食べられる女

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制作 : Margaret Atwood  大浦 暁生 
  • 新潮社 (1996年2月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105225025

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食べられる女の感想・レビュー・書評

  • この本を読むと、いわゆる女の計算高さとか同族嫌悪がよくわかる。婚約中の男の人は読まないのが吉である。小説としてはアトウッドのデビュー作なのに、あのじめっと嫌な感じが既にはっきり出ていてわくわくする。

    イケメンでエリートだけど俺様なピーターと付き合ってるマリアン。第一部は彼女視点で書かれているのに、男の嫌な点ばかりばしばし伝わってくる。しかし彼女も相当で、周囲の女たちより自分のほうがましだと思いたくて仕方ないし、ピーターを好きだと思いこもうとしているのもパッケージがいいから。なんとか自分を安定した立場に置きたいという気持ちはよくわかるんだけど。

    そんなんで結婚しようとか無理じゃない、と思いながら読んでいたら案の定摂食障害になって、まあその後の展開に意外性はないわけだけれど、60年代にはけっこう新しい小説だったんじゃないかという気がする。カナダの50年前は、日本の保守的なひとたちの現代とあまり変わらない感じ。結婚すればどうにかなるなんて思わない方がいいですよー。

  • 2冊目はカナダになりました。
    マーガレット・アトウッドなら、「侍女の物語」は読んだから、いけるだろうと判断。

    1960年代のカナダ、大学を卒業して市場調査の会社に就職したマリアンは、すでに仕事にやりがいを見出せなくなっている。
    かといって恋人のピーターは、結婚を死刑宣告みたいに捉えていて、とても「結婚して仕事をやめたい」という雰囲気は出せない。
    そもそもマリアンだって、結婚したいかどうか自分の気持ちがわかっていない。子どもが3人もいて、大して幸せそうにも思えないクララやら、非婚主義のエインズリーやら、マリアンが結婚に畏れをなす原因はそこらじゅうにある。
    ある時ちょっとしたきっかけで、ピーターと婚約することになったマリアン。その一方、偶然出会った大学院生のダンカンと次第に関係を深めていく。
    なんとなく結婚して子どもを産んで,そうやって人並みに生きていくのだろうと思っていたマリアンだが,なんとなく流されていくことを拒否するように,やがて体に異変が起きる・・・。

    三部構成で,第一部はちょっとイライラしました。。女性が描く女性は辛らつだなーというのと,マリアンがピーターに気を使いまくることに苛立つのであります。
    第二部に入ると一気に面白くなります。エインズリーとレンの関係とか,ダンカンとか,クララとか,3人OLとか,それぞれが個性的で引き込まれる。
    そしてクライマックス,マリアンがこのまま結婚するのは無理,命を張る位無理,とやっと認め(ずっと気づいてはいたはず),「食べられる女」の意味が明らかに。
    第三部ではすっかりダンカンのこともどうでもよくなっているマリアンが印象的です。
    いみじくもアトウッド本人が述べるように,決して「昔の話」とはいえない,今読んでも通ずるものが多いお話でした。

    ところで,最後の最後に,芥川賞をとった本谷有希子「異類婚姻譚」みたいだなと思いました。あっちは食べられませんし,支配とは違うけど,マリアンの「私を壊そうとしたでしょう」っていうあたりはとっても近いような気がしました。結婚しようがするまいが,子どもがいようがおるまいが,現代文明社会で女子が生きていくのは,つねに不安定な自己認識と向き合っていく難しさがあるのでしょうねえ。

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