ミシェル・フーコー伝

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105241018

作品紹介・あらすじ

フーコーの生涯、それと相関する現代の状況を活写するこの伝記は、巷に流布する、間違いで塗りかためられたフーコー伝説を解体している。断片的にしか知りえなかった、フーコーにかんする不完全な情報を補正し多くの新資料を加えて、新しい人物像を提示している。

感想・レビュー・書評

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  • ヤバイ人物だとは聞いていたフーコーだけども、どちらかといえばこの本ではヒロイックに描かれている面が若干あり、「そういう」フーコーを期待して読むと肩透かしを喰らう。ただ、とにかく記述が綿密で正確だから、読み終わる頃にはフーコー博士になっているかも。

  • 哲学関係の本を読みます。もちろん、理解する能力はありません。しかし、繰り返し読むと、何となく理解できます。別に、プロではないのですから、この程度で十分です。毎日、読むことです。そのためには、理解は必要ありません。とりあえず、毎日、読むことです。それだけです。地元の図書館で読む。非常に興味深い本でした。正直期待していませんでした。何故ならば、テーマがフーコだからです。理解できるわけがないと思っていたからです。意外に読みやすい本でした。伝記に徹した本です。哲学的アプローチにより、経済学を分析できないでしょうか。これには二つのの問題か存在します。第一に、それ自体の困難です。第二に、僕個人の能力の問題です。

  • フーコーという人物が、いかに複雑であるか。同性愛者であるばかりではない。フランスを代表する知識人として、若い時期には、スウェーデンやポーランド、あるいはチュニスのフランス文化会館に勤務する。いくつかの大学教官を歴任し、最後はコレージュ・ド・フランスの教授。有能な官僚という面を持つと同時にラディカルな政治運動に参加する。こうした多面的な人間は、有能な官僚という面を持つと同時にラディカルな政治運動に参加する。こうした多面的な人間は、わが国にはほとんど見られないであろう。この伝記から、そうした人間を育てたフランスの教育や大学制度、学者間の師弟関係つまり学閥など、さまざまな面を、同時に読み取ることもできよう。

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著者プロフィール

フランスの社会学者・哲学者。1953年フランス北東部の主要都市ランスに生まれ、ランス大学とパリ第1大学で哲学を学ぶ。『リベラシオン』紙、『ヌーヴェル・オプセルヴァトゥール』誌で文芸・思想記事の執筆者として長年活動後、カリフォルニア大学(バークレイ)、ケンブリッジ大学などで客員教授を務め、2009年から2017年までアミアン大学教授。その後ダートマス大学モンゴメリー・フェロー(特別研究員)に選出された。主著『ゲイ問題についての考察』(Réflexions sur la question gay, 1999)はジェンダー論の重要文献とされる。邦訳された著書に『ミシェル・フーコー伝』(新潮社 1991)、インタヴュー著作にレヴィ=ストロース『遠近の回想』(みすず書房 1992)、デュメジル『デュメジルとの対話』(平凡社 1993)がある。『ランスへの帰郷』(みすず書房 2020)は数か国語に訳されたベストセラー。

「2020年 『ランスへの帰郷』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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