V.〈下〉 (Thomas Pynchon Complete Collection)

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制作 : Thomas Pynchon  小山 太一  佐藤 良明 
  • 新潮社 (2011年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105372088

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V.〈下〉 (Thomas Pynchon Complete Collection)の感想・レビュー・書評

  • いやいや、がんばりました。初読ではよー分かりません。黒澤映画の「どんぞこ」やジョイスを想起させるようなパラノな世界観。再読しなさい、と本がおっしゃってます。いつか、また。

  • これは図書館なんかで
    期限付きで借りて読むようなもんではない
    買って読まなきゃダメだ
    時間かけないとダメだ
    次に読もうと思って、リョサの『緑の家』を買ってあったけど、
    しばらくやめとく。

  • ピンチョンは何と面白いのだろう、というのが長編初挑戦後の感想だ。(49は中編と理解した)なんというギャグの応酬。そしてこのみずみずしい感じ。
    これほどまでに多くの現代作家に影響を与えている作家もいないのではないか。あのロレンス・ダレルですら影響を受けているように思われる。
    内容が理解できたかというと、まあ、勿論無理だった。それでも面白いと思えたピンチョンは凄い。

  • 真面目に話してると見せかけたり、ハラハラさせてみたりしておきながら、不意打ちで切なさと笑いを置いてくる。ほんとうに、ずるいなこれは。

  • 進化とは決して進歩的、前進的ではなく、evolutionの語源通り巻物を広げるように様々な形を取りながら、ゆっくりと具体的に表れていくものを指す。それは歴史に於いても同様で、合理的な法則を取るのではなく単にそれぞれの状況からその時々で選ばれたという偶然性を内包しているものなのだ。だからこそ歴史は一筋の線で語れないし、陰謀史観はパラノイアに結びつく。君たちは雑誌ムーにお帰り。ピンチョンは何にも囚われない。全てを楽しめ。keep cool, but care、どんな時もクールにやろう、でも心遣いは忘れずに。

  • 話がでかくてついていけなくなる。
    でも再読したくなる。
    とりあえずほかの作品も読んでみたい。

  • とにかく通読はしたf(^_^) 頭を空っぽにして読めばピンチョンは楽しい。それにとても音楽的で小説に流れる音楽を楽しむ。それだけでも充足感はある。他のも読んで、それからV.もまだまだ読み直そうと思う。当たり前だけど。

  • 結局上巻で提示された謎たちは解かれることはなかった。いや、それはもちろんわかっていたことなのだけれども…

    謎には明確な答えは与えられず、すべて様々な解釈をとることができるようにされた…気がする。
    謎に対してなぁなぁの答えを与えられたのではなく、元からそのような答えしか出ない謎だった、というか… 

    これが情報のエントロピーの拡散ってやつ?


    まぁ要するによくわかんないってことです。
    再読必須ですな。

  • 背徳と退廃と混沌。
    あとがきでエントロピーの話が書かれているが、
    様々な形で彩られた物語はそれぞれが複雑であり、エントロピーは増大してゆく。

    まともに読むと数年かかるであろうこの本に相対するにはそれこそ世の中を俯瞰で見る視点が必要だろう。

  • 既刊分一巡してから新訳で2周目ということで。
    最初読んだ時よりだいぶ読み易かったです。新訳だから?ピンチョンがどういうものかおぼろげながら解ったから?
    とりあえず、ピンチョンは最初っからピンチョンだったんだということがよくわかりました。「V」は大きく2本のお話を軸として進みます。一つはプロフェインの話。一つはステンシルの話。プロフェインの話はピンチョンのホーボーサイド。ステンシルの話は何が真実かわからないサイド。どちらもピンチョン作品のキモです。

  • 多すぎる程沢山のおかしげな人々が、全力でふざけあって絡みあって導きあって、壮大な神話を形作ってるんだけど、その切り取り方があやふやで、多層的で、しかもみんな語り手としての自覚が無さすぎるので、神話の全貌が全く見えてこなかったりする。章によってスタイルも違ったりするし。
    でも物語としてまとめなきゃっていう責任感が低いからこそ、挿話も人々もめちゃくちゃパワフルでどこまでも自由、そして果てしなく魅力的。予定調和感も一切ないので読んでてドキドキが止まらない。

