日本人受けはよいだろう。

    それでもなかなかの佳作。
    蓮池さんの翻訳も読みやすい。

  • 2014年3月18日読了

    死刑囚という題材で、ラストは見えていて、読み進めて行くうちにどんどん辛くなった。
    キリスト教の概念がないせいか、それとも小説のために極端に描かれているからなのか、理解しずらい点も多々あったけれど、学ぶところや、反省するところがたくさんあった。
    なによりも、濃く描かれているわけではないけれど、伝わるユンスとユジョンがお互いに惹かれあっていくところが切なかった。
    映画はカンドンウォン。ちょっと気になる。けど悲しいから見たくないかも。。> <

  • 残虐な死刑囚ユンスと自殺未遂を繰り返すユジョン。
    生きる希望を見出せない2人が運命的に出会い、生きる意味を
    みつける物語。
    世の中の理不尽が胸を締め付ける。
    貧富の差や、人々の無関心が生んだ悲劇。
    キーワードは『赦し』。
    ユンスの死刑を食い止められなかったことが読んでいてももどかしく、
    息が苦しくなるくらい泣きました。
    死刑制度のことや、人生についていろんなことを改めて考え直す
    よい機会になりました。
    蓮池薫さんの翻訳が素晴らしいです。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:929.13||K
    資料ID:50700202

    2007/07/14公開『私たちの幸せな時間』原作

  • 改めて、死刑制度について考えさせられた。韓国と日本は違うけれども。日本は死刑制度は多くの国民が賛成だ。私もその一人。刑を受けることで、もちろん改心する受刑者もいるだろう。死刑と無期懲役ではあまりにも極端すぎるから根本的に変えるべきであるとはずっと思っていた。他の国みたいに刑200年とか100年とかをつくるとか。ほかに、この本を読んで韓国という国が抱える闇も見えたような気がした。これはあくまでフィクションなので本当にあったことではないが、警察に通報してもいつまでたっても来ない。逆に通報した人が警察に逆ギレされるなんて、日本では考えられないようなことが(→たぶん)あるのだろうか。性犯罪も韓国は多いらしい。小説の内容ももちろんすばらしかったのですが、韓国という国全体が少し見えたような気がしました。

  • 何か蓮池さんが手がけた翻訳本を読んでみたくなって図書館で借りた。死刑制度について深く考えたことがあるわけないけど、廃止するのはどうだろう...今度、この本が原作になっている韓国映画も見てみよう。

  • わからないの一言で脇に押しやっていたものに言葉が与えられて、わかるものに変わった感じがする。
    愛ということばから受ける印象が深くなった。

  • 大味で濃すぎて、食傷。韓国料理が苦手な人間にはしんどいかもしれぬ。

  • 生育歴とやむを得なかった犯罪と。犯罪の結果としての死刑。
    どこで何を断ち切ることが出来るんだろう。何が最善なんだろう。

  • 読み終わった時、やりきれなさに、しばしたちなおれず。

  • 読み終わってからの救われなさに絶望する。でもすごくいい本。考えさせられる。

  • 社会における階級で上部と下部という対極に位置する2人が不幸であるという点でつながっている。
    不幸とはなんだろうか・・・そんなことを考えさせる作品。
    生きていくうえでどう考えていきていくのかが大切かなど、人生について深く考えてしまいました。

  • お隣、韓国にも死刑制度はあったわけか。切ない話。
    折しも日本では東京拘置所の刑場公開があったばかり。考えさせられた。

  • 漫画版よりも複雑で分かりにくい部分もあったけれど、いろいろ考えさせられる話でした。映画版も見てみたいです。

  • 裕福な家庭に育ち、自殺未遂を繰り返すユジュン。
    貧しさから犯罪を犯し、死刑囚となったユンス。
    貧富の差よりも、親からの愛情に飢えている共通点から、ふたりは心の暗闇を昇華していく。
    叔母のモニカ修道女とイ主任の存在も忘れられない。
    文中には、考えさせられる言葉が詰め込まれている。
    半ばまでは退屈だったが、後半はあっという間に読んでいた。
    翻訳は、蓮池薫さん。

