競売ナンバー49の叫び (Thomas Pynchon Complete Collection)
- 新潮社 (2011年7月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
- / ISBN・EAN: 9784105372095
作品紹介・あらすじ
ある夏の日に突然、かつての恋人から遺産のゆくえを託された若妻エディパは茫然と立ちすくむ。その男こそ、カリフォルニアきっての大富豪だったのだから-。調査に赴く女探偵の前に現れたのはハンサムな顧問弁護士に大量の切手コレクション、いたるところに記された暗号めいた文字列に郵便ラッパのマーク、そして、奇怪にして残酷、暗喩に満ちた古典劇。すべては歴史の裏に潜む巨大な闇を指し示していた…。だが謎は増え、手掛かりは喪われてゆく。果たしてエディパは間に合うのか?そして、彼女に真に託された遺産とは?絶え間ない逸脱と連発されるギャグの数々。にもかかわらず、天才作家は最速のスピードで読者を狂熱へと連れ去る。稠密にして底抜け、痛快にして精緻なる名作が、詳細なガイド「49の手引き」を付して新訳。
感想・レビュー・書評
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好きな人はどっぷりハマるけど、そうじゃない人にとってはぴくりとも来ない。文学界の剛力 彩芽ことピンチョンの「競売ナンバー49の叫び」の新訳が出ていたので(たぶん)再読。10年以上前に読んだような記憶はあるんだけど、これっぽっちも覚えていませんでした。
なので新鮮な気持ちで読めたわけですが、ピンチョンの何が好きかって「世界を隠喩の網の目にとらえて読み直す悪ふざけ」を圧倒的な想像力と文章で描き出す壮大なバカらしさの前に僕みたいな凡人は、なすすべもなく、ただただひれ伏すしかないところ、なわけです。
意味を紡いでいくときの高揚感と、「意味を見つけること自体を目的として見つけた意味」にそもそも意味なんてあるはずないよね、という空虚感。そういう意味で個人的には逆光と並んでもっともピンチョンらしい魅力にあふれた一冊といえましょう。
あとタイトルかっこいい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デヴィッド・リンチの映画を観たときにも感じた振り回され感だ。
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膨大な知識とそれに比例する、破裂しそうな風船ほどの架空のもの達。
「そんな物があったのか」と調べてみると、架空の物語。よく出来ているのだ、引用かとつい信頼してしまい、気がつくと映画にも無いような急展開が多い。
不思議の国のアリスのように、不思議な人達に次々と会い、狂うような勢いで進む。
脳が溶けつつも雑巾のようにねじれていくような感覚。後半に行くにつれ、明瞭で理解できるような感覚の螺旋を駆け足で上り、トマスの謎に閉じ込められる。
本当に、読み終えたと、言えるのだろうか。 -
本編読了後、「無駄な解説はしない」みたいな事言いながら蛇足に次ぐ蛇足。Wiki参照とか後世の読者が困るであろう件りなどに怒りがこみ上げて来て途中で投げ出した。
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正直、詳細な解説から入ってなんとか予備知識を得てまでしてから本文読んで、実際それを「面白かった」と言えるのか。なんの解説もなくいきなり読んで7割くらいはわかり、あとの3割を解説で補足するくらいの感じなら、楽しめたといえそうだとは思うけども。
『ロリータ』のときにも感じたが、文学にその手の符牒や隠喩は付き物だとは思うけど、それがメインディッシュになるのは自分にはあまり合わないな、とよくわかりましたね。 -
圧倒的
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非常に難解な内容を軽快な文体で紡いだ傑作。一見すると支離滅裂で不可思議なイメージの断片が、まるでジグソーパズルのように別の世界を浮かび上がらせる。この鮮やかな手口は魔術的としか言いようがない。理屈で読み解く人のために脚注もあるのでオススメの一冊。分からないというより、スケールの大きなぼんやりとしたイメージを言葉にできない、といったほうが正確かもしれない。言葉にならない部分を言語化していて、その文章は非常に魅力的なので文章フェチの人はぜひ一読を。
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ものすごい格好いい映画を見てる感じでした。ゆるふわパーマ、ワンピースを細いベルトで締め、ストッキング履いて。イメージはベージュかクリーム。あ、奥さんのイメージね。なんだか、アメリカが文学、音楽、カルチャーがスタイルとして、まだ影響力があった時代を懐かしく感じられました。(幻想かも)(自分で言っててよくわからん)なんだかねー、子供の時暇で暇で、おとさんの農業バイクでぼっこぼこの道を疾走してたのを思い出した。舗装してない道だから、バイク跳ねる跳ねる。あのワクワク感がよみがえりました。
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