ブルックリン・フォリーズ

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制作 : Paul Auster  柴田 元幸 
  • 新潮社 (2012年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105217150

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ブルックリン・フォリーズの感想・レビュー・書評

  • 美しいNYの風景。
    映画化されたら素敵だと思う。
    ブルックリンに住む個性的な人々の群像劇なんだけど、どの登場人物も愛すべきキャラクター。
    人生に不器用ながら成長していく過程に、
    ウィットに富んだ会話に、こちらまで元気づけられるし、読んでいて楽しかった。
    何よりも作者のブルックリンを見つめる眼差しが温かい。
    誰でも文学的なことを考えるときって、多かれ少なかれ、主人公みたいな心境になること(主人公は人生こんなハズじゃなかったと感じてる平凡な中年)が多いので、作者の目の付けどころにもやられた感がある。

  • ポールオースター「ブルックリンフォリーズ」http://t.co/TvmpjZtn 読んだ、良かった。。。オースターには、無機質でひんやりと沈んだ世界と、温かく前向き(でもウェットさは無い)世界との2つがあると思うけど、これは後者。楽天的ってすばらしい。(つづく


    辛い経験や酷い事件や悲しい出来事もあるけれど、全体は暢気。人が生きていく力強さを感じる。「本の力をあなどってはならない」には本無しの生活が考えられないわたしにはぐっときた。で、そのまま終わるのかと思いきや、最後に、ある驚きが。落とされる影に、しばし考え込んでしまった(おわり

  • 面白かったです。ポール・オースター結構読んでるけど、その中でもかなり読みやすくて、オースター初めての方にもおすすめ。
    映画「スモーク」が好きならこれも好きなはず。
    読み終わって、登場人物とお別れするのが少し寂しいほどに、ブルックリンライフに浸れました。いいなーNY!

  • やっぱりポール・オースターだなぁと思った一冊です

  • 久々にオースターっぽい作品。舞台はブルックリンの小さな書店。それにまつわる市井の人の、それぞれの生き様。人生は思い通りにはならなくて、それでも人生を全うせんとするのは何より他者との関わりなんだなー、なんてことを思いながら読みました。
    スモークと雰囲気が似ていたので、映画化でもされるんじゃないかしら?まぁ、ブルックリンの定点観測という共通点があるからそう思っただけだけど。
    あと味良いです。内容も易しいので、中学生でも読める!

  • 2005 年発刊で9.11への言及もあるが訳は今年…柴田さん、忙しいでしょうがもうちょっと早くお願いします!大学を中退した非モテ男や老いたゲイなど下町の'愚か者たち'への暖かい眼差しとコミカルな絡み、最上の物語。

  • ニューヨーク3部作のような雰囲気を期待していたらそうではなかった。オースター作品ってなんかもっとクールで都会的なイメージだったんだけど、これはなんだか温かみがある。オースターの書く人間喜劇かな。ラストの畳みかけるような感じが良い。柴田元幸さんの翻訳はほんといいなぁ。2013/180

  • 静かに死ねる場所を選んだ主人公が全然静かではない日々を過ごす。どこか憎めないキャラ達のおかげもあって、どんどん読み進むことができる
    ただ、やっぱり物語の中の物語がちょっと苦手だ。。

  • 「うん、まあできるだろうね。でもそうしたら、君は生涯ずっと、毎日後悔することになると思うね。やめておけよ、ジョイス。 パンチにパンチを返すのはよせ。あごをしっかり引けよ。気楽に行けって。選挙は毎回民主党に入れろよ。公園で自転車に乗れよ。 私の完璧な、黄金の肉体を夢に見ろよ。仕事、無理するなよ。私と二人でパリに旅行しよう。レイチェルの子供が産まれたら病院に行って私の孫を抱いてやってくれ。 毎食後かならず歯を磨けよ。赤信号の道を渡るなよ。弱いものに味方しろよ。自分の権利を守れよ。自分がどれだけ美しいかを忘れるなよ。 私がどれだけ君を愛しているかを忘れるなよ。毎日スコッチをオンザロックで一杯飲めよ。大きく息を吸えよ。 目を開いていろよ。脂っこい食べ物は避けろよ。正しき者の眠りを眠れよ。私がどれだけ君を愛しているかを忘れるなよ」(p.312)
    これはオースター作品でも名シーン。こんなに心に残る命令文ってあるだろうか。

    生きることの大切さについて考えさせられます。

  • 何年かぶりにオースター読んだら、鼻についてた嫌ーな感じが薄れて、ぐっと距離が近づいてる。変わったのは彼か自分か?

