代替医療のトリック
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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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【人間的な思いやりがどれほど大切か】
このとき彼は「瀕死の状態で泣き叫んでいた」ひとりのソヴィエト兵士を 治療するという絶望的な立場に立たされた。コクランにできたのは、アスピリンを与えることぐらいだった。のちに彼はこのときを振り返って、次のように書いた。とうとう私はたまらなくなってベッドに腰を下ろすと、両腕でその男を抱きしめた。 そのとたん、叫び声がぴたりと止んだ。それから数時間ほどして、彼は私の腕のなかで静かに息をひきとった。彼が泣き叫んでいたのは胸膜炎のせいではなく、孤独のせいだったのだ
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医師は、治療にはプラセボ効果がつきものであることや、プラセボ効果の大きさはさまざまな要因によって決まることをよく知っている。たとえば、医師の服装や、自信がありそうかどうかなど、ごく普通の振る舞いなどもプラセボ効果の引き金になる。優れた医師はプラセボ効果を最大限に引き出すが、最低の医師はプラセボ効果をほとんど引き出すことができない。
― 319ページ -
たしかに代替医療を考えついた人たちは反主流派だったし、現代科学そのものが――ガリレオから最近のノーベル賞受賞者まで――反主流派たちによって築かれてきた。実際、偉大な科学者はすべて、なんらかの意味で反主流派だと論じるのも難しくはないだろう。しかし残念ながら、その逆は真ではない。反主流派だからといって、偉大な科学者だとは限らないのだ。抜本的に新しいアイディアを考えついた反主流派は、その考えが正しいことを世界に向かって証明しなければならない。代替医療の開拓者のほとんどは、そこでつまずいてしまうのだ。
― 288ページ
みんなの感想・レビュー・書評
ホメオパシーや鍼を俎上に載せ、いわゆる代替医療が本当に効くのかを検証するノンフィクション。各々の代替医療の歴史や、その本当の効能が暴かれていく過程がスリリング。結論としては、そのほとんどが「プラセボ以上の効能はなし」、とされのだが、「プラセボでも良いじゃないか」という反論も封じられているのが興味深い。指圧や風水にまで言及している巻末付録も圧巻。
代替医療に効果があるのかないかを突き止めるための本です。でも壊血病のくだりとか、ナイチンゲールのくだりとかの方が、読み物としては面白いです。だって、代替医療に効果があると思ってないから、本編で提示される事象はそこまで面白みないのでね
鍼灸、カイロプラクティック、ホメオパシーなどの西洋医学の代替として用いられる医療について、科学的に効果があるアプローチか否かを丹念に追求した労作。何もかも否定するのではなく、あくまでも科学的な見地から効果があったか否かを論じていて、いわゆる「懐疑論」ではないことに注意。
個人的には、ホメオパシーは聞いた事があるというだけのレベルだったが、本書で大いに学ぶ事が出来て満足。レメディーの怪しさは大変興味深かった。
エツァート・エルンスト氏という代替医療の専門家と、ジャーナリストのサイモン・シン氏が、 オルタナティブ(ホメオパシー、鍼、カイロプラクティック、レイキ etc.) について、 客観的な評価を記した本。 素人にも理解しやすくという姿勢は痛いほどわかるのだけれど、 「結論から先に言って欲しい」という感じです。 ちょっと冗長に過ぎます。 ただ、「それを言っちゃぁおしまいだ」と... 続きを読む »
ホメオパシーやアロマテラピーなどにはまる前にぜひ読んで欲しい、こういう本来の科学を学校でできないもんだろうか。赤ちゃんを生む前にぜひ 整骨院に行く前にぜひ
著作者がサイモン・シンという事で手にとった。普段ならあまり読まないジャンルだが今回も面白く読ませていただいた。訳者も上手いと思います…毎回。
結論としては、結局通常医療が正しいという事で納得。
でも今時、日本の病院行ったらどこも一杯で待ち時間が数時間に対して診察が数分というのは良くある事だし、病院行くとウンザリする経験が代替医療へと走らせてしまう元凶とも思います。
面白かった。翻訳も読み易いし、論旨も明快。一昨年、ホメオパシーの話がネット上で話題になったので、そのときに読んでおきたかった。 ただ、著者の「知」に対するスタンスーこういってよければベーコン主義的なスタンスーには、フーコー読者としては、少し反発もある(笑)。果たして「知」は所与のものとして発見されるものなのであろうかと。実在論系の立場にはどうしても反発心が出てきてしまう・・・。もちろん、行き... 続きを読む »
非科学的で怪しげな、なんちゃらパシーとかなんちゃらティックとか、そして日本人にとっては一般的な鍼治療等を科学的に、そして論理的に再評価させてくれます。
でも、サイモン・シンの著作が面白いのは、これだけじゃない。こういった疑似科学がどうやって人々の中に受け入れられていくのか、政治・経済・社会を巻き込んでの展開にいつの間にか夢中になってしまうんですよね。
鍼灸、カイロプラクティック、整体、ホメオパシー、漢方、ハーブ療法・・・西洋医学の流れに乗らない「代替医療」の有効性を、科学的なアプローチで検証した本。
