数学者たちの楽園: 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105393069

作品紹介・あらすじ

笑うか? 悩むか? 見つけられるか? 超人気アニメに隠された、驚くべき数学の世界! アメリカ 1アニメ『ザ・シンプソンズ』は、じつは超難解な“数学コメディ”で、シナリオを作ったのはなぜか“ハーバードの博士”たちだった! 番組の大ファンである著者がシンプソンズ・ファミリーのドタバタ風刺アニメに隠された数学の魅力とサブカル的なディテールを語り尽くす。アメリカの知性・感性・毒性がここに!

感想・レビュー・書評

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  • 円城塔がいっぱい。

    世界に名高いアイビーリーグで数理を学んでいながらもコメディへの想いはやみがたく、そこそこに研究を切り上げて(とは言いつつ修士号やら博士号は取り)脚本家になった泣く子も黙るド変態、数学オタク(ナード)。会議の席上に一人いるだけでキテレツ路線待ったなしだが、シンプソン家の縁の下にはおよそ信じがたい人数のナードが蠢いている。そんな彼らがアニメをつくるチャンスを得たらそりゃあ、歴史的キテレツが生まれよう。
    本邦のアニメや教育番組との差異を挙げていたらキリがない。
    いたづらに長寿な磯野家物語が決して立てない波風がシンプソン家には毎回怒濤のうねりを見せる。
    政治や研究成果や時事問題がニュースやドキュメンタリー番組じゃないとこに顔を覗かせるのが不思議だ。
    ああ、シンプソンズが観たい。知的にドキッとしたい。

    アニメ製作陣もさることながら、筆者サイモン・シンもキレッキレのナードだ。
    彼のほかの著書ではちょっと見たことがないくらい、本書ではシンの変態の片鱗が散見される。
    何をしれっと低~いエルデシュ・ベーコン数持ってんだよ。

  • 待望のサイモン・シン。
    文庫本しか買いたくないのに、待てずに単行本にて購入。

    アニメ『ザ・シンプソンズ』にいかに数学への敬愛と数学的ジョークが散りばめられているか、という話。
    ザ・シンプソンズは絵しか知らず、見たことがなかったのですが、そうですか。
    観たくなりましたね。
    (と思って探してみたけど、やはり本筋はギャグなので、若干辛かった)

    相変わらずサイモン・シンの説明はわかりやすく、訳者もいつもの青木氏でとても読みやすい。心強い。
    前半フェルマーの最終定理の下りは若干冗長だったけれど、というか自身の著書の焼き直し感が強かったけれど、まあ一冊書いているだけあり知識も資料もたくさんあるから書きたくなるのかな…、と思ってみたり。
    という読んでいるこちらも『フェルマーの最終定理』を読んでいるので重複感を感じてしまっているのも事実だけど。
    それ以外はとても興味深い。
    主軸ではないが、Googleの語源についてなんかはどこかで話したい。

    数字って楽しい。

    最後1/3くらいは『ザ・シンプソンズ』ではなく同じ制作陣で作られた『フューチュラマ』の話です。
    若干唐突感はあるものの、読んでいる限りではこっちの方が好みそう。

    サイモン・シンもう少し本出してくれないかな。

  • 「ザ・シンプソンズ」を最初見たときこれがアメリカでなぜ人気なのかわからなかった。絵は下手だし、ストーリーもイマイチ・・しかし、この本を読んで考えが少し変わった、気がする。
    理数系の申し分のない経歴を持つ数学オタクたちが、脚本家として内輪ネタでこれでもかと仕込んだ数学ジョークはわかる人にしかわからないような高度なものだが、それゆえに理解できた時の喜びはひとしお。
    とはいえ、これは国民的アニメ・・つまりアメリカの平均的国民がこうした高尚な数学ジョークが理解できているとはとても考えられない・・とすれば人気の秘密はやはり別のところに。
    人気の秘密を勝手に想像すれば、かなり世間を辛辣な目でみる脚本のリアリティにあるのではないだろうか?
    子供アニメだと子供に迎合するのではなく、大人の鑑賞にも耐えうる内容は、子供も大人も楽しめる新たな境地を開拓したのでは?

