暴露:スノーデンが私に託したファイル

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制作 : 田口俊樹  濱野大道  武藤陽生 
  • 新潮社 (2014年5月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105066918

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暴露:スノーデンが私に託したファイルの感想・レビュー・書評

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  • 超弩級のサスペンスを読んでいる感じ。読み応えがあります。これが現実かと思うと薄ら寒くなる。

    第一、二章では、著者とスノーデン氏との接触の様子が映画の導入部に様に描かれています。

    第三章ではスノーデン氏のファイルに基づいて、NSAの情報収集の実態が暴露されます。
    シスコのルーターやサーバーに不正工作を仕掛け、大量のインターネット・トラフィックをNSAのデータベースに送信させているらしいです。まさに根こそぎ持っていく感じで、これでは防ぎようがありません。
    NSAはあらゆる情報を収集して、実世界のコピーを作ってしまう考えなのだろうか。

    第四章ではNSAが目指す監視社会の害悪について掘り下げています。これがないとただのゴシップになってしまう。ジャーナリストとしての本領発揮となる章です。
    NSAが個人のプライバシーに関わる情報を収集している事実がある一方で、「通話記録の大量収集は、テロの脅威からアメリカを守ることになんら貢献していなかった」のも事実の様である。
    監視社会は犠牲にするものが大きすぎる割に、効果はない。デジタル世界はまだまだ生まれたての赤ん坊みたいなものなのだから、我々が安心できるデジタル世界を実現する方向に少しでも進まなければ、スノーデン氏が勇気を持って告発した意味が無いと思う。
    透明にすべきは個人のプライバシーではなく、公権力行使のあり方であるはずた。

    第五章は、アメリカのジャーナリズムの腰抜けぶりを喧伝している。今回のスノーデン氏の告発に関連して、いくつかのひどい仕打ちに合っているようだ。しかし、この章については、アメリカのジャーナリズムについて書かれた他の本を読んでから客観的に判断した方が良さそうだ。ただし、アメリカで影響力をもつジャーナリストの多くが億万長者であるという指摘はさもありなんという気がする。

    日本でもNSAによる情報収集は行われているようである。日本は平和ぼけしているので、無防備であるうえにジャーナリズム気質が希薄なため、今回のスノーデン氏の告発についても温度差がある様に感じる。

    この本は、NSAの実態を「暴露」するとともに、アメリカのジャーナリズムの実態も「暴露」している。ジャーナリズムとはこのようなものであるということを知るうえでも良書だといえる。

  •  スノーデンから極秘情報のリークを持ちかけられたジャーナリストによるノンフィクション。

     スノーデンとのやりとりに始まり、膨大な彼のファイルから国家による監視の何が問題なのか、その後の展開から体制に迎合するマスコミ批判と続いていく。
     国家による監視は直接の害というより監視が行われているという意識による害が大きいのだと感じた。この事件の意味を小さくとらえていたことを反省。

  • 毎年恒例、プーチン大統領が国民の質問に丁寧に答えてくれる
    よという茶番劇…じゃなかった、TVショーが今年もロシアで放送
    された。

    そこに登場したのが誰あろう、エドワード・スノーデン氏である。
    そう、アメリカ政府の情報監視活動を暴露した、元NSA(米国
    国家安全保障局)の元職員だ。

    アメリカ政府による監視活動んいついて述べた後、ロシアも
    同じような監視活動をしているのかというのがスノーデン氏
    からの質問だった。

    プーチン閣下曰く「情報収集に関しては法律を順守して行って
    いるが、アメリカみたいに豊富な予算し、技術的能力もないさ」。

    あぁ…元KGBがこんな答えですよ。なんたる茶番。

    さて、本書である。ある日、著者は1通のメールを受け取る。署名
    には「キンキナトゥス」。古代ローマで独裁官に指名されながらも、
    反乱軍を鎮圧したのちに独裁官をあっさりと返上して、平民に
    戻った伝説の人物。

