- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105217143
感想・レビュー・書評
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以前『偶然の音楽』は読んだがいまいち理解出来なくて少し苦手意識のあったオースター。とても面白かった。
愛し合う人々の切ない、それでいてどうしようもないような想い。静かで深い感情が鮮やかに書かれている。
それにしてもちょっと変わった小説の書き方。物語のなかの物語のなかの物語、って一体何次のお話になるのか…原典で読んでいたら見失って訳がわからなくなっていたことだろう。
閉じ込められてしまったニックは、終わりを与えられなかったたくさんの物語を思わせる。
私にとって全然馴染みのないニューヨークの暮らしを少し想像したのも面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
物語内物語の連続で面白い、終わらないでっていう感じで読んでたんだけどラストの急展開っぷりについていけなかった。
唖然としてしまった・・・。
とくにそれまでそんなスピード感を持って描かれていなかったからポカーンとしてしまった。
そして私は終始グレースが好きになれなかった。
ラスト主人公が幸せな涙を流したってのは良かった。
事実だけで一人の人間を好きになったり嫌いになったりなんてできない。そういう複雑さが含まれた涙だったような気がする。 -
主人公に妻が居る、というのが新しいですね。今までの主人公にはなかった要素なのですが、孤独ではない主人公がいつも通りに孤独をめぐる物語を体験します。ポール・オースターが好きなら問題なく楽しめるはずです。
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いろんな人の想いが漂ってぶつかって。
紙の上から夢の中、現実へと話が重なって。
あっちこっちに気持ちが逸れて流れて、追いかけるのに夢中で熱中して読めました。
忙しいなあ、人間って。 -
病み上がりの作家シドニー・オアの実生活における回復の物語。「オラクルナイト」と題された小説の原稿も劇中劇の小道具。注釈が多いのが特徴。注釈が物語りの背景をさらに広げている。
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余命宣告から生き延びた主人公がいくつかの物語内物語に触れつつ経験していく日常の悲喜劇。
みな誰でもそれぞれの、他者にはわからない物語を持っているということ。
「幻影の書」の後、「ブルックリンフォリーズ」の前に書かれた作品。 -
結局、すごい面白い。
ポルトガル製の青いノートが欲しいな -
青いノート 生と死 現実と虚構
互いに交差する入れ子構造の物語
皮膚感覚に訴えるのに冷たい文体 -
病み上がりの作家の物語のなかの物語。言葉は発することで現実となる。未来と過去。生と死。モヤモヤと感じていたことが本作にありなんだか嬉しかった
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海外文学をあまり知りません。とりあえず、柴田元幸訳なので、ポール・オースターを読んでみよう、と手に取った一冊。
小説家の現実と、その小説家の書く小説が入れ子になった、二つの世界が折り重なるような奥行があって、でも読みにくいわけじゃなく、面白くて一気に読みました。