ヴァインランド

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制作 : Thomas Pynchon  佐藤 良明 
  • 新潮社 (1998年12月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (645ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105372019

ヴァインランドの感想・レビュー・書評

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  • ★★★
    カルフォルニア州ヴァインランド(架空)に住む元ヒッピーのゾイドは年に一度精神病患者を装い派手な仮装をして窓ガラスに突っ込むことが仕事。それは10年前自分と娘のプレーリィを置いて去った活動家で密告者の妻、フレネシとの連帯責任を免れるための連邦政府との契約だった。
    しかしフレネシに執着する捜査官ブロック・ヴォンドの再登場で再び危険にさらされる。
    プレーリィは、以前ゾイドが助けられた日本人「文茂田 武(タケシ・フミモタ)」を頼り逃亡する。
    武はかつて、ヴォンドに間違えられ、中国秘術と忍術使いで格闘技の才人の暗殺者DL(ダリル・リード)に秘孔を突かれた…か何かして半分死人になったことがある。武の生を戻すためダリルとの旅先に現れるは半死人のシンデレロたち。
    ゾイドお馴染みの麻薬捜査官ヘクタはテレビ中毒で精神科に召喚寸前、フレネシの母サーシャは筋金入りのアカおばあちゃん。
    そんなにぎやかな登場人物が、ポップでサイケなアメリカンカルチャーの中を飛び回り逃げ回り、操り操られ、追って追われての騒動。”あの時代”が終わって彼らは真の故郷に帰れるのか、ゾイドとプレーリィとサーシャは、再びフレネシと会えるのか。
    ★★★

    現代日本人の私としては、当時のアメリカンカルチャーがピンと来ないので、その文化を知っている人たちよりは楽しめない感じはしました。
    その分巻末の解説が充実していてすごい。もはや訳注というより翻訳者からピンチョンへのラブレター、読者への手紙。この翻訳者は本当にピンチョンを好きなんだなあという感じがありありと伝わってくる。
    日本の忍術使いやらヤクザやらが変な技使っている日本の描写はどこまで本気でどこまでワルノリなのか。取り合えず読みながら頭に思い浮かべる映像では、「キル・ビル」の日本の世界観。
    疾走感と軽さと重圧感とがごちゃまぜで…という不思議な感覚で読了。

  • ある日NHK教育を見ていたら、英会話番組なのに“Queen”や“David Bowie”を熱く語るおっさんを発見。
    また別の日のアニメ番組“リトルチャロ”でも、マッドサイエンティストの格好でビートルズナンバーを口ずさむ、同じおっさんを見た。
    そのおっさんの名前は佐藤良明。あれっ、どこかで見たような…そのお茶目でポップなおっさん、失礼、おじさんこそ、この本の翻訳者だった。

    私たちが事件を思い出すとき、頭の中にTVの映像が浮かぶようになったのは、どの世代からだろう? ケネディ暗殺、アポロ月面着陸…、私たちは歴史的事実を映像で捉えられるようになって久しい。
    だけど、映像は「編集」という他人の主観が絶対に入るものだし、虚構は写せないからその代わりに真実を隠すという手法で、真実と違った真実=虚構の真実を簡単に作れるようになった。その虚構の真実がTVという道具を媒体に撒き散らされ、大衆の心理を操作し支配するに至った現代の世界で、アルコール、ドラッグの誘いを何とか避けたものの、TVの毒に晒され犯されつつある私たちの精神をどう保てばよいのか。その意味で、私たちは有史以来最悪の、葡萄の蔦が絡まるような混沌世界で生き負わされていると言えるのかもしれない。

    私にはこの本の猥雑な描写の裏に「永劫回帰」の思想が芯を作っているような気がした。でも、そんな直球のまじめ視点だけで500ページ以上のこの本を読み終えるのは不可能だし、第一楽しくない。

    そうでなく、もっと肩の力を抜いて、60年代以降のアメリカンポップカルチャーのおたく的ネタの集中射撃を浴びるのもよし、アメリカ人視点によるニンジャや経絡秘孔や日本のエロ産業のエピソードにニヤニヤするのもよし、ディランやジミヘンなどのミュージシャンの名前が出るたびに部屋のCDラックをかき回すのもよし。

    そういう楽しい読み方を助けてくれるのが、巻末62ページにわたる渾身の力作?訳者ノート。その言わずもがなな周辺のさらに周辺な情報や、アホやなー的なウンチク披露は、「やりすぎ」と怒る心の狭さなんか放り捨てたくなるくらい、この本に笑いと楽しさをもたらしてくれる。楽しみながら読まないと、読了前に、サブリミナル効果満載のTV画面のようなこの作品の毒が脳髄に回ってしまうから、ね。
    (2011/7/1)

  • いつかはクラウン。
    いつかはピンチョン。
    初ピンチョンです。
    博学多識というか生き字引。
    恐れいりました。
    地球が右回りに自転するから、
    そのカウンターカルチャーは左に傾くのだろうか。
    てな事を考えつつ、他作品に手を出すには、
    体力の回復を待たないといけないなと。

  • 展開が単調でリズムが似ているところもあったけど、バカバカしくも、そこにはシリアスな部分もあって、ポップカルチャーや政治、ファンタジーをひとつにするような世界感にほんとやられた!初めてピンチョン作品の筋をある程度追えたかも!好きだー!

  • この人わけわからんわー。

    面白いんだけど、わけわからんわー。

  • 何かこう「混沌」という印象。ピンチョンはまだまだ自分の中でとらえきれていない。
    ピンチョン全集が刊行されてきてるのでまたチャレンジしようかと考えている。

  • 多分に人物が戯画化されているので、たとえばペープサートの人形で、「えい、こら待て~」「きゃ~」「あ、怪獣だ、どし~ん」なんて遊んでいるような、軽やかな楽しさがある。
    でもそうやってへらへら読んでいると、リリカルな情景描写や箴言めいたセリフに出くわして、胸がずんとする。

    どこか発育不全な部分を抱えた登場人物が多いなかで、プレーリィを守らにゃあと決意しているゾイドは、ことプレーリィとの生活においては自分の為すべきことを自覚している、という点で結構まともに見えたりする。
    プレーリィを旅立たせるシーンや生まれたばかりの彼女と対面するシーンのゾイドには、つい、ほろり。

    サーシャ、フレネシ、プレーリィの女三代記としても読める部分があると思うが、反権力の意志が代々減じてきているように見えるのも、戦うべき相手が見えにくくなっているからなんだろうか。
      

      Vineland by Thomas Pynchon

  • 「猥雑な知の文学が挑発する。」というような紹介文が本の巻末の広告部に書かれていたが、本当にその通りだと思う。

  • 読んでいるときは楽しいが、読後感が…
    B級映画的な物語であるが、まとまりきらずに終わってしまった感じ。
    タランティーノが途中まで気合い入れて撮ったけど、最後まで気力が持たなかった…
    そんな感じか?

  • 日本が出てきますよ。

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