百年の孤独

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (445ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105090081

作品紹介・あらすじ

愛の欠如のなかに生きる孤独な人間の生と死、相つぐ奇想天外な事件、奇態な人々の神話的物語世界-マコンド村の創設から百年、はじめて愛によって生を授かった者が出現したとき、メルキアデスの羊皮紙の謎が解読され、ブエンディア一族の波瀾に満ちた歴史が終る。世界的ベストセラーとなった傑作長篇の改訳。ノーベル文学賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • ガルシアマルケスの代表作。
    焼酎の名前にもなっているので、題名ばかりが有名だ。
    それもそのはず、登場人物は名前が同じだったり、挿話がどんどんひろがって話の始まりがなんだったかわからなくなったりする。
    単純な話は 俯瞰して 誰がどうしてどうなったと簡単にまとめられるが、実際の現実は決してそうでない。
    挿話につぐ挿話とは私たちの人生そのものなのです。
    廊下をあるけば 会うつもりのない人にあい。 何かを食べようと思えば別のものを食べていたり、われわれはまるでパチンコの玉のようにあっちにあたりこっちに当たりいきている。それでいて 何がしたい こうなりたいという意志の働きも決して無視できない。
    この小説はプロットではなく ひとつひとつのエピソードをシャワーを浴びるように読み進めるべき小説だ。

    日本の小説に飽きた人 読んでみてください。

  • ラテンアメリカのノーベル文学賞作家、ガルシア=マルケスの代表作。アウレリャノ・ブエンディア、アルカディオ・ブエンディア、アマランタの名前を持つブエンディア家とその一族の住むマコンドという(コロンビアと思われる)架空の中米の街をめぐる話。
    同じ名前が何度も繰り返されるのと同時に、出来事は様々あれど、その一族で繰り返される出来事にラテンアメリカの混沌を見る思いがする。
    不思議な出来事が普通に起こり、周りの人たちも当たり前に受け止める。
    読み進めるのは苦しかったが、ラテンアメリカの雰囲気を味わうことができる。

  • 山々や草原の中を走る、多くの支流を作り蛇行しながら密林の中を流れていくアマゾン川のような濁流を丸木舟で流されていく。魔術が霧のようにたちこめ、プランテーション、内戦、ストライキなどが襲いかかる。死者は亡霊として漂い、ゾラのように名を継ぐ者の中にもよみがえる。それが南米なのだ。繰り返される同じ名前に幻惑されつつ圧倒的な物語の力に時間の経つのも忘れた。電車の中では吊革に掴まりながら読み、家に帰ると寝食を忘れて読んだ。最後の行を読み終えた時、戦慄が走った!再読する時にはあちこちに散らばっている宝石を拾いたい。

    思えば数年前に松丸本補でこの本の存在を知った。マルケスが亡くなったのを機に読んでみたが今が読む時だったようだ。「やし酒飲み」や「カリブ海偽典」(まだ読んでる)、旧約聖書、ゾラのルーゴンマッカール叢書に似ている。ナボコフの意地悪さにも慣れていたから溺れずにすんだと思う。面白いのが一族の誰もが主人公とも考えられるところ。今回読んでて大佐が主人公だとは思ったけど。

    • 淳水堂さん
      お邪魔します。
      百年の孤独はまさに寝食を忘れますよね。
      >一族の誰もが主人公
      >大佐が主人公だとは思ったけど。
      私も最初に読んだとき...
      お邪魔します。
      百年の孤独はまさに寝食を忘れますよね。
      >一族の誰もが主人公
      >大佐が主人公だとは思ったけど。
      私も最初に読んだときはウルスラや大佐の印象が強くこの二人はそれぞれこの話の中心かと思っていたのですが、二度目に読んだら大佐は2/3で退場、ウルスラは晩年呆けてあまり稼働していなかったんですね。
      でもやっぱり冒頭から出てきているこの二人は格別。特に大佐の死んだ時の喪失感といったら。
      2014/09/24
  • 「すごい体験をしてしまった!!」とぶるぶる震えてしまうようなすごい本。

    初めての南米文学として読んだのがこの本で、これまで読んだことの無い時間感覚や夢と現の平衡感覚にガツンとやられました。誰かが「南米の所謂マジックリアリズムは、実は結構そのまま南米の現実なんじゃないか」というようなことを言っていて、個人的には何だかすごく「ああそうなのかも」って納得した。多感なときに読んでしまうと、人生が変わるほどの衝撃を受けてしまいそうなので、取り扱い注意ですー。

  • これは凄かった。
    まず独特の世界観がすごい。現実も非現実も一緒になり、自分も異世界の住人になったような気にさせられる。
    語り部がとうとうと読んで聞かせるような文体は、これを読んでいると催眠にかかったように物語に引き込まれていく。

  • 見果てぬ南米大陸の、超自然的世界観。7世代にもわたる、この物語。「超」長編とも言えるこの小説を最後まで読み切ることができたのは、有無を言わせぬそのガルシア・マルケスの驚嘆すべき筆致にのめりこまされ、その幻想的世界を僕自身も旅することが出来たからだ。僕自身のこんなエピソードがある。僕は横になりながら『百年の孤独』を読んでいて、ふっとまどろみに落ちてしまった。僕はその夢の中で、コマンドにいたような、なにか幻想的な不思議な感覚に襲われた(と、目覚めたときに感じた)。起きた瞬間、ここがどこなのか、わからなかったのである。あたかも日常に当然存在するかのように書きあげる、そのフェーリック(妖精的)な世界。僕の現実世界もそんな超自然的世界に、接続されたかのような感覚を覚えた。
    「ストーリーの時間を線的につながない構造」「日常の具象的な側面のように語られる超自然性」に、ハマる人はハマるであろう。

  • ラストで「あああ~」となる。
    人生は結果ではなく、過程にある、と私は思う。
    独特の説得力を持つ筆致が、マジックリアリズムの世界に読者を引き込む。
    じっくり再読したくなる本。
    小町娘レメディオスの性癖、退場のシーンが印象的だった。

  • リアリズムのファンタジー、男と女、乾季と雨季、定住と放浪、生と死。饒舌なモノローグ。すご過ぎる。私のナンバー1.

  • マコンドという村を作ったホセ・アルカディオ・ブエンディアを始祖とするブエンディア一族とマコンド村の興亡を描いた百年にわたる物語。

    数多の現実的・非現実的なエピソードが次々と描かれるが、語り口は淡々としている。一族の者が同じ名前を名づけられるので混乱するのにくわえ、物語全体が長いので読むのに苦労した。読み終わるのに一ヵ月近くかかった。

  • ながい
    読み終わったことにしよう

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