森の少年

  • 27人登録
  • 3.07評価
    • (0)
    • (3)
    • (10)
    • (0)
    • (1)
  • 4レビュー
制作 : Michael Dorris  灰谷 健次郎 
  • 新潮社 (1996年4月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105273026

森の少年の感想・レビュー・書評

  • 太古のアメリカ先住民の物語。大人になるための儀式「森の時間」を通じて、自分とは何か、大人になるとはどういうことなのかという普遍的な問題を投げかける。
    折角の収穫祭なのに、古くから伝わる貝殻玉の帯を壊してしまうモス。しかも食事会によその部族の人たちが来ることに対して納得できない。女として生きることに窮屈さを感じ、風と競走して部族より走り去った祖母の姉のように飛び出してしまいたいトラブル。少年少女の混沌とした胸の中を、森が静かに包みます。
    自分は自分であり、また父母であり、弟妹であり、祖父母でもある。しかしやはり自分である。家族の繋がりと、自分であることの意味に思いを馳せます。

  • 収穫祭の宴にお客を招きたくなかった少年・モス。彼はただ、しきたりの通りに、前の年の収穫祭と同じように過ごすべきだと思っていただけだった。
    お腹をすかせた他の部族を見かねて宴に招いた父親と喧嘩し、祭りの準備に忙しい母親の手伝いもせず、彼はひとり森の奥へと入っていく。
    事あるごとにみんなは「大人になったらわかる」と言う。でも、どんな大人になったらいいかわからない。みんなが望むような大人には、きっとなれない。
    なにより大人になるには、「森の時間」を経験しなければいけない。
    迷い悩むモスに、出会ったヤマアラシは言う。
    「あんたはあんたでしょ」――。

    親子、友人たちとの濃やかな人間関係と香気あふれる森の中での出会いを経て、自分中心にしか物事をとらえようとしなかった少年が成長していく姿を描く『朝の少女』に続くマイケル・ドリスの児童文学第2作。

  • 爽やかに読めた。原住民の家族ということで、現代の日本の家族とは違うこともたくさんあるけれど、共通することもたくさんあると感じた。

  • アメリカン・インディアンの少年の話。物語が紡がれた首飾りを壊してしまった少年は、彼自身により言葉を紡がなくてはならなかった。
    よりによって今日はお客が来るなのに―

    一概に言うなら柔らかく不思議な作品。
    厳しい自然に向き合いながら、家族に対する反発やお客を嫌悪する少年モス。森に対する恐れや好奇心を抱き、いつか行く日を待ちわびいとこから話をねだる。物語を交えたこの話は少しの不思議さと理不尽さ、優しさがある。
    風とともに行ってしまった祖母を持つ少女トラブルとともに、少年は変わってゆく。
    大人になるということは、どういうことか。男であるということは、どういうことか。ヤマアラシから貰った言葉から、少年は今までの自分を省みる。
    そして最後にモスはおじいちゃんに向かってこう尋ねる。
    「僕はどんな大人になったらいいの?」
    「お前がどんな大人になるか、みんなそれを楽しみにしてるんだよ」

全4件中 1 - 4件を表示

森の少年の作品紹介

ぼくはどんな大人になるんだろう-。太古の自然に暮らす少年の成長と、家族の絆を細やかに綴った感動の物語第2弾。

ツイートする