    情景も含めて丁寧に描いたと思ったら、1つの挿話が1.2行で駆け抜けたりするので、何だかすごく映画っぽかったりもする。綺麗につながれたモンタージュ的なスピード感。説明の少ないクールな映像が次から次へと立ち現れる瞬間はとってもスリリング。何が起きてるのか分からなかったりもするけど、それも含めてスリリング。
    圧倒的な情報量の魅力的な映像を短時間で浴びせされた感じ。深く考えずに、この情報の海の中をゆらゆらと漂っていたい。

  • 和図書 933/P99/2
    資料ID 2011100436

  • ピンチョン=難解というイメージが先行しているようだけれど、そんなことはない。一つ一つの章で区切りをつけて読みすすんでいけば特に理解し難いところはない。登場人物の多さと錯綜する二つの時間軸の存在が単に理解を妨げているだけだ。一度読んだだけで分かったつもりになるのは確かに難しかろうが、再読すればあらかた分かる。三読すればピンチョン・ワールドにはまること請け合い。批評家でない単なる読者のありがたいことは、すべてが分かる必要などないってこと。そう開き直ってしまえば、ケネディ登場以前のアメリカを背景にしたこの小説が21世紀の今読んでもとんでもなく面白いことにびっくりするはず。

    登場人物の多さと二つの時間軸についてはすでに述べたが、そもそも二つのレベルのちがう物語が一冊の本の形式に綴じられているのがこの作品だ。その一つは、1955年のクリスマス・イヴに始まるベニー・プロフェインというヨーヨー男の物語。ヨーヨーに自分の意志がないように、自分というものを持たず、行き当たりばったりな生活を続けている。ある時は一日中地下鉄に乗り続け、そうでなければ酔っぱらって他人の家に転がり込むという生活。どう贔屓目に見てもヒーローにはなれないタイプだが、この男やたらもてる。ビリヤードの球のように転がっていくプロフェインがぶつかる何人もの男女、NYを拠点に活躍するレコード会社の社長や小説家、画家、ジャズマンといった一癖も二癖もある連中との酒とパーティーとセックスだらけの生活。デカダンスに満ちた日々をクールに、けれど優しく描いたパートは、どう考えても愛し合っている二人の男女が自意識に絡めとられて身動きできずに傷つけ合うラブ・ストーリー。スラップスティック的色調で描かれているが、その裏にしみじみとした哀感がにじむ。

    もう一つは、ハーバート・ステンシルという男が収集した「V.」についての物語群である。ステンシルの父は二つの大戦時をスパイとして生きた。彼が残した手記に書かれていたのが、「V.」という謎の存在である。父の残した「V.」を追跡するのがオブセッションとなったステンシルは、手記に残された手がかりを頼りに「V.」に纏わる情報を集めるのだった。このパートは、もう一つの物語とは色調が全く異なる。ある時はスパイ活劇調であり、またある時はグラン・ギニョールめいた残酷さを帯びるといった具合に。「V.」とは何か、というのがヒッチコックがいう「マクガフィン」である。真面目な読者は、ついついそれにひっかかるが、話を引っぱっていくための道具に過ぎない。ヴィクトリアやヴェロニカといったヒロインたちや物語の鍵を握るマルタ島の首都ヴァレッタの頭文字。歴史を動かす大きな陰謀の陰に暗躍する危険な魅力を持つ「女」を象徴する文字である。

    面白いのは、この二つの相容れない物語が、ステンシル親子を蝶番にして繋がっていることだ。一例を挙げれば、プロフェインのつきあっているパオラは、マルタ島の詩人でステンシルの父シドニーに情報を流す二重スパイ、ファウスト・マイストラルであったという具合に。パオラがステンシルに読ませる父の手記が、まるまる十一章「マルタ詩人ファウストの告解」に充てられている。戦争を契機に一人の青年詩人が人間性を喪失し「非人間性」ではなく「無人間性」を持つにいたる経緯を綴った文学性の濃い自伝は、全く別の異なった一篇の小説を読んでいるような気にさせる。

    次々と繰り出される挿話のバリエーションの豊富さに圧倒される。フィレンツェ、ヴェネチア、パリと旧世界の華やかな都市を経巡る舞台の意匠もさることながら、それぞれの物語を語る語り口の変化も見逃せない。オペラ座における暗殺事件の顛末を描いた第三章「早変わり芸人ステンシル、八つの人格憑依を行うの巻」ではヴァージニア・ウルフばりの話者の素速い転換で... 続きを読む

  • 国書刊行会版で既読。

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