  • 漫画が良くて読みました。原作の方が、もっとシビアだったな・・・。
    たくさんのセリフに、泣かされそうになりました。
    今まで読んだ本の中で1番、胸にくる言葉がたくさんあった作品だと思います。

  • 蓮池薫さんの翻訳が素晴らしすぎる。

  • タイトルが気に入って手にした本

    想像のタイトルから浮かんだ内容とは逆なものだと中旬読んでいて感じ、心が締め付けられるような気持ちになりました。

    しかし、誰しもが持っている心の糧は愛するということだと本が教えてくれた

    そして、気に入っている一説

    プラタナスの木は相変わらず残り少ない葉を一枚一枚落としている。人間もあんなふうに一年に一度、死んだように長い眠りにつき、また何事もなかったように起き上がれたら、どんなにいいだろう。深い眠りから覚め、薄緑色の新芽とピンク色の花を咲かせることからすべてを始められたら、どんなに・・・。


    こんな気持ちの持ち主だった、ユジュンだったが死刑囚との出会いから愛を学びとり、命を学んでいく。

    人との関わりから人を許せる寛大な心の持ち主に変わっていく。

    簡単に「分からない」で済ましていることに向き合う勇気をくれた本でした。

  • (2009.03.14読了)

  • 何度も自殺を繰り返した裕福な生まれの元歌手ユジョンが、刑務所を慰問する叔母である修道女モニカによって、殺人を犯し死刑囚となったユンスと出逢います。
    ユンスの生まれてからの短い手記と、ユジョンの語りで綴られていくユジョンの過去、そして、今。刑務所の面会室で週一回話をするだけの二人の時間は、互いの心を癒し変化を遂げていきます。
    この形の話のパターンは決まっているとはいえ、やはり、読んでいくと日々の自分の行動や、考え方を見つめなおすいい機会になったと思います。

  • 映画とはまた少し違う。

  • 電車やバスの中で本を読んでいて、思わず涙を流しそうになった本は初めてだ。そういった公共の場で、例えば面白いエッセイなんかを読んでいて、笑いが止められずに思わず吹き出したことは何度もある。でも、
    涙は大抵、自分でコントロールできる。なのに、この本は開く度に、毎回毎回、涙を見せないようにするのに必死にならなくてはいけなかった。久しぶりに、胸が締めつけられるような感覚に陥った。
    読み始める前は、どうせ死刑囚とそこに訪れる女性の恋物語だろうと思っていた。また「泣かせる」韓国の物語に違いない、と。でも、どうやらその予想は大いに裏切られたらしい。
    この小説が扱っているのは、多分そんな単純なものではなくて、現在の韓国社会が抱えている問題であったり、もっと根源的な「愛」の意味だったりする気がする。もちろん死刑制度の是非というのも大きなテーマかもしれないが、それよりもっと深いところで「生」の意味を突きつけられる物語であった。私の場合は、多少韓国という社会について興味があったから、余計にこの小説が現実味を帯びたような気もする。急成長を遂げる社会に生じる様々な矛盾。韓国のポップカルチャーに湧く私たち日本人が見ていない韓国の現実がここには描かれている気がした。キリスト教が絡んでくるがゆえに、多少日本人にとって理解しがたい部分もあるかもしれないが、それでもここで語られる「許す」という行為に、多くのことを考えさせられるし、「許す」というある種非常に宗教的な言葉の意味も、ストーリーの中で感覚的に理解できる。「知っている
    」「知らなかった」そんな言葉の意味も、改めて考えなければいけない、そう思わせてくれるような作品だ。
    本当に、久しぶりの感動作。この作者のプロフィールにも興味を持った。ぜひもう少し他の著作を読んでみたい。
    (2007年10月8日)

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