ザ・フィフティーズ 下巻

  • 新潮社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (417ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105354022

作品紹介・あらすじ

ピュリッツァー賞受賞作家、渾身のノンフィクション!最高裁長官ウォレンの決断、黒人少年殺人事件、エルヴィスとディーン登場、コマーシャルの女王、灰色の服を着た男、キング牧師と公民権運動、モンローのヌード・カレンダー、ベティ・フリーダンの挑戦、ピル解禁、スプートニクの屈辱、クイズショー・スキャンダル、U‐2機撃墜、キューバ危機の影、ケネディとニクソンのテレビ対決…。スリリングな50年代のドラマ。

感想・レビュー・書評

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  • 最近読んだ本の中ではぴか一に面白かった。アメリカが普通の国から政治、経済、生活習慣でリーダーになっていく初期の過程が生き生きと書かれている。いまさらながら、経済、生活面でアメリカのたどった道を忠実に日本が追いかけてきたことが実感できる。意外だったのは、戦後のアメリカの変革の最も大きな要因になったのが「レベット・タウン」と呼ばれた郊外型建て売り住宅であったこと。

  • 上官に引き続き充分に面白い。
    人種差別問題と女性差別問題に多くの紙面が割かれる一方、
    急激に高まるテレビの力が放つ影響力の広まりに驚く。
    戦後、現代における文化的な始まりに
    どっぷりと浸かれたような読後感があり、
    ぜひともオススメしたい。

  • 成功はゴミ箱の中に レイ・クロック自伝からのリファレンス。タイトルのとおり1950年代のアメリカ史を網羅的に俯瞰できる一冊。もちろんレイ・クロックがマクドナルドチェーンを拡大して行く姿も描かれています。

    ただ、本書の軸となるのは産業界のヒステリックな成功譚というよりもむしろ、原子爆弾の開発を成功させたオッペンハイマーの苦悩と、トルーマンからアイゼンハワー大統領への移行期に繰り広げられた政権をめぐる攻防、そしてマッカーサーのアジア進出とその失敗といえましょう。

    ややシニカルな視点で描かれている分、埃っぽい時代のストレスにもそつなく触れられている良書だと思います。

  • 音楽シーンではエルビス・プレスリーが、スクリーンでは
    マリリン・モンローとジェームス・ディーンが若い世代の
    心を捉える。

    50年代、アメリカには豊かさが溢れていた。ラジオに変わって
    テレビが家庭に浸透し、テレビ・コマーシャルには魅惑の商品が
    溢れ、ホーム・コメディでは理想的な家族が描かれる。

    GMはアメリカ最高峰の自動車メーカーとして君臨し、女性が自分の
    体を自分の意志で守れるようピルが解禁となる。

    栄光と繁栄のアメリカの50年代は、一方で黒人たちが立ち上がった
    時代でもあった。人種隔離政策は意見であるとの最高裁判決が出され
    たにも関わらず、南部諸州では白人と黒人との間の壁は以前存在して
    いた。

    ひとりの黒人女性の抵抗から始まったバス・ボイコット運動、白人学校
    への黒人生徒の入学許可。自分たちのテリトリーに黒人を入れまいと
    する白人たちの暴挙は、人間の一番醜い部分を集約されているようだ。

    そんな白人たちの醜い姿をあますところなく映し出したのは、やっぱり
    テレビだった。メディアの変革もこの時代だ。

    公民権運動に大きな役割を果たしたテレビであるが、一方で映画にも
    なったクイズショー・スキャンダルも生み出した。

    CIAはグアテマラでのクーデターをしかけて成功したものだから、調子に
    乗って今度はキューバでもクーデターを引き起こそうとする。結局は
    失敗しちゃうんだけれどね。

    第二次世界大戦後に一躍世界のリーダーとなったアメリカは、リーダー
    にふさわしい栄光と繁栄を謳歌する。しかし、それは混迷の時代への
    序章ではなかったか。

    ローマ帝国は1000年の繁栄の後に消滅した。50年代後半、大統領を
    務めたアイゼンハワーに代わり、60年代、ケネディが登場する。

    わずか10年、されど10年。政治、文化、科学、風俗…すべてを網羅し
    て描かれた本書は壮大なドラマだった。

  • 20110413 Amazonマーケットプレイス

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