- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105217174
感想・レビュー・書評
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おもろい
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初老の男のある一夜を描いた小説。寝られない男があてどなく思想を巡らすというのが、この小説のだいたいの内容であるが、その『あてどない思想』が面白い。物語を考え、孫との会話を思い出し過去に思いをはせる。今は一緒に住むことになった、傷心の家族のことを思いやる。それだけの小説なのだけど、アメリカと戦争、女性、人生など深遠な内容が含まれ、それだけで充分に面白い。さすがオースター氏。絶賛。
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軽い本を読んでいると軽い本が読みたくなるし、ポール・オースターはじっくりと落ち着いて読みたいので、まあ、その時期になったということですね
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2022年8月12日読了
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ポール・オースターの美徳でもあり弱点でもあるだろう、どこからか滲み出てくるコミカルなタッチに惹かれてこのほら話(いい意味で、です)を読むことができた。彼の歴史改変の手腕は実に軽やかで、「もしこうだったらよかった」と実存まで賭けて妄想を巡らせるスティーヴ・エリクソン的なスタイルではなくむしろ「こんなことも思いついちゃいました」とレゴブロックを組むように奇想を盛り込んでいく作風を感じる。その分ポップで読みやすく、またあとに尾を引くものがないとも言えるのでこれは好みの問題だろう。この陽気さは一筋縄ではいかない!
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『闇の中の男の、終わりなきパラレルワールド』
妻を失った祖父と、恋人を戦争で亡くした孫娘の、眠れない夜を、回想と創作世界とが交錯しながら描かれる、なんとも不思議な作品。創作世界の主人公が現実の世界に戻るために現実世界の作者を殺しにくる、なんて設定からしてさすがオースター! -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/758933 -
ポールオースター得意の物語in物語。
物語の終わりは突如。
現実との絡みがないわけではないが、あまりピンとこない。
孫に語る自分のこと。
孫に聞く孫のこと。
自分の想いを打ち明けられる家族って素敵だよね。 -
最後に希望を感じた図書だった。眠れない老人が頭の中で物語を作り出す。眠れない老人は娘、孫娘と一緒に暮らしており、3人とも身近な人を亡くしている。その3人の物語と並行して、老人が頭の中で作られる物語も進んでいく。老人が作る物語は、9月11日、アメリカ貿易センターのテロが起こらなかった世界へ迷い込んだ男の話だった。つらい現実もあるけど、それでも世界は転がっていく…
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本作も入れ子構造。劇中作の方が面白いのだが、途中で唐突に終わってしまう。