    本書には、π(パイ=円周率)に関して日本人の名前が出てくる、一人は金田康正氏で、2002年に1兆桁まで計算した記録を持っており、さらに近藤茂氏は2011年時点での10兆桁という記録を樹立。(P259)
    上記の記録はコンピュータを使ったものだが、これを空で暗唱する記録にも日本人が絡んでいる。1987年に友寄英哲が4万桁という記録を持っていたが、2005年に中国人が6万7890桁を暗唱し抜かれた。
    また、数学オタク(ナードやギーク)にとっての特別な意味を持つ数、例えば1729はハーシャド数とよばれ、桁の数の和1+7+2+9=19の19は1729の約数となっており、桁の数の和(19)とひっくり返した数字(91)の積が同じ1729である。
    さらに定番の素数、無限大、無理数なども出てきます。

    本書で、メビウスの輪の真ん中からハサミで分割するとどうなるか、さらにメビウスの半回転を1回転にしたも輪を分割したら?という質問があったので、実際にやってみました。
    メビウスの輪は1本の輪に、後者は2本のつながった輪になりました、どちらもねじれていましたが。

    最後に本書の感想ですが、「ザ・シンプソンズ」を題材にしたパートは面白く読めたのですが、後半の「フューチュラマ」絡みになると専門的過ぎてよく理解できませんでした。
    とはいえアニメと数学、意外性に興味のある方には楽しめる1冊です。

  • シンプソンズに数学ネタがこんなにも盛り込まれているなんて、全然気づいていなかった。そして脚本家グループはナードの集団だったなんて。「フェルマーの最終定理」のおかげで、「エクセルが処理できる数値は15桁まで」と知ったぞ。

  • シンプソンズに数学ネタがおりこまれているとは。へー、の連続で、面白い知的エンタメ本。

  • 難しい!でもおもしろいことは確か!

  • 数学的な証明とコメディを書くプロセスは似ているのだとか。

    予知とも言われるほど社会的・政治的メッセージの多いThe Simpsonsに超難解数学がここまで隠れていた衝撃。
    ハーバードの博士号や数学的バックグラウンドを持つ人が多い脚本家チームによって練り上げられているからこそ、こんなにも多くの人を惹きつける長寿番組なのか。

    正直本書は難しすぎてとても理解できなかった。が、難しいことやメッセージが理解できなくてもシンプソンズは最高で唯一無二であることは変わらない。

  • 数学とシンプソンズアニメを愛するマニアによる本です。

    まさかあのアニメにこんな数学的な要素が詰まっていたとは!わたしはまったく数学脳ではないので、気づきもせず。
    ジョークの翻訳もすごい。巻末のジョーク集は、英語だけでなく数学と教養がないと笑えない...よくここまで、と感心します。

    注意書きがたくさんあり、文字量が相当詰まっていて初見とっつきにくい..。が、読み進めていくとクレイジーなほど愛が詰まっていて面白かったです。数学に関して深掘りしていく部分は、生憎理解は追いつかず飛ばし読みしました。

    アニメは、下品なのにどこか知的で面白くて癖になってよくみてました。アメリカ文化をわかっているほうが、より面白い。テンポ早い米英語のスラング勉強もできるので、おすすめ。

  • 『フェルマーの最終定理』『暗号解読』『ビッグバン宇宙論』の3部作ほどのワクワク感は無かった。

  • 期待していたのと少し違った
    途中まで

  • 778

  • サイモン・シンさんと青木薫さんは日本人にとって最強のコンビかも?このお二人はいつも、数学の楽しさをドラマチックで緻密でかつ分かりやすい(読みやすい)日本語で伝えてくれる。

    フェルマーの最終定理の反例(?w)が示されるエピソードがすごく面白い。

  • シンプソンズの何気ないシーンに隠された高度の数学の話が盛りだくさん.
    そのいたずらごころは非常に面白く,すべてのシーンを見返したくなる.
    ホーマーやバートが何かのミスで賢くなってしまう回には注目.

  • ふむ

  • 数学
    ノンフィクション

  • ギークな人向け。半分も理解できないけど、分かるとこだけでも楽しめはする。

  • 数学者たちの楽園: 「ザ・シンプソンズ」を作った天才たち

  • ちょっと数学的な内容によりすぎている気がする。
    他であった、ワクワク感がない。

  • 数学の研究者とコメディの脚本家。脚本家の方が魅力的?

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