- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105217136
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
謎の電話によって探偵業を引き受けた作家が、仕事にのめりこむあまり、自分をなくし、消えて行く物語。
ロジカルな説明はないし、意外な展開だけど、ふんふん読まされてしまうのはさすが。
むかーし読んだのの新訳だけど、こんな話だったんだな。
途中、ドン・キホーテをひいたり、ことばと事物のずれみたいな話が出てきて、哲学っぽい。それが、たぶん話の鍵になっている。
でも、謎の依頼人夫婦はどこいったんだろう。 -
私は職業探偵が出てくる本が大好物なので、基本的に萌えながら読みました。探偵萌え。別に謎とかはどうでもいいけど探偵が好き。
神の言葉、バベルの塔、迷路みたいなNY、探偵、探偵小説、小説。おもしろい。そしてなんか悲しい。訳者あとがきを読んで、また悲しくなった。でも小説だから、いいんだろう。 -
柴田元幸氏の再翻訳版。
探偵小説の枠組みを使って書かれた、
ポストモダンで透明感のある迷宮に迷い込む。
自己の存在の不確実性、不条理、喪失感を描いたメタな作品。
イイ作品、イイ作家である。 -
図書館の本
内容(「BOOK」データベースより)
ニューヨークが、静かに、語り始める―オースターが一躍脚光を浴びることになった小説第一作。
ああ、こうなるのか、という展開。
これは目からうろこでした。とてもおもしろかった。
このポール・オースターは続けて読んでみたくなりました。
新しい言語ね。すごいなぁ。
そして人体実験。
それが探偵を介した物語になるんだなぁ。おもしろい。
ニューヨーク3部作続けてよみたいと思います。
City of glass by Paul Auster -
ほぼ完璧なんじゃないかと思える小説。足りない部分もないし、余計な部分もない。ニューヨークの地理について詳しければより楽しめるのだろうけど。
別の訳者の翻訳を初めて読んだのは15年以上前だと思う。
言語についての哲学的考察が楽しい。 -
ニューヨークという大都会の孤独感、自分が自分であることの危うさ、物が物として機能することの意味、そしてすべてを覆い尽くす喪失感。
最後まで判らないところがいっぱいあった物語でしたがとても素敵な小説でした。
文章の素晴らしさこれは訳者の力が大きいんでしょうか?
「シティオブグラス」と読み比べてみたくなりました。 -
もうすでに内容が曖昧だから思い出したら…
-
▼「街の句読点と化した」という日本語は実にいいなあ。格好いい。
▼好きだなあ。ポール・オースター。何が好きってことかわかんないんだけど、文章がいいのかな。ビビットがある。あと、ひとつの不可思議な謎が、ずっと同じ味を保ったまま、長いこと続く。
▼「さらにまた、恐れずに言うなら――どこでもいい、この世界の外であるなら」。
▼読了。いい気分。とにかく面白かった……謎は解けなかったけど、それがあるべき形だと思った。
▼言葉の意味が移り変わる、意味をなさなくなる、不透明になると、一番に戻ってくるのは五感に支配された世界なのかなあ、と思った。(09/12/21 読了)