    このメールの差出人こそ、エドワード・スノーデン氏である。

    本書は大きく3つのパートに分かれている。第1パートは著者と
    スノーデン氏との接触から、スノーデン氏が持ち出した秘密文書
    をいかにして公開するか。スクープを掲載することになった英紙
    「ガーディアン」との駆け引き。

    第2パートは実際にスノーデン氏が著者に託した文書の一部を
    掲載し、どんな監視方法が取られていたかを詳しく解説している。

    そして、第3パートは報道後のアメリカ大手メディアの反応と、
    著者が考える報道の役割である。

    アメリカ政府の世界規模の監視活動の内容も、報道当時と同様、
    ショッキングだ。だが、それ以上に衝撃だったのはアメリカの大手
    メディアが行ったスノーデン氏及び著者に対するネガティブキャン
    ペーンだ。

    ペンタゴン・ペーパーズやウォーターゲート事件を報道したアメリカ
    のメディアは、いつから政府の提灯持ちへと変身したのか。

    9.11後、アメリカは「テロが起きたらどーするんだよ」と国民の恐怖
    を煽り、愛国者法などという悪法を通して来た。NSAはアメリカ人に
    対する監視活動は行わないと約束していたが、それさえもテロの
    脅威の名の下、なし崩しになった。

    アメリカ政府が言うように、テロを未然に防ぐ為に必要であるので
    あれば、ボストンマラソンでの爆破テロは未然に防げたはずだった
    のではないか。

    日本でも特定秘密保護法案が出来、国家安全保障会議が誕生
    した。将来、アメリカと同じことをしないとは言い切れない。

    他人事ではない。こうしてネット上に、ああだこうだと書いてる
    ことが、どこかで秘密の目に監視されているのだから。キャー。

    尚、アメリカがドイツのメルケル首相の携帯電話を盗聴していた
    との報道があった後、「安部首相の携帯電話は大丈夫」と官房
    長官が胸を張って断言していた。

    それって…盗聴に値しない人物ってことですけど。

  • 発達した今、どれだけの情報が、自由に、自在に操られて、操れるようになっているか。

    プライバシーなんて、もう、ないのかもしれない。

    そんな世界が近い、
    警鐘を鳴らしても、これが進化なのかもしれないなと、危機感薄く、私は思った。

  • スノーデンさん正義感強いなあ。
    個人的には、別にそんなに悪いことしてる訳でもないので、別に監視されててもいいなあ、それでテロも防げるなら、って思った。笑

  •  オリバー・ストーン監督の映画「スノーデン」を補完しようと読んでみた。
     本書の前半は、映画の香港でのシーンそのままだ。本書を読んで、スノーデンの決意、その貴重な情報をいかに効果的に世に問うかに煩悶とする<ガーディアン>陣営の苦悩が良く理解できた。本書を読んで、映画を再度見直したくなった。

     映画ではジョセフ・ゴードン=レヴィットが実に人間味のあるスノーデン像を演じきっていて、実物以上の好人物と思って観ていたが、本物のスノーデンも実に知的で思慮深く、なにより覚悟が素晴らしい。
     言葉のひと言ひと言が、実に深い!

    「マスメディアの自由闊達な精神の保持とインターネットの自由のために戦ってください。私は政府の最も暗い一画で働いてきました。彼らが恐れるのは光です。」

    「われわれは原則を強化すべきなのです。権力を持つ者がプライヴァシーを享受できるのは、一般人も同じように享受できる場合に限られるという原則を。人間の方策としてというより、自然の摂理として働く原則を。」

     そして逃げ隠れせず、自ら名乗った思いも素晴らしい。

    “自分が何者なのかを合衆国政府に定義させるのではなく、世界が見つめる中で自ら定義する”
     
