拳闘士の休息

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制作 : Thom Jones  岸本 佐知子 
  • 新潮社 (1996年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105344016

拳闘士の休息の感想・レビュー・書評

  • アメリカの作家Tom Jonesの"Pugilist at rest"の翻訳本「拳闘士の休息」を読了。あるベトナム傷病兵のヤバい毎日、まさにベトナム戦争の最中でのクレイジーで命知らずの戦いを広げる男達、田舎町のちょっと障害を持つが純朴な青年が超駄目おんなに嵌りとんでもない生活を送る事になるが長い時間をかけてなんとかその地獄から抜け出す様、インドボンベイの街中で自分が誰だがわからなくなるが混沌の人ごみの中で死にかけた馬を救うために持っていた大金を使い心の平安を少しだけ得てホテルに戻り自分のパスポートを見てやっと自分がだれか思い出すコピーライター、アル中になってしまった自分のあこがれのボクサーを見舞うチャンプの悲哀などなどかなりヤバい人たちが主人公の短編集だ。帯にあったが、ある編集者によるとTom Jonesはかなり”ナッツだ!”とのことなので著者自身もかなりの変わり者らしい。出てくる人物すべてがやばいので読んでいて心が暗くなるかもなどと最初不安に思っていたががやにはからんや読後がなぜか元気をもらった感じにまで自分がなっていたのは驚きだった。普通ではない人たちのギリギリな物語なのだがその精一杯生きる様にエネルギーをもらったのだと思う。ちょっとおどろおどろしいタイトルだが(著者も戦歴150戦以上のボクシング経験者との事)、読んで損のない本だ。

  • 短編集。タフでクレイジー。無慈悲だけれど、人間臭い。「そら、行ってひと暴れしてこい、強打者」(166ページ)と、ケツを蹴られているような気分になる。翻訳が素晴らしい!

  • 心身の不調ゆえ、精神が安定しなくて、感情に波のある、荒っぽいキャラクターを多く描いています。

    彼らは心身が不健康なため、癲癇、薬中、アル中、女、犬、生命、過去の栄光などに囚われています。やけくそに生きています。どんな状態であろうと、彼らは生きることを選んでいて、決して自殺するようなことは考えていないようです。

    うまく言えませんが、読むと心がひりひり焼け付く感じがします。

  • 短編集。一気に読んだ。
    トム・ジョーンズのエッセイを読んで、作者に興味を持って読んでみた。
    エッセイ同様鋭く切れ味のある、しかも毒の混じった能弁さで話が進んでいく。
    主人公は皆どこかしらか壊れている。肉体的に、または精神的に。あるいはその両方とも。でも暗い印象を受ける話は一つもなかったと思う。
    主人公は皆著者の分身のように感じられる。

    トム・ジョーンズはアマチュアボクサー(戦歴150戦以上)からコピーライター(バンバン儲かった)になり、辞めてヨーロッパに滞在し、学校の用務員に就職。その間本をせっせと読み、「これだったらオレにも書ける」と思って50歳近くなってから作家になったという変なアメリカ人です。

    ある編集者曰く「彼は優れた作家だけど、ナッツ(異常者)だ」とのこと。

    読んでいて本当に楽しい作品。自分は学校の授業中に半分くらい読んだけど、一人でニヤニヤしてしまったと思う。

    読んで後悔はしません。お勧めです。

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