  • 「フォリ-」とは愚行を意味する名詞だが、複数形の「フォリーズ」になると、女性たちの歌や踊りを中心としたレビューを意味するのが通例だ。となれば、表題の意味するところは、ブルックリンを舞台にした愚行の数々(についてのショー)、といったことにでもなるのだろう。オースターらしい洒落っ気のあるタイトルではある。

    都会に生きる孤独な男の存在論的不安の追究とでもいえばいいのか、カフカやベケットの不条理劇を思わせる初期三部作に魅せられ、オースター・ファンになった読者も少なくないことだろう。あの細部を削ぎ落とした抽象的、思弁的な作風が懐かしく感じられるほど、最近のオースターが書くものは変貌を遂げている。ストーリー・テラーとしての才能に覚醒した感のある中期の作風にも、それは感じられはしたのだが、孤独感や絶望、ニヒリズムへの傾斜など、随所にオースターらしさが、まだまだ残されていた。

    それが、どうだ。ここのところの、訳者の言葉を借りれば「人生が終わった」「中高年」の男性を主人公にした作品群に見られる露悪的とでもいえばいいのか、露骨なセックス描写や、心身の衰えを含め、ある意味で諦念ともとれる、あるがままの人生に対する肯定のあからさまな頻出振りは、はるけくもきつるものかな、の感が深い。表紙カバーの折り返し部分から、真摯な眼差しで、こちらをみつめる著者の写真は変わらないのに。

    オースターも歳をとった、ということだろうか。文学志望の青年らしい衒気や客気が消え失せ、舞台裏をそのまま見せたような、あまりにも気取りのないスタイルがかえってわざとらしく思えるほど、自虐的な人物設定や、露骨に過ぎる政治的状況に対するアジテートに、作家的な弱まりを見るべきなのか、と疑いたくなる。ファンとしては、そうではない、と思いたいのだが。

    主人公ネイサンは、妻と離婚し、娘とは別居中。癌の手術後、長年勤めた会社を辞め、余生を「愚行の書」と呼ぶ書き物のために使おうと、ブルックリンに引っ越してきたところ。ゲイの店主ハリーが経営する行きつけの古本屋で見つけたのは、かつては将来を嘱望された文学青年だった甥っ子のトムのでっぷりと太った変わり果てた姿であった。妹の失踪を契機に博士論文を放棄し、自暴自棄の生活を送っていたトムだったが、ハリーの店で働くことで生活を立て直し始めていた。そんな二人のところへ、トムの妹の幼い娘が訪ねてくる。

    その子ルーシーを親戚に預けるためヴァーモントに向かう一行をアクシデントが襲う。エンジンの故障で泊まったホテルが気に入ったネイサンは、旅の始まる前に聞いたハリーの金儲けの話を思い出し、ホテルを買い取りトムに経営させることを考える。人生の夢破れ、一敗地に塗れた中年男二人が、性懲りもなく美女に惚れたはれたの挙句、とんでもない行動に出る。多種多様な人間がともに暮らす街、ブルックリンを舞台に引き起こす悲喜こもごもの人生模様。

    オースターが自家薬籠中のものとする有り得ない偶然の頻出は、ファンなら当然許せるところだし、終り良ければすべて良しといった大団円も、まあよしとしよう。人は誰しも死ぬ。老年が近づけば、自分の人生を見つめる視点も、おのずからその最後の方に引き寄せられるのかもしれない。自己というものの不確実性や、父と子の確執といった主題を追いかけていた若き作家も、今では自分と折り合いをつけ、家族というものの持つ価値や、人の死という誰しも避けられない運命を直視することで、この世の大多数の無名者の人生という、誰も見向きもしないが、その実、誰にとっても大事な物語の持つ意味に気づいたのだろう。