著者のサイモン=シンは難解でScientificな話を、極力その正確さを失わせず、それでいて面白く伝える達人である。
骨の芯から科学に懐疑的な人間は読むべきではない。また、中途半端に読んで途中で書を閉じてしまうことも勧めない。信仰によって生まれていた治療の効力が霧散するだけだから。
ただし、個人的には一人でも多くの人がこの本を読み、人の寿命を縮める「かつては正しいと思われていたが、今では誤っていたことが判明した医療」が、この世から根絶されることを切に願う。
この著者の本は面白い。代替医療(針、ホメオパシー、自然療法他)には、基本的にはプラセボ効果しかない。と、科学的に解明した書籍。
ただし、傾倒しない限り、プラセボ目当てに代替医療を求めるのはありだと思う。
宗教チックになったらアウト。
代替医療っていうのは鍼とかカイロプラクティックとか指圧とか、通常医療の枠外に存在する様々な迷信じみた医療法のこと。
ハマってたサイモン・シンが主執筆者なんだが、期待ハズレ。科学的知見からバイアスなく各代替医療をたたっ切ってみたら、効果なし、または有害でした。ってまあ普通の結論。真面目な本だなとは思うが、読み物としての面白さを求めた僕の負け。
とはいえ、科学的アプローチで偏見、迷信に切り込むってのは単純に興味深くて、例えば上司の指導方法の有効性を臨床試験を用いて実証できないかなとか考えた。
大企業では誰のどの行為がどんな結果に結びついたかを解き明かすのは困難で、評価にバイアスがかかったとしても不思議でない。
鍼治療や水商法、カイロプラクティックなど、
一般に正規の医療行為と認められていない医療行為について、
「公正な目」で、その是非について論じた本。
最近、首のこりがひどくて、半年ほどカイロプラクティックに
通っているわけだが、この本を読んで考えさせられた。
自分の通っている先生は、この本で論じる「ミキサー」の
立場なのであろうが、自分自身、この「医療行為」の
リスクを十分承知せずに、しばしば施術してもらっていたことを
改めて認識した。
カイロプラクティックですが、腰痛には良いそうです。
確かに、うちの奥さんは、めっきり改善した。
父親に勧められ、読了。著明な科学者による代替医療に対する科学的検証。これからの医療を考えていく上で避けては通れない議論が扱われています。科学の枠組みから医療を考える際の疫学的視点の重要性を再認識する契機を与えてくれると思います。
サイモン・シンのいずれもの著作の根底を流れる「科学的手法」というテーマが最も色濃く出た作品です。
「われわれがこの本を書くことにしたのは、真実を知るためだ。 」サイモン・シンの真摯で誠実な態度がひしひしと伝わってきますね。
訳者の青木薫さんが、カール・セーガンの『人はなぜエセ科学に騙されるのか』の精神を受け継いだのがサイモン・シンだ、と熱っぽく語っているのに、とっても共感いたしますね~
それにしても、どの療法が効果があり、どの療法が効果がないのか、 サイモン・シンに示されたら、文句なく信用してしまいますね。(結局、すべて効果がないことが明らかになるのですが・・・)
えー、語りたいこと山ほどある素晴らしい著書です!
グアム旅行中に読んだ本。 原著のタイトルは言葉遊びになっていておもしろい。その名も「Trick or Treatment?」。ハロウィンの決まり文句”Trick or Treat!”をもじったものだ。Treatmentには手当,治療という意味があるから,「インチキか治療か?」というところ。 最近日本でもホメオパス助産師が問題になったが,ホメオパシーは世界的に普及しているという。ベルギーで... 続きを読む »
科学的根拠に基づいた医療(EBM)、臨床試験の質に基づいた批判的レビュー、偽薬(プラセボ)効果のみに頼る代替医療に反対する理由など、本書で展開されるそれぞれの考え方は、有象無象の医療情報に翻弄される今日の私たちに必須の医療リテラシーである。
また、効果の定かでない代替医療が世界的に受容されていくプロセス、政治や経済を巻き込みながら様々な人々の思惑入り乱れる様は社会学的な好奇心を刺激してくれるだろう。
タイトルに象徴されるように、代替医療否定という結論ありきで書かれたことがありありと見て取れる論調はクールでなくて残念だけれど、学ぶべき点の多い良書。
詳細感想→http://takatakataka1210.blog71.fc2.com/blog-entry-31.html
著者の本は「フェルマーの最終定理」から全て読んでいるが、 今回は今までとは少し毛色が違く分野なので少し驚いた。 ホメオパシーや鍼、カイロなど現代の代表的な代替医療を その成り立ちから、効果まで科学的な検証結果をもとに 効果があるのか?について検証している。 また主流の医療、そして臨床の効果や一般人が考える 敷居の高さは、想像よりも低く、幅広いことも教えてくれる。 結果とし... 続きを読む »
2011年2冊目。
きちんとした科学的観点に基づく医療技術の評価法が確立されたのが、私が思っている以上に最近なのことに驚く。長年の”実績”から来る偏見やバイアスの怖さは勉強になる。附録の、巷で流行りの民間医療の評価記録がある意味本編。

かなり期待はずれ.
サイモン•シンのこれまでの著作とはずいぶん違う.違うのは悪いことではないが,問題なのは(私にとって)まったく面白くないことである.これまでの著作では,科学,工学の中で,よりよ...





