ハイパーインフレの悪夢: ドイツ「国家破綻の歴史」は警告する

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105062712

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  • 衣食足りて礼節を知るの世界を再認識

  • 「国を打ち倒したかったら、まずは通貨を破壊せよ」
    想像を絶するハイパーインフレの実態。。。というか、ほとんどどのページを見てもパンが一日で30%値上がりした、とかそういう話ばかりで逆に眠たくなるくらいだ。

    1914年に50%程度だったドイツのエンゲル係数は、1919年には75%になっていたという。1913年から1923年までに、丸くは実に1兆分の1の価値にまで暴落(というか微小すぎて無視していいレベル)

    WW1:軍部:戦争したい→政府:戦費調達→インフレ
    (兵士の戦意をある程度くじくくらいのインフレだったようだ)
    ベルサイユ条約(フランスがありったけの恨みを込めて創り上げた条約)
    マルク安にして重工業の国際競争力をあげるため(ウォン安みたい)、見た目の賃金をあげるため(実際はすごいインフレで銀行員の年収で4人家族を1ヶ月食べさせられるのがどうにかってくらいだったらしい。。。死ぬしかないやん)
    「ドル・物価が上がる」との認識。マルクが下がる、との認識はなく、より多くのマルクを求める。

    貯金などの資産価値は激減
    とにかく通貨をモノに変えようとして、老人が子供服を買ったりするくらい
    「パニックがあらゆる法を無視せよと言っている」

    インフレ→外国人にとっては旅行が激安(日本人もカメラ買いに行ってたらしい)→困窮する自分、豪遊する外国人→外国人嫌い
    インフレ→金融=ユダヤ人の陰謀説(なるほど!)→反ユダヤ主義

    ブルーカラーの給料がホワイトカラーの給料を凌駕。「頭脳にはもはや市場価値はない」と大学教授が嘆いたほど。(なるほど!知識階級に多かったユダヤ人がアメリカに行ってもいいやと思えただろうな。後から考えたら馬鹿としか思えないけど、これなら納得。)

    農民(=減少しない価値有るモノを持った人)のほうがいい生活。グランドピアノを小麦少しで手に入れるなど。

    中産階級の崩壊、反ユダヤ主義→ヒトラー台頭の温床に

アダム・ファーガソンの作品

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