スーパー・カンヌ

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著者 : J.G.バラード
制作 : J.G. Ballard  小山 太一 
  • 新潮社 (2002年11月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784105414023

スーパー・カンヌの感想・レビュー・書評

  • 初バラード。山形浩生のバラード論。ぬるいお風呂に長く浸かっていると時々体も頭も冷まさないと湯あたりするもんね。ゲートシティはどうなんだろう?ラストが今ひとつで物語としては物足りないけれどテーマが興味深いので。

  • バラードを読んだ経験はほとんどない。しかもSF作家と目されていた時期の作品とは巡り合わなかった。全ての理系志向少年が潜在的SF好きであったような時代を過ごして来た世代としては珍しいのかも知れないが、自分はSF好きらしいSF好きではなかった。それがよかったのかも知れない。バラードのことをSFの裏切り者的に見る視点が自分にはないのだ。であるからこそ、バラードこの「スーパー・カンヌ」を読んで単純にこの作家に感心することができる。

    「スーパー・カンヌ」は翻訳で出版されたバラードの小説としては、再版された「コンクリート・アイランド」を除いて最も新しい作品だ(2002年出版)。バラードが1930年生まれで、56年にデビューして以来常に話題作を提供しつづけていることだけでも驚異的であるが、この「スーパー・カンヌ」で描いてみせている現代社会の病に対する筆の勢いを目にすると、一段とその思いは強くなる。例えば、この作品と同じような匂いが、ドン・デリーロの「コズモポリス」にもするけれど、二人の年齢差を考えてみると、バラードの脳細胞の柔らかさが実感されるように思う。

    管理された社会というものを人類はどこかで追い求めてきていることは間違いない。例えば、古代文明の都市に見られるように、人類は予測不可能の要素の代表である自然を必死に押え込もうと街を作り、人工物を代わりに並べて来たとも言えるだろう。養老孟司もどこかで書いていたけれど、徹底的に自然の要素を生活環境から排除してみて結局残ってしまったのが自分自身の身体だけとなった。だから、その予測不能な身体の行う最たるものである、死、を見えないところへ追いやろうとするのだという。バラードの描く「スーパー・カンヌ」は、まさにその徹底した自然の排除の結果残ってしまった身体、そしてそれを無意識の内に管理している、心、というものを描いていると見ていいだろう。

    フランス、カンヌに開発された人工都市、エデン=オランピア。そこは、労働環境を徹底的に効率化した世界だ。敷地内には豪華な居住空間があり、必要なものはなんでも揃っている。各オフィスにはエルゴノミックス的に最適な設計があり、故人専用の休息室も完備する。ここには世界中の重役達が集まっているのだ。その最先端の人工都市を運営する会社に雇われた小児科医が、ある日重役達を次々に殺害した挙句に自殺した。その小児科医の知り合いであったイギリス人女医が、翼をもがれた飛行気乗りの夫と伴に後任の小児科医として短期契約でエデン=オランピアに赴任する。しかし、そこには何か隠された陰謀があると考えた飛行気乗りの夫は独自に調査を開始する。

    そう書くと、ミステリー的要素が強調され過ぎると思うのだが、現代社会が抱える暗い部分を書いていてもエンターテイメント性を高く保っているところが、この作家の凄いところなのだと思う。事実、この作品を読み始めると文字を追いかける自分の目の動きの速さに酔ってしまいそうになるくらいだ。余りにスムーズに読めるのである。これじゃいかんと時々ブレーキを掛けるのだが、気付くともまたもの凄い速さで頁をめくっている。その位この「スーパー・カンヌ」にはぐいぐいと挽き込まれる。但し、ミステリーの結末は、この本の書き出しに既にスケッチ風に描かれており、やはりそうくるか、という感じはしたけれど。

    小道具として登場するものは目新しいようで、聞いたことがあるようないようなもので満ちている印象があるのだが、そういう外見にまとっているものを見て、これはSFだとかミステリーだとか決めつけてしまうと、バラードという作家は見誤るのかも知れない。単純に言ってしまえば舞台装置は代わったところで人間の本性はそうそう変わるものではないということを、この本を読みながら思い知らされる。その本質の負の部分を強... 続きを読む

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スーパー・カンヌの作品紹介

銃声が静寂を破り、ビジネス・エリートたちの超楽園に闇が、ゆっくりと、口を開く-現代文学の巨人が挑む人類の未来、ミステリの快楽。

スーパー・カンヌはこんな本です

スーパー・カンヌのペーパーバック

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スーパー・カンヌのPerfect

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