    9.11という悲劇に襲われたニュー・ヨークに住む作家として、この日の記憶を風化させることはできない。そんな作家の思いが伝わってくる結末に、オースターならではの才気が感じられ... 続きを読む

  • なぜだろう。本に引き込まれる。
    死に場所を求める60歳の男と期待はずれの甥。
    彼らをとりまく物語。
    生きるとは愚かな行いの連続なのかもしれない。
    その中にこそ、希望や幸福が見出せるのかな。

  • 「幻影の書」に続く少し影のある、捻くれ老人に降りかかるブルックリンのおとぎ話。無償の思いやりで人生は豊かになる。カフカと公園で泣いていた少女のくだりが良く、「怠惰は思考を生み、思考は危険である」っと。まったくその通りだ。

  • オースターのなかでも明るくて読みやすい作品。死ぬつもりが何だが気付けば…という話です。でも落ち着けないエンディングでもあり。
    忍び寄る影を漂わせるところ、油断ならない

  • とても素晴らしい前半に比べて、後半はやや消化不良でした
    ファンの期待を裏切らない水準であるとは思いますが

  • 一気に読み終えました。まさにオースターという感じ。
    色々な話がつながっていく感じで読後感も良かった。
    個人的にはハリーのキャラクターが気に入りました。
    私の場所も見つけたい。

  • ブルックリンに死に場所をもとめてやってきた初老の男が甥っ子に再開し、彼や近所の住人とちょっとした冒険を経験し、やがて幸せを取り戻していく。

    前向きに人生を切り開いていく主人公は、街から大きな力をもらっている。

    もちろんパラダイスみたいな描きかたではなくて、姪っ子はひどい有為転変をくぐり抜けるし、他のひとも多かれ少なかれ挫折を味わっている。最後に9.11が言及されるのも、楽園が恐ろしい暴力にいつも取り巻かれていることの自覚なんだろう。

    それでも、オースター作品のなかでは、ポジティブで楽天的なトーンがめずらしく支配している。
    作者はこの街が好きなんだな、というのが伝わってくる。

    オースターだから退屈はしないしなかなかいい話だとは思うけど、初期作品にあった、あのドキドキするような不安な輝きはやっぱりこの作品にもない。この後の作品もおんなじなんだろうか。3.5点です。

  • folliesとは愚かな行い。
    ネイサンは離婚し、病気で退職し、56年ぶりにブルックリンにもどり、自分の人生はここまでとピリオドを打ったような暮らしです。

    ある日彼は、甥のトムと偶然出会います。
    トムも自分の才能を見切って大学院を中退後、あきらめの日々の中にいました。

    出所後ブルックリンで古書店を営むゲイのハリーと、突然転がりこんできて何も話さない姪の娘ルーシーは、際だった曲者です。

    大統領予備選挙の熱狂ぶり、遠くの町の小さな宗教集団のインチキなど、愚行は尽きません。
    そんな愚行の数々も、この物語の最後の5行でぶっ飛ばされます。

    愚行に巻き込まれるうちに、ネイサンがついつムキになることも。彼の変化とともに周りの人たちに変化が訪れます。
    いい方向に向き始める者もいれば、悲惨な結末を迎える者もいます。

    ネイサンがブルックリンで静かに死ぬのは、なかなか難しそうです。

  • 早くも今年のベスト1だな!!読んでる間、時間がとてもとても心地良くて、残りのページが少なくなる度に、悲しい気分になったのも久しぶりだ。なんて、愛おしいフォリーズ達だろう!!あとがきで触れられている、事件のその後に続く、「ある意味人生が終わってしまった男」の話が楽しみ過ぎる。