     情報ソースが秘匿されることで回りに及ぼす被害にも配慮したという(自分が情報を抜き出したという証拠すら残してきたというのだから恐るべしだ)。
     さらに、身元を明かした上で、必要以上に、その身を晒すことはしない。それは自分がリークした情報、“真実”の中身から世間の注目を逸らしたくないからだと。 お金にもなる、保身にも、身の安全にもなる各種のメディアからの取材要請を一切拒否し、”名声を求めるナルシスト”という、合衆国政府寄りの罵倒を封じ込める。
     そんな毅然とした行動を、僅か29歳のエンジニアが取れるものだろうか。余程、己が接してきた「政府の最も暗い一面」の闇が深かったと思わされる。恐るべきことだ。

     本書の中盤からは、持ち出された情報の一部が紹介されるが、そこは斜め読み。その情報の重要性が正直イマイチ理解できなかった。
     そして後半は、スノーデンの話題から離れて、記者として著者の身に及ぶ影響、こうした反政府的な情報を取り扱うことの危険などが語られて、それはそれで面白い

    “ジャーナリストの肩書がなくなると、報道の正当性が疑われる”、
    “さらに、”活動家”にされると、法的な面にも影響が出てくる“、
    “いったん”活動家”の烙印を押され“、”活動自体が犯罪と見做される“

     そういったことを、著者グレンは、身をもって学んだという。ジャーナリストが政府の秘密を発表するのは一般的に合法とされるが、それが重要な秘密ともなると、法ですら守ってくれないということか・・・

     そんな、世界の真実に迫ろうとする記者たちの闘いの話も実に興味深いが、やはり、香港を離れてからのスノーデンのその後も、もう少し知りたかった(が、それをスノーデンが望んでいないことも理解できる)。
     <ガーディアン>がスノーデンの情報を発表した時に、そのサイトの冒頭にこう記した;

    “ダニエル・エルスバーグやブラッドリー・マニングと並び、スノーデンは合衆国史上最も影響力を持つ内部告発者としてその名を歴史に残すだろう”

     そのスノーデンに、著者グレンが“何度も繰り返し質問した結果”、最後にたどり着いた、“本物と思える回答”、 スノーデンの本心を備忘として記しておこう。

    「人間のほんとうの価値は、その人が言ったことや信じるものによって測られるべきではありません。ほんとうの尺度になるのは行動です。自らの信念を守るために何をするか。もし自分の信念のために行動しないなら、その信念はおそらく本物ではありません」

  • アメリカのNSAがあらゆる電子情報、通話記録などをなんでもかんでも収集していることを暴露したスノーデン氏のこと、および体制の顔色をうかがうジャーナリズムへの警鐘が記載されている。

    スノーデンから筆者への最初の連絡が2012年12月1日。それからすでに4年以上経過しているが、きっと今でもNSAは情報を集めているだろうし、人々はそれに慣れきってしまっているように感じる。

    ちょうど映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』が公開されているのだが、やはり喉元過ぎて熱さをわすれるんだな、人間は。

  • 本書は、エドワード・スノーデンの告発に協力した、イギリスの新聞社ガーディアンのグレン・グリーンウォルドによるドキュメントです。スノーデンの告発は、アメリカでは激震するような内容でしたが、日本では他人事のように扱われており、実際、自分もその一人でした。

    スノーデンは、アメリカ国家安全保障局(NSA)の局員であった頃、アメリカの執拗な監視体制に嫌気が差し、国家機密を新聞社へリークしました。そのリークの内容は、NSAがアメリカ全土、そして全世界のメール、電話の内容を監視し、更には、スマートフォンやパソコンのカメラや内蔵マイクを遠隔操作することにより、無差別に個人情報を収集していたというものです。

    もちろん、アメリカにおいては、この告発は重大な犯罪であります。危険を冒してまで、スノーデンが告発した理由やその後の生活など、まるでSFと錯覚してしまいそうな実話が記されています。

    先でも述べましたが、日本人はこの事件について他人事のように扱う傾向にあるそうです。政府のあり方、報道機関のあり方、国民一人一人の考え方というものを考え直すためにもおすすめの一冊です。