  • 人生だいぶ後半な主人公の周りに起きる様々な他人事がつながり、やがて主人公にささやかないいことが起きる。やはり、ポール・オースターは物語を摘み取るのがうまい。素晴らしい。

  • 幸せは思いがけないところから転がり込んでくる──傷ついた犬のように、私は生まれた場所へと這い戻ってきた――1人で静かに人生を振り返ろうと思っていたネイサンは、ブルックリンならではの自由で気ままな人々と再会し、また家族だった人々のそのまた家族と出会い、とんでもない冒険に巻き込まれてゆく。9・11直前までの日々。オースターならではの、ブルックリンの賛歌、家族の再生の物語。

    ブクログでの評判が良くて気になっていたので読んでみました。初ポール・オースター。もう人生の半分以上を終え、あとは終わりを迎えるばかりのネイサンを軸に、その娘レイチェルや甥トム、そしてトムが働く古書店を経営するハリー、素晴らしい母であるナンシー・・・。中盤まではいったいどういう方向性に落ち着くのか分からなくてもやもやしてたんですが、ルーシーが登場したあたりからネイサンの中に眠っていた人生に対する喜びや期待が現れてきて、いつの間にか家族の目線で彼らの人生を追ってました。ハッピー・エンド、良かったけどちょっと物足りない気もするのは私が未熟者だからかな。

  • 幸せは思いがけないところから転がり込んでくる──傷ついた犬のように、私は生まれた場所へと這い戻ってきた──一人で静かに人生を振り返ろうと思っていたネイサンは、ブルックリンならではの自由で気ままな人々と再会し、とんでもない冒険に巻き込まれてゆく。9・11直前までの日々。

  • 前評判を聞きつつも、読書がしんどくなることもありまして、しばらく置いておいた本です。
    正月休みに手に取りまして、主人公の語り口に慣れましたら、面白くなって、一気に読んでおりました。

    主人公は、本人曰く「もう人生終わってる」人。生命保険の調査員で長く勤め、妻と子供がいて、子供が巣立ち、その前から夫婦はギクシャクしていて、結局離婚。その後、肺ガンが分かり、手術でしばらく生きれそうになった人。後、何年生きて、何をするか未定でふらりと下町に転居。
    誰とも関わらず、ひっそり・・・
    最初はそんなことを思っていたけれど、数年ぶりに甥に出会い、甥の雇用主に会い、なじみのレストランのウェイトレスと会話するようになり、失踪した姪の子供が転がり込んで・・・と、いろんな人と関わるようになっていきます。
    当たり前だけど、完璧な人はいない。それどころか、さすがブルックリン?ゲイ、ドラァグ・クィーン、人生の迷子等々。
    とんでもない醜悪な事件も起これば、心温まるひとときもありで。
    主人公は、世間に背をそむけるわけでなく、受け入れ関わっていくのが好印象でした。
    前科・前歴色々な人々が、ごったまぜになりながらも、何とか自分たちなりの生活の形ができていく様は、ぱっと明るいハッピーエンドではないですが、アメリカらしい楽天的な人生観を感じます。
    9・11の影が差し込むその日でも、一人一人はそれなりに幸せを味わっていたのさという、とある群像劇。
    よい本です。

  • 最初にオースターの世界に引き込まれた小説です。読みやすいことこの上なく,洗練された語り口の中に,夢を見る泥臭いニューヨーカーの姿もある。「骨董屋の賭け」のエピソードはアナーキーで,反社会的行為の中にも夢を見る人の気持ちがふと理解できてしまう,そういう物語です。

  • 本の力を侮ってはならない。

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ブルックリン・フォリーズの作品紹介

傷ついた犬のように、私は生まれた場所へと這い戻ってきた──
一人で静かに人生を振り返ろうと思っていたネイサンは、ブルックリンならではの自由で気ままな人々と再会し、とんでもない冒険に巻き込まれてゆく。9・11直前までの日々。
オースターならではの、ブルックリンの賛歌、家族の再生の物語。感動の新作長編。翻訳は柴田元幸氏。

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