    (ラーニング・アドバイザー/物理学 KOCHI)

    ▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
    https://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?bibid=1660478

  • 2014年刊。◆アメリカ国家安全保障局(NSA)は、大統領の指示下で秘密裡に米国民あるいは外国政府・企業を盗聴して戦略情報を取得。本書は①これを暴露したE.J.スノーデンと記者との接触、情報入手、その報道までをドキュメンタリータッチで描く。また②Sが公開した機密文書の内容と③著者の米オバマ政権への批判から構成。◆①は過日の「BS世界のドキュメンタリー」にもあり新鮮味はないが、②は日本に関係ある内容が暴露。暴露文書にあるとおりの、内閣府や日銀等への米による盗聴が、折しもウィキリークスで報じられたばかり。
    ◇ここまでは予想されたところだが、その後の対応には暗然。独仏ですらなした厳重抗議に比して「遺憾の意」のみ。建前で押し通せる時は強いのに…。また独など、情報を米に渡さないことを謳い文句に自前のネットワークシステムを自国民に勧誘していることと余りに違う。◇抗議しない、できない理由につき穿った見方?。◆監視システムは批判者を黙らせる目的。が、全ての監視は不可能なので、監視していると思わせればよい(ベンサム)。⇒いかな心構えが要か?。◆暴露⇒米議会で超党派の反対。NSAへの予算凍結。ここが米の凄いところ。
    ◇S氏や著者が凄いのは言わずもがな。

  • スノードンの問題は、現時点でも未解決の問題としてメディアでも度々話題になっている。
    米国情報機関の機密情報の取り扱い、ということ以上に、インターネット社会における情報の取り扱いについて、一石投じた事件として、当時、どのような動機、背景で、何が起こったのか知ることは重要なことだと思う。
    インターネットこそが国境を越え、自由に情報を展開することができる場であると同時に、それを管理することが可能であれば、それを誰かがコントロールし、その自由を抹殺することすらできる。

    本著は”暴露”した側が書いたものであるが、これを否定的に取る側の論理にも触れられているし、事の本質にも深く踏み込んでいるので、頭の整理としても一読の価値があると思う。
    サイバーセキュリティの問題は、IOT化が進むにつれて、益々、脚光を浴びてくるだろうし、情報の取り扱いの考え方自体をコペルニクス的発想の展開を以って変えていかないと、解決の糸口が見つけられないような気もする。(それが何かは全く見当がつかないが)

    以下引用~
    わが国(米国)の憲法の起草者たちは、幸福の追求のために望ましいい条件を確保することを保障し、人間の精神性や感情、知性の重要性を認めた。彼らは、物質的幸福は人生の痛みや喜び、充足の一部でしかないことを認識し、合衆国国民の多種多様な信条、思想、感情、感覚を保護することを求めた。政府との関係においては、誰からも干渉されない権利を国民に付与した。
    (最高裁判所判事ルイス・ブランダイス)

    パノプティコン(一望監視装置)
    閉じこまれた者に常に見られているという意識を植えつけ、権力が自動的に作用する状態を作り出す。

    肉体的な安全より上位にある中心的な価値とは、国家をプライベートな領域ー合衆国憲法修正第4条で定義される”身体、家屋、書類、個人資産”-に関与させないことだ。それはこの領域が人生の質を左右する多くの特質ー創造力、探究、親交といったものーのるつぼのようなものだからだ。

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暴露:スノーデンが私に託したファイルの作品紹介

世界24ヵ国同時刊行! 未公表の最高機密文書、多数収録! 国家安全保障局(NSA)と中央情報局(CIA)という合衆国の二大情報機関に在籍したエドワード・スノーデンは、自身の運命と膨大な機密文書を著者に託した。香港で密会した情報提供者の実像、そして文書の戦慄すべき全貌――。一連の報道で英紙<ガーディアン>にピューリッツァー賞をもたらした当人がいま、すべてを明かす。

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